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私が征夷大将軍⁉~JK上様と九人の色男たち~  作者: 阿弥陀乃トンマージ
第一章 JK将軍誕生

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人事を尽くして

                      拾

「葵様、お疲れさまです」

「ああ、サワっち、お疲れさま」

 校庭で行われているキャンプファイヤーを眺めていた葵に爽が声をかける。

「春の文化祭、どうやら滞りなく終わりそうですね」

「そうだね、クラスの出し物も好評だったし……」

「『男女逆転・主従逆転茶屋』ですね、他のクラスと比較してもトップクラスの客入りだったかと思います。大毛利君はギリギリまで抵抗していましたが」

「最終的にはさぎりん共々ノリノリだったよね、景もっちゃん」

「本人曰く、『新たな扉が開けた……』とのことです」

「そ、そうなんだ、それは何より」

 葵は苦笑交じりに答えた。爽は眼鏡を抑えながら話を続ける。

「将愉会主催のイベントも大好評を博しました」

「凄かったね、『め組による梯子登り実演』!」

「近くで見ると思いの外、迫力がありましたね」

「うん、進之助も頑張っていたしね」

「生徒たちには妙技を楽しんでもらうと同時に、防災の重要性についても改めて理解を深めてもらえたかと思います」

「そうだったら良いね」

 葵は腕を組みながら頷いた。

「『大人気浮世絵師によるライブドローイング』も多くのギャラリーが詰めかけましたね」

「そうだね。でも弾七さん、本当に凄いよ。あの短い時間で一枚絵の中に、『時代とともに移り行く大江戸城』というテーマを見事に描き切っていたもん! “自称大天才”っていうのは伊達じゃなかったね」

「当代屈指の画匠の巧みな筆致に触れることにより、見物した生徒諸君の芸術的感性も大いに刺激されたのではないかと考えております」

「うんうん、楽しんでもらえたんじゃないかな」

 葵は腕を組みながら再び頷いた。

「『人気自由恥部亜による春の生配信祭り!』もかなりの数の視聴者数を記録したようです」

「正直不安があったんだけど、北斗君、本当に真面目なトークをしてくれたね」

「比較的、という注釈はつきますがね」

「まあ、多少のおふざけはあったけど許容範囲内でしょ」

「コメント欄等を見る限り、ゲストの多彩さが目を引いたようですね」

「そうだね、南町奉行の南武くんに、勘定奉行の新緑先生が参加した。大江戸の町の運営に関してのトークバトルは聞き応えがあったなあ~」

 葵の言葉に爽が頷く。

「万城目生徒会長にもご出演頂けたのも良かったですね。学園についてのお考えが聞けたことは、生徒にとっても非常に有意義なことではなかったかと」

「それもそうだね、獅源さんと一超君の異色対談も面白かったな~」

「対談というには今一つかみ合ってはいませんでしたが、それが面白さに繋がりましたね。更に忘れてはならないのが黒駆君です、現役忍者の出演は大反響でした」

「覆面とはいえよく出てくれたね、秀吾郎。もう全然忍ぶ気がないような気もするけど……」

 葵が首を傾げながら呟いた。爽が葵の方に向き直る。

「もう一つ重要なことがあります」

「え?」

「先程まで行われた武道館でのコンサートです」

「ああ、大盛り上がりだったね」

「昔に大規模な音楽コンサートが開催された記録はありますが、まさかその催しをここで復活させるとは……その発想と手腕、実にお見事です」

「大和さんたち体育会の皆さんも使用を快く承諾してくれたからね、話がスムーズに進んで良かったよ。それに出演バンドや音響スタッフなどに関しては、獅源さんや北斗君のコネがあってのことだから、私のしたことはそれほど大したことじゃないよ」

「ご謙遜を……夏休み前の生徒総会で行われる学内選挙もきっと良い結果が出るだろうと確信しています」

「まあ……『人事を尽くして天命を待つ』って感じかな」

 葵は夜空を見上げながら呟いた。

お読み頂いてありがとうございます。

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