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パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!
(しまった!)
(大丈夫よ。)
僕が発動した魔導楯のない場所に圭子が魔導弾を撃ち込むが、美姫は華麗に回避しつつ魔導弾を撃ち返す。
バンッ!バンッ!キンッ!
「ちっ!」
美姫が一発だけ狙いを変えて圭子に魔導弾を撃つが、圭子は銃型補助具で魔導弾を弾いた。
「姉貴!?」
「このくらい何てことないわ。一真だけを狙っているように見せかけて私の油断を誘おうとしたみたいだったけれど、残念だったわね。」
「俺ばかり魔導弾を打ち込まれていると思ったら、本当の狙いは姉貴だったのか。小狡い奴だ。」
(そう言う訳じゃないんだけどね。)
(美姫のことだから、圭子さんを撃ったのは攻撃に変化をつけたかったからなんじゃない?)
(うん、そうなの。勘違いされるのも何だから釈明だけしておくよ。)
「圭子さんへの射線が空いたので撃っただけです。」
「美姫、漸く喋ったわね。突然、無口になったからどうしたのかと思っていたのよ。」
「無駄口をたたく趣味はありませんので。」
「そんな事を言って、どうせ必死だったから口をきけなかっただけだろう?樹も何とか言ったらどうだ?」
「何とか。」
「・・・口を開いたらそれか!俺を馬鹿にするな!」
ゴンッ!
圭子さんの拳が一真の頭に落ちる。
「一真、年下にのせられて激高するなんて愚かなことをして、私まで怒らせたいのかしら?」
「姉貴、すまない。。。」
(樹も煽るね。)
(一度言ってみたかった台詞だったんだ。)
(一真さんを怒らせて冷静さを失しなわせようとしたのかと思ったのだけれど、いつも樹だったのね。。。)
「しかし、馬鹿にされたままなのも癪だから、高速連続攻撃をやるわよ。」
「おぉ!分かった。いつものあれだな。あいつらもこれで終わりだ。」
(どうしてこれから行おうとすること言うのかのう?ワレには理解できんのじゃ。)
(相手に警戒されるだけで有益なことは何もないのですがな。)
(所謂一つのお約束、ってやつですよ。)
(樹はそういうの好きだものね。)
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!
圭子と一真は連携性を上げ、圭子の射線が魔導弾を撃つ直前まで一真によって隠されるために、魔導楯の発動が遅れ、
バンッ!
魔導盾で防げなかった魔導弾を回避するために、美姫も牽制程度に魔導弾を撃つにとどまる。
「あらあら、どこに魔導弾を撃っているのかしら?」
「俺たちに高速連続攻撃を仕掛けられても対応できる魔法使いは、東京の魔法軍の中でもほとんどいないからな。」
(これが高速連続攻撃?)
(圭子さんの射線が直前まで分かりにくくなるから魔導盾で防ぎにくくはなったけど、、、)
(ただそれだけよね。)
(名前からして銃型補助具を合体させることで連続で魔導弾を撃つようになるのかと思ったのですが、期待外れですな。)
(それであれば麻由美の時のように美姫も樹も苦戦必至だったじゃろうにのう。)
(そうですな。しかし、まさか古典的な手法とは思いませんでしたな。)
(これなら、美姫であればワレが手を出すまでもなく対処できるじゃろうのう。)
「ふふふ。戸惑っているようね。一真、もう一度、高速連続攻撃をやるわよ。」
「おうよ。」
そう言って、もう一度高速連続攻撃をしようとする2人に美姫は駆けだした。
「何!?」
パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!
パシッ!パシッ!パシッ!パシッ!
美姫に向かって撃たれた一真の魔導弾を僕が魔導楯で全て防ぐと、
「俺を踏み台にしたぁ!?」
一真の頭を踏みつけて美姫は飛び上がり、
バンッ!バンッ!キンッ!
「ちっ!」
一真の後ろにいた圭子に魔導弾を撃つが、圭子は一発を銃型補助具で弾き、もう一発は身を捻って回避した。
(ほう、不意打ちを食らっても凌ぎきるとは、あ奴も勘が良いようじゃのう。)
(さすがは姉弟というところでしょうか。私が向かって行ったことで警戒はしていたと思いますが、飛び上がった私を見た圭子さんの表情からは、私の行動を予期出来ていなかったようですし。)
(さらに、圭子は体が非常に柔らかいのでしょうな。魔導弾を撃つ直前まで射線が分からなかったのも、腕を上手くたたんでこちらから見えないようにしていたからですしな。)
(同感。それに、あの体勢から身を捻るなんて僕には出来ません。)
(それは樹は体が硬すぎるからじゃ。)
(そうよ。これからは、もっと柔軟体操の時間を増やそうね。)




