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第3話「魔物をワンパンした件」
かなり短いですが
仕方なく森に戻ると、再び魔物に遭遇した。今回はトカゲのような外見で、明らかに前より格上の風格だ。
「……またか。こっちは武器すらないんだけど」
魔物は吠えながら突進してきた。その迫力に思わず後ずさるが、体が勝手に動いた。拳を振る——
ドゴォン!!
地響きと共に、魔物は霧散した。肉体が、粉塵のように空に舞った。
「……マジでワンパン……」
改めて自分の攻撃力の異常さを認識した俺は、今後は敵に触れないように気をつけようと決意する。
それでも、倒した魔物の残骸からは“素材”が残っていた。
【バグアイテム:欠けた牙】
・用途:???
・装備:不可
・備考:通常アイテムと併用不可
「バグアイテムまで出てくるのかよ……」
この世界がただのファンタジーではないことを、俺は少しずつ理解し始めていた。
——第4話へ続く。