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考福  作者: 廣瀨 玄武
過去と記憶が紡ぐ日々
2/11

考福2.彼女の未来を解いた日

【タワー】

登る。昇る。

己の未来を隠すよう、閉ざすよう。

降る希亡の中、希望を抱いて歩みを止めない。

音の鳴る瞬間、視界がその歩みを止めさせる。

この名は、アメ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「とは言っても、何か手がかりになるものは…」

僕の記憶を呼び覚ます手がかり。それらしきものはどこにも無かった。申し訳なさそうな表情に変える。

「んー…じゃあとりあえず俺が有他とあった場所にいこう。」


「ここだ。」

ゴミ捨て場だった。僕はここで倒れていたという。

「それはもう、ボロボロな姿で、ぐったりしてたぞー。」

そうだったのか。一体誰が、いつ、僕を捨てたのかよく分かっていないが、人間が行ったことに間違いはないようだ。

一瞬、記憶の一部が現れる。

「僕を捨てた人は、白い服を着ていた…。気がする。」

「え?」ユーリさんは驚いた様子だった。

「何か分かるかもしれない。俺、色々漁ってみるよ。」

「ありがとうございます。」

ユーリさんの話すスピードが、少しだけ早いように思えた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「雨、降ってきたね。」

幸せに満ちた黒目。

「見て見て黒海(クカイ)!タワー!」

外気と手を繋ぐ白い歯。

「あんまりはしゃがない、雨なんだから。」

「えー、でも早く登りたいし〜…」

「分かった、分かったから!」

「先行っちゃうもーん」

後ろに1歩、また1歩。活発な紅色に赤色を塗り重ねる。

「だぁもう待てってー!」

「待ちませーんだ!ふふふ!」


笑顔で後ろを前にする。


その瞬間、彼女の未来は解かれた。

NEXT:考福3.彼がモザイクを貫く日→

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