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弱テン才  作者: 愚者
第一章【青悪魔と蒼白の洞窟編】
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六話 新しい生活

昔話が終わったあと。俺達は外…いや正確にはこの空間内で言う外に出た。エメラはワクワクして尻尾を振っている

「さて!魔法を教える。ってさっき私はエメラちゃんとルテロちゃんに話しました」

「うん!何から教えてくれるの?」

俺も正直未知の領域だ。胸がワクワクしているのを感じる

「ですが…期待を折るようで申し訳ありません。貴女達はまだ残念ですが魔法を扱うには身体が成熟仕切ってないんです。それどころか魔術が向いてるのか…筋術が向いてるのか…それさえも不明瞭です」

「えぇ~!」

えぇ~

「そしてさらに。ここで暮らしていく上で…一から百まで私がやってあげるのもそれはそれで私は好きだから良いのですが…それではエメラちゃんのためにも…ルテロちゃんのためにもなりません。」

おっと…次の台詞が予測できたぞ?

「そこで!これからエメラちゃんとルテロちゃんには家事を手伝ってもらいたいのです!」

「わーい!」

「わ。わーい!」

「ふふっ♪あ!無理な事があったらすぐ言ってくださいね!こう言うのは協力ですから♪」

「はーい!それでそれで!何からするの?」

「えーと。では地味ですが…床掃除からしましょうか!」

床掃除かぁ。別に目立つ汚れとかはないけどな…

「…ディアさん。目立つ汚れとかあります?」

「そうですね…確かに目立つ汚れはありません…ですがルテロちゃん!常に綺麗にしておいて損と言うこともありません!」

「…まぁ…そうですよね」

「ルテロちゃんはめんどくさがり屋さんですか?」

いいえと言えば嘘になるがはいと言うのがすごく悔しいなこの質問

「……う~ん」

「運動だと思って付き合ってください!ダメですか?」

「はい…やります」

この上目使い詐欺だろ。なんで目下の子供にもこれするんだよ

「それじゃ!決まりです…ちょっと待っててくださいね!」

そういうとディアさんは家の裏からホウキと槍を持ってきた。

「ここで私の特殊能力を使わせて貰いますね」

「えー!なにそれ!」

特殊能力…んまぁ悪魔だから確かに持っててもおかしくないか…


そういうとディアさんの腕がポトリと落ちた。

「ひっ!?」

突然のホラー展開!?小さいお子さまがいるんだぞ!?俺はこう言うの好きだけど!

そんな感情もお構いなしに腕は周りに服を生成しその腕はみるみる膨張し人の形になった。落とした側のディアさんと言えばもう腕を再生しており腕だったものは瓜二つのもう一人のディアさんになった

「…怖いっ!ディアさん怖いよ!」

「…もうちょっと…少女に配慮とかは…出来なかったんですか…?」

「…でも今後も多分ちらほら見ると思うので見といてほしいかなと…思いまして…」

この人…

「おほん…申し訳ございません。確かに…不愉快な物でしたね…これが私の能力【肉体分裂】です」

片方だけがしゃべっておりもう片方は瞬きこそ合わせてるものの声が出ない。これ。腕の方の奴生きてるのか…?

「へぇ~!でも面白いね!ディアさんが二人になった!これも魔法なの?」

「…これは残念ながら…私の能力ですので魔法ではないです。でもこれで掃除で困ったことがあればいつでも協力してあげれます!」

「…はいディア先生」

「どうしましたルテロちゃん?」

「この腕だったディアさんは生きてるんですか?」

「あー…この私は……なんて説明すれば良いかな…いわば身体の一部です」

「こっちでも喋れますしね」

そういうと腕のほうが喋った。

「要するに…口と鼻が二個、目と耳が四個。手足が八個になったと考えてください」

なるほど…………え。それ今一人で全部操作してるの?頭パンクしない?

「な…なるほど…」

「さぁ!掃除を初めましょう!午前中のうちに終わらせちゃいますよ!」

「はーい!」

「…わかりました」

そういうと腕のほうのディアさんは家の方に戻った…

「まずは…ホウキを使って綺麗にホコリを掃いて……………」




そんなこんなでお昼頃

ディアさんが教えるのも上手くエメラの仕事覚えと仕事効率が早かった物だから掃除以外にも鳥小屋の掃除と卵の回収方法、畑の手入れ、花壇の水やりから植え替えまであらゆる事を教えて貰った。特に面白かったのは畑の手入れだ。何せこの世界には草魔法という魔法が存在しているらしくディアさんが少し魔法をかけると芽だった野菜がニョキニョキ成熟して立派なものに育ったり果物を採っても採っても雨みたいに降ってきたりと…原理は多分あるんだろうが魔法とか言う未知の領域だ。スゴいとしか思えなかった

洞窟に封印されてて食料問題に困らないのはこのためかと今ようやく納得した。

「さて…最初は掃除だけって言ってたのに…申し訳ありません様々な物をやらせてしまいまして…疲れたと思います」

「楽しかった!ディアさんが楽しく教えてくれるから飽きなかったよ!ね!ルテロッテ!」

「うん」

確かに雑用をやらされてると言う感覚はなかった。どちらかと言うと職場体験?多分これからも俺らはやっていくんだろうが

「さて!お昼ご飯を用意しましたよ!」

そう言うと家から腕じゃないほうのディアさんが出てきた。

お昼と言うにはあまりにも贅沢と言わんばかりのラインナップだった。家の外…噴水の前の机に沢山の食材が置かれ俺はそれらに目を通す

先程俺達が収穫した小麦らしき食材をパン状にしたものに果物が沢山盛り付けられておりたっぷりの練乳がかかっている。飲み物は多分さっき収穫した果物を絞って混ぜたミックスジュースだろう

「わぁ~!美味しそう!」

「いっぱいお仕事して疲れたと思います!沢山食べてくださいね!」

えっと…食べる前には…

「「「食物の全てに感謝しておいしく食べさせていただきます!」」」

俺とエメラはフルーツトーストにかぶりついた。


お昼の手伝いが終わると俺等は家の中でお勉強会をすることになった

「さて。この世界で生きてく上でやはり知識と言うものは必須になっていきます!これからは私がエメラちゃんとルテロちゃんのお勉強を教えていきたいと思います!」

「はーい!ディア先生!」

「どうかなさいましたか?」

「私達に何を教えてくれるの?」

「そうですね…私が教えることに決まった事はありません。エメラちゃんとルテロちゃんとお喋りして二人から出てきた疑問に対して私が詳しくお話しする。っと言った感じでやっていきます!」

なるほど。Q&A方式か…

「例えば…そうですね…ルテロちゃん。お手伝いとかで知りたくなったこととかありませんでしたか?」

ある。山ほどある

「草魔法の原理について教えて欲しいです」

「あ!それ私も気になった!」

「そうそう!そういった感じで疑問を常にためていってください!そうですね…草魔法について…を話す前にやっぱり魔法の原理と仕組みについて…色々お話ししていきますか…」


こうしてディアさんと俺とエメラのQ&A方式の授業が始まった。ディアさんの家には沢山の本があり俺達二人はその本を資料としてディアさんに様々な事を教えてもらった。この世界の文字が読めない俺とエメラは資料の絵等をみるしか出来なかったが懇切丁寧に一つづつ読み聞かせをして教えてくれ知らない単語や知らない言葉は全て紐解き解説してくれた

そして大まかに魔法や剣術、魂と肉体、魔術と筋術についてを教えてもらった。

「あ。そうだ!お二人にはこれをお渡しします!」

そう言われてディアさんは大きな辞書のような本を二冊俺等に渡した。中をパラパラと開いてもなにも書いていない。表紙にはそれぞれエメラ、ルテロッテと刺繍で縫われていた

「これは思ったこと。疑問に感じたこと等を書いてそれの分かったことなどを記していく自分達の本です。自由に書いてください!」

「これはディアさんが作ったんですか?」

「はい!張り切っちゃいました!」

すげぇ…。

「でもディアさん!私達文字書けないよ?」

「少しずつですが文字は教えていきます。これに関しては質問と回答で教えれるようなものじゃないので毎日少しずつ教えていきますね♪」

「はーい!」

こうして午前中はお手伝いをして。午後はディアさんとお勉強を済ませ。俺達はディアさんが作ってくれていたご飯を食べることになった。

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