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羊水検査の結果
羊水検査の結果を聞きに、今週も医療センターへ向かった。
僕たち夫婦は、検査とは「すでにある事実を確認するための行為」だと話し合っていた。
どんな結果であろうと、この子はこの子。分かるのが早いか遅いかだけだ――そう覚悟していた。
診察室に入ると、先生がプリントを手に持って現れた。
その瞬間、決めていた覚悟がふっと揺らぐ。
「どうか、異常なしでありますように」
胸の奥で祈りながら、プリントに目を落とす。
「染色体を検査しました。見る限り、数が違うとか形がおかしいといった明らかな異常はみられませんよ」
ほっとため息をつき、横を見ると妻も同じ表情をしていた。
「みる限りの話ですけどね。この中のどれかのさらに中身が欠損しているといった部分までは調べられません。全てを調べることはできないのです」
心の中で「上げて落とすな、先生……」と叫びながらも、僕は小さく頷いた。
その日は異常がなかったことを喜び、心に安堵の小さな灯をともして帰宅した。
とはいえ、子供の発育不全の原因はいまだ不明のままだった。
その不確かな先に、僕たちは祈るように、しかし静かに歩みを進めていった。




