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竜の女王  作者: M.D
2174年春
683/688

34

(準備ができたのならやるわよ。)

(はい。大丈夫です。)


 百合子さんが珠莉に確認をした後、


 グゴーーー!グゴーーー!


 魔導砲を放つが、ケイレスを素通りする。


《何処を狙っている?クックックッ。》


「どうして!?」


 魔導砲が当たらなかった理由が分からず百合子さんが叫ぶ。


(あ奴は4次元空間におるから、普通に魔法を放っても当てることはできないのじゃ。)

(それを早く言って下さいまし!)


 ガレリアが不満をぶつけると、


(お主は4次元空間を認識できないのじゃったかのう?)


 エレナ様が先程の意志返しでガレリアを煽る。


(・・・出来ませんわ。)

(であれば、どうやってあ奴を倒すつもりだったのじゃ?攻撃を当てられないことには勝てぬのじゃぞ?)

(そう言うエレナ様は勿論、高次元空間認識をおできになるのでしょうね?そして、美姫さんは4次元空間への攻撃手段を持っていると?)

(当然じゃ。)


 自慢げなエレナ様に鼻があったら尖がっていたことだろう。


(・・・であれば、百合子と妾は援護射撃に徹するしかありませんわ。)

(そうじゃ。お主らは美姫の引き立て役なのじゃ。)

(ぐぬぬぬ、、、悔しいけれど、今回ばかりは致し方ありませんわ。)



《人間ごときが何人増えようと、ケイの敵ではない!》


 ケイレスの魔手が、美姫、百合子さん、珠莉の3人に同時に襲い掛かり、


 パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!


 全て珠莉の魔導盾によって弾かれる。


《むっ!?小娘がケイの魔手を防いだ、だと!?》

「あなたに百合子さんと美姫さんを傷つけさせません!」

《これならどうだ!》


 空間の何もないところが光ったのが見えた直後、


 パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!


 ケイレスの高速魔手が3人の直前で珠莉の魔導盾と衝突して光を放つ。


《これも届かない!?》


 今度はケイレスが衝撃を受ける番だ。


(エレナ様のおかげで、今のダーは百人力ですぅ。)

(そうね。私もダーちゃんの助けを借りて防御に専念すれば敵の攻撃を捌けることが分かりましたので、美姫様と百合子さんは攻撃に専念して下さって大丈夫です。)

(珠莉、ありがとう。百合子さん、牽制よろしくお願いします。)

(分かったわ。)


 グゴーーー!グゴーーー!


 百合子さんが魔導砲を放つ。


《何度やってもケイには、、、ぐはっ!》


 魔導砲の陰に隠れて撃たれた美姫の次元跳躍魔導弾の直撃を受け、ケイレスの体が傾いた。


「余裕をかましているから、そうなるのよ。」

《くっ、、、2人同時攻撃とは卑怯な。》

「悪魔相手に正々堂々なんて無意味だわ。」

《小賢しい人間らしい言い草だ。しかし、よもや1度ならず2度までも4次元空間にいる時に人間の魔法を食らってしまうとは、痛恨の極みだ、、、》


 ケイレスは苦々しい表情を浮かべる。


(ケイレスの言う2度のうち1度は今の魔導弾だと思いますが、もう1度は父でしょうか?)

(恐らくそうじゃろう。)

(だとすると、父は4次元空間にいるケイレスに魔導弾を当てたことになります。次元跳躍魔導弾なしに、父はどのようにしたのでしょうか?)

(そこまではワレには分からないのじゃが、あ奴の魔手が出てくる瞬間には4次元空間と3次元空間が繋がっているはずじゃから、そこを狙えばケイレスに魔導弾を当てることも不可能ではないじゃろう。)

(なるほど。第2次悪魔大戦時には運が父に味方したのですね。)


《圭一にやられた時にはケイにも油断があって偶然にも圭一の魔法を食らってしまったが、その対策はしたはずだったのに、その娘は次元を跳び越える魔法を放ってくるなど、親子そろって忌々しい。》

「あなたは人に倒される運命だったのです。」

《その様なことは認めない!》


 パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!


 ケイレスが繰り出す速度の違う魔手を織り交ぜた攻撃を、珠莉が全て魔導盾で防ぎ、


 グゴーーー!グゴーーー!


 百合子さんが魔導砲を放つと、


 パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!

 バンッ!バオンッ!


 それを隠れ蓑に美姫が次元跳躍魔導弾を撃つが、


《そこか!》


 ケイレスには間一髪で躱されてしまった。

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