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私が征夷大将軍⁉~JK上様と九人の色男たち~  作者: 阿弥陀乃トンマージ
第一章 JK将軍誕生

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反対派の面々

「それでは続いて建設反対派の方々を紹介させて頂きます。五橋八千代さん」

「はい! 皆様ごきげんよう、五橋八千代です。本日はお招きを頂きありがとうございます。未来ある町づくりに関する夢のある話し合いに参加できるなんてとっても名誉なことです。

どうぞよろしくお願い致します」

 八千代に対しても、聴衆から比較的好意的な反応が見られる。その様子を舞台袖で見ていた憂がホッと胸を撫で下ろした。

「あ~良かった、八千代お嬢様! 病み上がりでの大きな舞台での第一声、どうなることかと思いましたが……」

 憂の後ろに立った秀吾郎がいきなり声を掛ける。

「そんなにご心配だったのですか?」

「ええ、それはもう!」

「ならば、共にパネリストとして御参加なされば良かったのに」

「いやいや! 私なんぞは日陰者で構いませんから」

「そうですか……?」

 秀吾郎は小さく違和感を覚えたが、すぐにその考えを打ち消した。

「……では続いて、南町奉行の黄葉原南武さん」

「はい、黄葉原南武です。本日は有意義な話し合いが出来る様に精一杯努めます」

「固いぞ~真面目か~」 

 丁寧に聴衆に向かって頭を下げる南武に北斗が茶々を入れるが、南武は無視する。

「続きまして、高島津小霧さん」

「はい、『将軍と愉快な仲間たちが学園生活を大いに盛り上げる会』、通称『将愉会』の会長補佐の高島津小霧です。よろしくお願い致します」

「勝手に役職を作るな……」

 得意気に席に座る小霧に景元が頭を抱える。八千代が嘲笑交じりに呟く。

「補佐だか何だか知りませんけど、私の脚を引っ張らないで下さいね、田舎大名さん?」

「脚? ああ、田舎でよく見た大根かと思いましたわ」

「! 言って下さいますわね……」

「み、味方同士で火花を散らさないで下さい……」

 八千代と小霧の間に挟まれた南武が二人を落ち着かせる。

「次に、大毛利景元さん」

「はい、『将軍と愉快な仲間たちが学園生活を大いに盛り上げる会』、通称『将愉会』会員の大毛利景元です。本日はよろしくお願いします」

「う~ん、面白さに欠けるな~」

「面白さなど必要のない場面だろう……!」

 景元は自身の右隣に座る男のからかいに反論する。

「それでは続いて……」

「『大天才浮世絵師』の橙谷弾七だ。今日は絵筆で描く様に、問題点を華麗に描き上げてやるぜ、よろしく頼む」

 弾七の挨拶に一際大きい黄色い歓声が上がる。それと同時にカメラのシャッター音も一段と多く聞こえてくる。これは招待したメディアによるものである。弾七は本日の参列者の中ではある意味最も有名人とも言えるだけに、この反応も当然であった。弾七は満足そうに頷いて、席に座った。

「まあ、ざっとこんなもんだ」

「何がだ! 言っている意味がさっぱり分からなかったぞ!」

「分かる、分からないじゃないんだよ、こういうのは見出しにしやすいコメントをするのが大事なんだよ」

「何でコイツまでこの場にいるんだ……!」

「いわゆる『文化人枠』ってやつですわね、それで人気浮世絵師であるこの方に白羽の矢が立ったということ……」

「文化というものが何だか分からなくなってきた……」

 再び頭を抱える景元をよそに、万城目が淡々と進行を続ける。

お読み頂いてありがとうございます。

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