表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜の女王  作者: M.D
2173年春
526/688

18

 パリンッ!


 キュリアさんの魔導剣で自動発動した魔導盾が砕かれる。


(成程。さっきは様子見だったわけか。)

(これがキュリアさんの本気なのよ。)


 バンッ!バンッ!


 反撃に美姫は魔導弾を撃つが、キュリアさんは曲芸的な身のこなしでそれを躱す。


(今のを躱すの!?時旬はばっちりだったよ?)

(吸血鬼になると人間離れした動きができるようになるのかもしれない。)

(厄介ね。)


 キュリアさんは魔導弾を躱した不安定な体制から魔導剣を突き出してくるが、


 パシッ!


 突き出された魔導剣に沿うように魔導盾を発動したため、魔導盾を砕かれることなく魔導剣を逸らすことが出来た。


「この程度の威力では、魔導盾は砕けませんよ。」

「・・・。」


 僕の問いかけに答えず、キュリアさんは一度距離をとった。


(キュリアさんは喋れないのかな?)

(不明。元々無口な人なのか、ダービルに隷属化されて話せなくなったのか分からないし。)


 その時、キュリアさんの姿が消える。


(何処だ!?)

(上よ!)


 キュリアさんは僕たちに向かって上方に大きく跳躍していた。


(でも、それは悪手ね。空中なら逃げられないよ。)


 バンッ!バンッ!


 美姫は狙いを定めて魔導弾を撃つが、キュリアさんは空中で軌道を変えて魔導弾を躱しつつ僕たちに突っ込んでくる。


(空中で方向転換できるの!?)

(それに速い!)


 空中で加速したキュリアさんが威力がのった魔導剣をふるう。


 ビシッ!


 しかし、それを見越して分厚めの魔導盾を発動したため、罅を入れられる程度で済んだ。


(キュリアさんは魔導翼を使えるのか。)

(でも、魔導翼を着けているようには見えないよ。)

(だったら、キュリアさんが空中で方向を変えたり加速したり出来たのは、吸血鬼化したから?)

(そうしか考えられないよね。)

(正解ですな。キュリアは手と足から魔導力を噴出させて姿勢制御と加減速をしているようですな。)

(まるでアイ〇ンマンですね。)


 再び距離を取ったキュリアさんは、今度は左回りに徐々に移動しながら僕たちの様子を見ることにしたようだ。


(これまでの私たちの対応を見て、動きで翻弄するのは止めて、隙を伺う戦法に変えたみたいね。)

(同感。隷属化されても思考に陰りはないみたいだ。)

(私たちも今のうちにキュリアさんの攻撃を予想して、対応方法を考えておきましょう。)

(了解。)


(美姫と樹は落ち着いて対処できているようじゃのう。)

(はい。2人とも成長しましたから、様子を見ているだけでは隙は見つけられないと思いますな。)

(そうじゃ。隙は見つけるのではなく、作るものじゃからのう。)


 エレナ様とグレンさんの呟きが聞こえてきた時、


「しっ!」


 キュリアさんが声に出して魔導剣を飛ばす。


 キンッ!


 魔導盾で飛んできた魔導剣を払いのけると、


 バンッ!バンッ!


 美姫が切り込んできたキュリアさんに合わせる形で魔導弾を撃ったが、


「くっ!」

 キンッ!


 キュリアさんは即座に身を捻って1発目を躱しつつ、魔導剣を盾にして2発目を受け流した。


(想定内の攻撃だったから、上手く反撃を合わせられたと思ったのに。)

(キュリアさんの反応と身体能力が僕たちの想像を超えていたんだ。)

(吸血鬼化、恐るべしね。)

(でも、キュリアさんの動きはだいぶ掴めてきた。)

(そうね。今度は私たちからいきましょう。)

(了解。)


 バンッ!バンッ!


 追い打ちをかけるように美姫の魔導弾がキュリアさんを襲い、


 バンッ!バンッ!


 僕もキュリアさんが避けようとした方向に魔導弾を撃つ。


「くっ!」

 キンッ!キンッ!


 それをキュリアさんが魔導剣で打ち払うが、


 バンッ!バンッ!

 バコッ!バコッ!


 更に美姫が追加で撃った魔導弾までは受けきれず、魔導弾の直撃を受けてキュリアさんは弾き飛ばされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ