離れてわかったこと
7月30日
この日僕は、夕方からお腹に違和感を感じだした。
仕事も後1時間で終了するというタイミングだったので、だんだん痛んでくる腹を押さえながらなんとか乗り切り、終業時刻を迎えた。
帰る頃には、壁に手をついていないと歩けないくらい痛む。
真っ青な顔で帰り着いた僕を見て、妻は心配そうに出迎えてくれたが、とりあえず胃薬を飲んで寝ることにした。
何が原因かは分からないが、体調不良なら侑也に近づかない方がいいだろう。
そう判断して、今日のお世話は妻に任せ、さっさと休ませてもらうことにした。
次の日。
痛い。酷くなっている。
車の運転もできそうになかったので、実家の父に電話をし、病院まで連れて行ってもらう。
診断は酷い胃腸炎だった。
「放っておいて腹膜炎にでもなっていたら、手術が必要だったかもしれませんよ」
先生にそう忠告され、とりあえず薬をもらって帰宅した。
病院から家までは信号一つ分ほどの距離なのだが、ものすごく遠く感じた。
帰ってからも、侑也とは隔離生活。
自分自身、動ける元気など無いのだが、侑也の声が聞こえるたびに気になって仕方がない。
元気に遊んでいるな。
あれ?泣き声になったぞ。何かあったか?
聞こえてくる声に、いちいち反応しては想像してしまう。
2日ほど寝込んで、やっと動けるところまで回復した。
まだ一緒に遊ぶには早いので、遠くから様子を見る程度だが、2日ぶりに見る侑也は体調を崩すこともなく、元気に遊んでいた。
良かった。
侑也には伝染らなかったんだな。
それが、まず一番に感じた感想だった。
侑也にうつらないことはもちろんだが、
侑也から隔離されると、こんなにも寂しいのかと実感した。
侑也はもちろん、妻、そして自分自身の体調も大事なんだと、改めて思い知らされた出来事だった。




