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something white

作者: 瀬田 和佳




照れるところを見せまいと作ってた

臆病な距離感をぶち壊すかのよう

君は「ほら見て、雪だよ」と

強く僕の袖を引いてはしゃいだよね

あんなにも間近で見せてくれた

あたたかな笑顔と幻想的な吐息が

音もなく巡るたび心地よく胸が震えた

今じゃ軋むような苦痛しかくれないが


結局僕が恋したのは君じゃなく

その清潔そうなイメージだったみたい

目を背けたいほど汚らしい中身を

上手く隠して包装してた白い肌

どうせ今頃も君はいつかのように

薄暗い密室で全てを晒して

僕なんかよりはるかに気の合う誰かと

いやらしく垢を擦り付けあってるんだろう


身震い誘う孤独、手先を刻む寒風

そして脳裏を蝕む君の幻が和らぐ頃には

リアリティのある強がりの一つも覚えて

少しは受け入れているだろうか

緩やかに溶けて散り失せてゆく

美しくも憎い“まっしろ”を


愚直と軽挙で作られた外面だけの純愛(笑)(プラトニック)

ちょうど一粒の雪がそうなるように

呆れるほど静かに熱とカタチを失くしていった

悪いのは確かに不実をはたらいた君の方さ

かといって潔癖で脆すぎた僕に

何の非も無いとは言わないけれど


いっそあの偽りない本性でもって

気が済むまでなじってくれたら良かった

それで黒い絵の具の使い方を

学ぶこともできたかもしれない

今さら白々しい謝罪なんか

少しだって求めちゃいなかった

君だけが得して救われて終わった

不公平なサヨナラ


この純白を騙った稚気が燃え尽きるまで

体は火照ったくらいが良いっていうのに

祈るように見上げた闇はそれでも空しく

意地悪に冷ました欠片を降らせる

サクリ、サクリと踏み潰して歩くたび

同じだけ自分の心に痛みをおぼえた


未練の滴が視界をぼやかす

街灯がさらに目を輝かせる

まるで見せつけるように照らし出された

汚れの目立たない真っ黒な舗装路

ひたすら無言で繕い続けるのは

無機質にきらめく“まっしろ”だ


白雪もやがては泥まみれに濁る

僕も見習わなくてはいけないのかな






詩って、意外とはずかしいですね…

小説に比べて自分の考えたことが断然どストレートに反映されちゃってる感じがしちゃって


ともかく皆様のご感想を心よりお待ちしております

ありがとうございました

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