寝れない1日
退院してからの侑也は、熱も出さず、吐くことも以前よりずっと少なくなった。
訪問看護師さんの毎日の体調チェックもあり、問題なく過ごしていた。
定期の受診と、退院後の報告をかねて、十二月二十一日に医療センターへ向かった。
受診の待ち時間でおネムになってしまった侑也。
診察室へ入ると起こされ、やっと終わったと思えば今度はリハビリで起こされ、
ようやく寝られると思ったら——「おうちに着いたよ」とまた起こされる。
終始、不機嫌な一日だった。
「今日は一日お疲れ様」
そう声をかけて、ベッドへ連れていく。
本当に疲れただろう。安心して寝ていいんだよ。
そんな思いでそっと寝かせた——その時だった。
鼻から入っている管が、見えてはいけないラインまで出ている!
「管が抜けかかってる!」
慌てて妻に報告し、一緒に確認する。
やはり、見えてはいけないラインだ。
すぐに病院へ連絡する。時刻は二十一時を回っていた。
「夜間の先生ができる人ならいいけど……」そんな不安が頭をよぎる。
病院からの返答は、「すぐに連れてきてください」とのこと。
慌てて準備をして、侑也を連れて出た。
幸い、その日の宿直の先生は、以前に侑也の管の挿入に関わった先生だった。
そのままテレビ室へ運ばれ、胃の中を確認しながら再挿入してもらう。
しっかりと入ったのを確認して、ようやく安心。
夜中のうちには帰宅することができた。
侑也は病院を出るまで、「もう寝れるか〜!」と言わんばかりに大泣きしていた。
けれど、車が動き出すとすぐに寝息を立て始めた。
家に着いてからも起こさないように、そっとベッドへ連れていく。
今度こそ——ゆっくり眠れる時間がきたのだ。
侑也君。今日は本当にお疲れ様でした。
どうか、ゆっくりおやすみください。




