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小さな足跡の記録  作者: こう
再出発

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今年の餅つき

十二月二十三日。

今年も餅つきの日がやってきた。


去年は顔見せ程度しかできず、あとは家の中で過ごした侑也。

今年はちゃんと見られるかな?と期待して、実家に連れて行った。


今年はご近所さん、親戚だけでなく、僕の友達も子どもを連れて遊びに来てくれた。

親戚の子どもたちと合わせて、侑也を含め四人の小さな子どもたちが集まり、大賑わいだ。


みんな、つきたてのお餅を丸めては美味しそうに食べている。

侑也にも「どうぞ」と言ってくれる優しい子もいたが、

食べられないことを伝えると、少し寂しそうな顔をしていた。

「ごめんね」と心の中でつぶやく。


しばらく妻に抱かれて餅つきを見学していた侑也だったが、

注入の時間になり、家の中へ。

それでも外の地面から響いてくる餅つきの音に、

今年もびっくりしながらキョロキョロしていた。


やがて、お腹もいっぱいになり飽きてきたのか、

子どもたちが次々と家の中に遊びにやってきた。

どうやら家の探検を始めるらしい。


そこに、僕の兄も加わった。

疲れたのか、子どもたちと一緒に遊ぶことにしたようだ。

そして、急遽はじまった「かくれんぼ」。


声だけ聞いていると、兄が子どもたちを遊ばせているのかと思った。

ところが突然、兄がリビングに駆け込んできて——隠れた。

僕は初めて目の前で見た「大人がする全力のかくれんぼ」を。

子どもたちは一生懸命探しているが、なかなか見つからない。


その様子を見ていた侑也が、兄の方を見つめながら、

「あ〜、あ〜」と声を出した。


何を伝えたかったのかは分からない。

「何してるの?」だったのか、「そこにいるよ!」だったのか。

でも確かに、侑也は“かくれんぼに参加していた”。


声を頼りに兄を見つけた子どもたちは、

侑也に笑顔を向けて、また遊びに行ってしまった。


管に繋がれ、動きも制限されていても——

みんなと一緒に遊ぶことはできる。


そんな侑也を見て、

「自分にできることを頑張る」という姿勢を、

僕たちは教わっているのかもしれない。


……そこまで考えていたかは、分からないけれど。

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