21 痛みは共有するもの
遅れてごめんなさいー!
ーマリア視点ー続
エリーゼ様、彼女は独り屋敷に住んでいた。
私は勝手に家族と住んでいるものだと思ったから、彼女の屋敷を初めて見た時は驚いた。
部屋に…何も無いのだ。
1人用の小さなテーブルと一脚の椅子。
飾りも何も無く、あかりも薄暗い。
しかし、部屋にホコリはひとつも見当たらなかった。
しっかりと手入れはされているのだろう。
でも、飾りげのない部屋と対照的なその様子はよりこの屋敷の殺風景さを強調させていた。
彼女はここにずっと1人だったのだろうか。
彼女のことを何も知らないのに、酷いことを言ってしまった私に反吐が出るようだった。
しかし、彼女の方を見ると、
「あなたが来たからテーブルももう少し大きめの物を買わないとね。」
なんて、この屋敷に住んでいる者とは思えない美しい微笑みをして見せた。
私が思わず彼女に見とれていると、
「あら、物足りない屋敷だとお思い?」
と彼女が私に声をかけてきた。
私は図星をつかれ、思わず黙っていると、
「そうよね、私もそう思うわ。
だからあなたに頼みたいの。
この屋敷の掃除と、
それから
この屋敷の装飾!」
彼女は先程よりも明るい表情でにっこりと微笑んでみせた。
「え?」
私は声を漏らした。
彼女は少し首を捻ると、
「大丈夫よ。お給料はちゃんと渡す。
何より、あなたが、あなたがそばにいてくれるだけで幸せだから。
誰かと食事できるのも、誰かと星を見れるのも、久しぶりなの。
装飾をお願いしたのは、あなたと過ごすこの屋敷を少し、鮮やかに華やかにしたかっただけだから。」
そう言った彼女の横顔は少し悲しそうだった。
それから私達はあの屋敷で何日も何ヶ月も一緒に過ごし、新しいメイドも入ってきた。
皆、彼女に助けられた、と言って。
彼女は外に出ると毎度毎度人を助けてこの屋敷に連れてくるのだ。
戦争孤児や、死刑囚の娘などこれから社会で生きていくのが難しいであろう人々を彼女は見捨てなかった。
そんなある日、私はふと気になり彼女に尋ねた。
ーあなたはなぜひとりでこの屋敷に住んでいるのか、と。
思ったよりも素直に彼女は答えてくれた。
裏切った家族のこと、魔法のこと。
自分の過去を話す彼女の背中はいつもより頼りなく、まるで小さな子供のようだった。
そして、
私は守りたいと思った。
もう、彼女に辛い思いをさせない。
神様はなぜこんなにも彼女に試練を与えるのか。
彼女が一生懸命生きてきたその人生を全力で支えたい。
私はその時そう誓ったのだ。
みんなぁ見てくれてありがとう!!
感想お待ちしてますm(_ _)m




