55/135
幸せな悩み
侑也のご飯は、注入だ。
先生との約束で1日4時間は休憩するが、それ以外は繋ぎっぱなしの状態が続く。
注入リズムは、夜中の0時に始まり、朝6時に交換。
10時から休憩に入り、14時に再開。
20時にもう一度交換し、また0時に戻る——。
こうして、1日の中にきちんとしたリズムを作ることにした。
やがてこのリズムが、我が家の生活リズムへと変わっていく。
実家にいる間はまだ良いが、家に戻れば妻には家事もある。
安定した流れがあれば、何事もやりやすいだろう。
常に管に繋がっていても、侑也の元気は変わらない。
繋がったまま、あっちにコロコロ、こっちにコロコロ。
動き回っては、管を足に巻きつけて栄養ボトルを引き倒すこともある。
かといって体を縛るわけにもいかず、動き回れるほど元気なことが、嬉しくもあり、少し悩ましくもあった。
実家にいる間は、祖母も曾祖母も気にかけて、侑也に巻き付いた管を取ってくれる。
けれど、家に帰ったらどうなるのだろう。
何か対策を考えねば——そんな悩みも、入院中を思えば幸せな悩みだ。
妻もだいぶ落ち着いてきたようで、実家暮らしは十日ほどで終わることになった。
もうすぐ、我が家へ帰ってくる。




