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竜の女王  作者: M.D
2174年春
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37

(これで終わりなのかしら?)


 ケイレスが消滅した地点を見て百合子さんが呟いた。


(百合子は何を懸念しているのかしら?)

(ケイレスが本体を別の所、例えば4次元空間のどこかに逃がしているとか?)

(その可能性はあるわね。でも、妾は4次元空間を認識できないから、エレナ様にお聞きするしかないわ。エレナ様、お願いできますでしょうか?)


 ガレリアがエレナ様に調査を依頼する。


(良かろう。少し待つのじゃ。)


 しばしの間、エレナ様が4次元空間の探索を行い、


(・・・この近くの4次元空間にあ奴の精神エネルギーはないようじゃのう。)


 そう結論を出す。


(だそうよ。)

(それじゃ、本当に私たちは勝てたのね。)


 百合子さんはホッとしたように体の力を抜いた。



(うみゅぅ。ダーはもう駄目ですぅ。)


 一時的に引き上げられていたダーの能力がその効力を失うと、


「あっ!」


 僕からの魔力供給が切れた反動で珠莉がよろけたので、美姫が後ろから支える。


「大丈夫?」

「はい。ありがとうございます。」


(うむ、今回はダーもよく頑張ったのう。しばし、休眠するとよいのじゃ。)

(分かりましたですぅ。珠莉をおねがいしますぅ。)


 ダーはそう告げ、活動を停止させた。



「もう、あの悪魔は倒せたん?」

「皆様の様子を見るかぎり、そのようですね。」

「中級悪魔を打負かしてしまうなんて、彼女たちは本当にすごいわ。」


 和香、ロジャー教授、真夏さんも終幕を確信し、


「もう、ここに退避している必要もなさそうですから、美姫たちのところに行きましょう。」


 僕の提案とともに3人のところに向かう。


「悪魔との戦いを間近で見られて、小生、感動したんよ!」

「美姫様もご無事なようで、安心しました。」

「そうよね。3対1とはいえ、中級悪魔と戦って五体満足で居られるなんて奇跡に近いわ。」


(真夏さんにはエレナ様のことを伝えていないから、当然、ガレリアやダーの事も知らないわけで、ケイレスに勝てたのが奇跡だと思うのも無理ないか。)

(そうね。とはいえ、怪しんでいるかもしれないから、どこかの時点で真実を明かさないといけないかも。)

(同意。)



「それで、これからどうするのかしら?」

「そうですね、、、」


 百合子さんの問いに美姫が迷っていると、


「小生は、研究施設内を探検したいんよ!それから海賊船の調査も!」


  ロジャー教授が希望を口にする。


「自分の欲望に忠実な人ですね、、、」

「しかし、研究施設内にいる研究員に圭一が倒されたことを説明する必要があるし、その間は研究施設に留まらないといけないから、その時間はあるわ。」


 和香はロジャー教授に呆れ、真夏さんは肯定的に答えた。


「でも、そんなことをしていたら幽霊島が消えて、戻れなくなったりしませんか?」

「通常、幽霊島が現れてから消えるまでに2・3日は猶予があるから、大丈夫よ。」


 不安がる珠莉を真夏さんが落ち着かせようとしたところ、


「いつもはそうかもしれないけれど、今回がそうとは限らないから、私は直ぐにでも幽霊島を離脱させてもらうわ。幽霊島に閉じ込められる覚悟がクソエロじじぃにあるのなら、ご勝手にどうぞ。」

「そんな、百合子君は酷いんよ。。。」


 百合子さんは否定的な意見を言ってロジャー教授をションボリさせた。


(百合子さんの言い方はきついけれど、一理あるね。)

(同意。最悪、幽霊島に閉じ込められても、美姫に4次元を認識できる能力があることにして、エレナ様の力で何とかなりそうではあるけど。)

(樹は他力本願すぎやしないかのう。)

(そうですな。しかし、強すぎる力が依存心を生むのもまた真ですな。)

(そうだ!エレナ様の力は最強なのだ!しかし、俺たち第六王領の領民がエレナ様に頼りきりだったかというと、そうではない!先の第9次聖魔大戦においては――――)


 珍しくザグレドがエレナ様を褒め称えるのではなく、自分たちの貢献を語りだすが、ウザいことには変わりはない。


「幽霊島が現れる際には前兆がありましたが、消える際も同様なのですか?」


 美姫が真夏さんに聞くと、


「えぇ。 幽霊島が消える前にも電子機器が不調になることが多いわね。でも、ならないこともあるから確実とは言えないわ。」

「そうですか、、、」


 明確な兆候はないようだった。

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