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竜の女王  作者: M.D
2170年春
63/688

12

 僕たちの会話を聞いて、悪魔の幽霊が驚いた表情でこちらを見た。


(エレナ様だと?貴様、今エレナ様と言ったか?)

(えっ!?いや、あの、、、)

(なんじゃ、お主、ワレの精神エネルギーの波動を感じても気が付かんかったのかのう?一瞬で片が付くところをわざわざ軽い攻撃をして時間をやったというのに。)

(いや、しかし、、、エレナ様がこんなところにおられるはずがない!)


 悪魔はエレナ様のことを知っているようだ。


(こんな宇宙の片田舎ではそう考えても余儀ないかもしれんが、アルビドグアンツでともに戦ったことはよもや忘れてはおるまいのう。)

(アルビドグアンツだと!?)

(そうじゃ。第九次聖魔大戦も終わり近く、何とか第六王領を守り抜いたあの地での激戦じゃ。)

(何百万もの竜族が参戦したあの戦いにオレが参加していたことを何故知っている!?)

(当り前であろう、ザグレド・エス・エオ・アルビドグアンツよ。ワレの王領におる領民のことを女王であるワレが知っておらんでどうするのじゃ。)


(何故、オレの本名を知っている?まさか、あなたは本物のエレナ様だと、、、)

(ワレの精神エネルギーの波動を確認してみるのじゃ。)

(・・・・これはエレナ様の精神エネルギーの波動。ということは、本物のエレナ様、、、)

(先程からそう言っておるじゃろう。)

(大変失礼しました!ご無礼をお許し頂けないでしょうか?)


 悪魔の幽霊は平伏しそうな勢いだった。


(よいじゃろう。じゃが、相手の精神エネルギーの波動を確認するのは初歩の初歩ではないかのう?)

(申し訳ありません。ここ最近は悪魔との融合者としか戦っておりませんでしたし、まさか地球で竜族、ましてやエレナ様と遭遇することなどあるとは思いませんでしたので、精神エネルギーの波動確認を怠っておりました。)

(今回はワレだったから良かったものの、今後は気を付けるのじゃ。)

(承知致しました。)


 よく分からないうちに話が急展開していた。


(どういうこと?美姫さん、エレナ様はどこかの女王様だったってこと?)

(私も知らなかったよ。)

(美姫には話しておらんかったかのう?)

(たぶんですが。でも、まずはここから撤収したほうが良いかもしれません。長い時間ここにいると怪しまれそうですから。)

(同意。早めに広瀬たちと合流したほうがいい。)

(それでは美姫に体を返すとしようかのう。)


 エレナ様は体の制御を美姫さんに戻し、悪魔に声を掛けた。


(ザグレドはどうするのじゃ?良かったら、ワレらと来んかのう?)

(それはオレたちを実験材料にするためでしょうか?)

(そんなことはしないのじゃ。)

(ん?エレナ様が魔物討伐隊の一員と融合されているのではないのですか?)

(魔物討伐隊?なんのことじゃ?)

(そうでないとすると、エレナ様が融合されているそのお嬢さんは魔人ではなく、普通の高校生だということでしょうか?)

(そうじゃ。)


(そうでしたか。そうであれば、エレナ様とご一緒したいと思いますが、魔族と一緒だとご迷惑がかかるではないでしょうか?)

(魔物討伐隊とやらも含めて、ワレらもザグレドに聞きたいこともあるしのう。樹の体に入って結界を張っておけば見つかることはないのじゃろう?)

(はい、大丈夫なはずです。)

(ついでに、樹の精神エネルギーをもらっておくのじゃ。ザグレドが消滅してしまっては元も子もないしのう。)

(ありがたき幸せ!エレナ様に感謝を!)


(えっ、えーーー!僕の意見は、、、)

(ちょっとくらい良いではないかのう。)

(いや、精神エネルギーの話ではなく、悪魔と一緒というのはどうかと。)

(気にするでないのじゃ。これで今までの無礼をチャラにしてやるのじゃ。)

(全部お返しされていますから、、、)

(ザグレド、樹のことは無視して樹の体に入って結界を張っておくのじゃ。)

(承知致しました。)


  僕の抗議もむなしく、ザグレドと呼ばれた悪魔が体に入って、精神エネルギーを持っていかれたとたん、体が重くなった。


(それでは美姫、戻るとするかのう。)

(はい。)


(その前に、佐伯さんをどうやって連れて行く?)

(どうしよっか?)

(美姫さんもしんどそうだから、僕が背負って行こうか?)

(そうね、、、樹君、申し訳ないけどお願いできる?)

(了解。)

(ありがと。)


 重い体に鞭を打って、佐伯さんを背負う。


(エレナ様、今更ですけど悪魔と一緒って大丈夫なのでしょうか?樹君は、危なくないですか?)

(飢餓状態でない魔族は理性を保っておられるし、何かあってもワレが瞬殺してやるから心配しなくてもよいのじゃ。)

(先程からエレナ様達は魔族って言っていますと、悪魔のことですか?)

(そうじゃ。ワレら竜族と区別するために魔族と呼んでおるが、美姫たちの言う悪魔と同義じゃ。ザグレドも今後は悪魔と呼称するのじゃ。)

(承知致しました。)

(でも、悪魔が体の中に入っているって、樹君に危険はないんですか?)

(少しは影響が出るやもしれんが、その時はワレが元に戻してやるから大丈夫じゃ。)


(えっ!?それって大丈夫じゃないじゃないですか、、、)

(少年よ、すまんが少しだけ辛抱してくれ。すぐに別の依り代を探すから。)

(そうじゃ、樹のくせに生意気じゃ。)

(もう、エレナ様の好きにして下さい、、、)


 そんな話をしながら、来た道を戻ったのだった。

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