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小さな足跡の記録  作者: こう
再入院 明らかになる病

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揺れる希望

手術の次の日、目を覚ますたびに侑也は泣いていた。

痛みや違和感が酷いのだろう。身動きすることもできず、小さな声で泣き声をあげる。


熱の上がり下がりもあり、痛み止めの座薬を挿れてはまた眠る——その繰り返し。

見ていてこちらの胸が苦しくなる。


月に一度、慰問のために病室を訪れてくれるピエロさんにも、この日は会えなかった。

侑也も楽しみにしていたのに……。


術後3日目から、注入のエレンタールPが1時間に5mlという超スローペースで始まった。

胃瘻はまだ安定していないため、鼻の管からの注入だ。


侑也も少し元気を取り戻し、コロコロと左右に動きを見せ始めた。

順調に回復しているように見える。

祖父母がお見舞いに来てくれた時も、笑顔を見せていた。


けれど、祖父母からは多少責めるような口調で問い詰められた。


「本当にこの手術は必要だったの? 胃瘻にしたら、もう食べられないんじゃないの?」


——その答えは、僕たちが一番知りたい。


先生から聞いた通りの説明を、僕はそのまま繰り返す。

「胃は縛ってないから、食べようと思えば食べられるらしい。

将来的に必要なくなれば、塞ぐこともできるって。」


まるで、自分自身への言い訳のようだった。


胃瘻が安定し、廃液バッグが取れた頃から、胃瘻を使っての注入が始まった。

注入速度は1時間に30ml。少しずつ量も増えていく。


——これで、安定してくれれば。


僕たちの選択の結果が、ようやく訪れようとしている。


今は24時間注入している。

2〜3秒に一度、静かに落ちるくらいのゆっくりとしたペースだ。


注入を始めてしばらくは安定していた。

侑也もご機嫌にコロコロと転がり、時おり傷の痛みに顔をしかめている。


「落ち着いてそうだな」


そう言ってしばらく様子を見たあと、妻に任せて帰宅した。


翌日、仕事帰りに病室へ行くと、妻から夜中にまた吐いてしまったと聞かされた。


——何も変わっていないのか?

侑也の頑張りは、どうなってしまうんだ?


もちろん、一度吐いただけで全てうまくいっていないと結論づけるわけにはいかない。

それでも、心の中には暗雲が立ち込めていた。


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