少年探偵の頭の中
「犯人は、あいつで間違いない。」
事件が起きたのは、いつもと変わらない教室だった。学校で一番人気の"姫川 さくら"が行方不明だ。教室の中は騒然としていた。ガラガラ、全員の目がドアに集まる。そこに現れたのは副担任の"佐々木 陸斗"だ。ホームルームの時間だ。しかし、なぜ副担任が来たのか。
「ホームルームを始める、席につけ」
騒然としていた教室が静かになった。いつもと変わらない話が続き、終わりの時間が迫ってる。誰も何も言わず何もなかったかのように進んでいく。ホームルームが終わり1時間目が始まり、何もないまま終わった。2時間目は体育だ。男子はサッカー、女子はバスケットだった。情報は得られなかったが、怪しい奴は見つけることができた。それは"結城 蒼汰"だ。結城は女子に人気のあるいわゆる王子様タイプで、姫川とも仲がいい。そんな奴が「姫川は×××で眠っている」といってた。残念ながら場所を聞き取ることはできなかった。結城は何か知っているに違いない。犯人か、共犯者だ。今日まだ見ていない担任の"眞木 敦"も怪しい。3時間目も4時間目も何もなかった。どうして他の人は何も気にしていないのか、朝は騒いでいた人も今は友達と笑いあっている。何故だ、俺だけが変なのかこれ以上探るのは危険かもしれない。でも、探偵をしている以上気になってしまう。お昼に情報を集めるしかない。ばれないようにこそっり教室中の会話を聞く。関係ない話をしている人がほとんどだ。しかし、収穫があった。「姫川は俺が朝、連れていった。やっぱり、姫川ってかわいいよな」聞こえてきたのは犯行の自白だった。「でも、さっき見に行ったらいなかったんだ。残念だよ」何、事件は2つ起きていたんだ。そして、犯人も二人いる。一人は分かった。俺の予想どうり"結城 蒼汰"だった。もう一人は誰だ。謎が解けたのに、謎が増えてしまった。俺はもう一人の容疑者担任の眞木の足取りを追うことにした。朝、学校に来たのは見ている。しかし、教室に行く前に消えた。車もない。どこに行ったんだ。これ以上後を追うことは出来なかった。チャンスがあるのは眞木だけだ。犯人は、眞木で間違えない。しかし、決定的な証拠がないままタイムアップだ。帰りのホームルームが始まった。
ガラガラ、そこに現れたのは副担任ではなく担任の眞木だった。
「始めるぞ、席につけ」
「姫川は、大丈夫ですか」
「大丈夫だ、念のため病院に連れて行ったが、ただの風邪らしい」
「よかった」