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竜の女王  作者: M.D
2172年秋
452/688

16

「ふぅ、、、」


 ドガッ!ボキッ!


 一息ついて和香と亜門さんの方を見ると、2人とも魔法軍の魔法使いに魔封錠を着けて無力化したところだった。


「結局、あたいたちが最後になってしまったわね。」

「ここにいる龍野家の情報収集部隊の中では私たちが最弱なのだから、妥当な結果よ。」

「和香さんがチラチラと美姫様の方を気にして戦闘に集中してなかったからだと思うけれど?その埋め合わせに、あたいが苦労したのだけれど?」

「美姫様が戦われるお姿を見られる機会なのど滅多にないのよ。少しでも美姫様のお姿を撮像しておいて、後でホルホルしたいと考えても不思議ではないでしょう。」


(和香は相変わらずね。もう少し自重を憶えたほうがいいと思うけれど。)

(あれでも自重してる方じゃない?)

(そうなのよね。。。でも、2人とも怪我は軽そうだし、和香はいつもの調子のようだから安心したよ。)

(同感。)


 僕たちは変わりない和香にホッとした。


「これが龍野家の情報収集部隊の力か。。。」

「魔法使いと互角に戦えるなんてバケモノ以外の何物でもないわ。」


 驚きの表情で和香と亜門さんを見る魔法軍の魔法使いたちは、


「あたいにとっては魔法なんて代物を使える魔法使いの方がバケモノか人外に思えるけどね。」

「それを言うと美姫様もバケモノか人外になってしまうので許しませんが、美姫様には人並外れた可憐さがある、という意味においては同意しますし、戦闘中の美姫様からは典雅さを感じさせられました。更に、――――」


 いきなり美姫のことを称賛しだした和香を、こいつは頭がわいているのか?という表情で見るのだった。



「さて、魔法軍の魔法使いたちの無力化には成功しましたが、これからどう致しますか?」

「ここは龍野家の情報収集部隊に後処理を任せて、私たちは先へ進みます。」

「承知致しました。」


 亜紀様は宗則さんの問いに簡潔に答え、


「我々の方も承知致しました。魔法軍の魔法使いたちの処遇については、左衛門様に連絡をって魔法軍の司令部に指示を仰ぎます。また、追加の魔法軍が来るまでは、我々がここの警備を行います。」

「それでいいわ。」


 情報収集部隊の隊長の案にも同意した。


「美姫様、我々はここに残らねばならないため、この先は助力できません。危険が迫った際には亜紀様と美姫様の身の安全を第一に行動して下さい。」

「分かったわ。」

「樹君も美姫様を頼むわね。」

「了解。」


 和香と言葉を交わした後、


「さて、行きましょうか。」


 宗則さんを先頭に倉庫のような建物を出ると、


 ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!

 ゴー!パンッ!パンッ!パンッ!ゴー!パンッ!パンッ!


 激しい戦闘音が聞こえてくる。


「ここからはまだ魔法軍が制圧できないため、できるだけ敵軍が少ない場所を探して奥ヘ行こうと思いますが、宜しいでしょうか?」

「えぇ、宗リンに任せるわ。」


 宗則さんが先導する形で、先が円柱状になった建物を楯にしながら、真綾様側についた魔法使いと上海の兵からの攻撃を掻い潜って進む。


 ガッ!ガッ!パンッ!パンッ!ガッ!ガッ!ガッ!パンッ!パンッ!

 パシッ!バンッ!パンッ!パンッ!


「火力が凄い。これで敵が少ないなんて、、、」

「向こうも必死なのよ。」

「そうね。上海の連中も弾丸に魔導力を纏わせる専用魔法銃を扱える兵を惜しげもなく投入しているようだし。」


「しかし、龍野家の情報収集部隊からの情報提供があるまで、このような専用魔法銃が平和島に持ち込まれていることを国防軍も把握できていなかったようです。」

「それは、こういう時のために国防軍に察知されないよう上海から徐々に送り込まれていたから、でしょうか?」

「それでも、上海の動向を監視するための部門が国防軍にあるのだから、この情報は掴んでいて然るべきだったのよ。」

「美姫ちゃんの言うとおりね。これは国防軍情報部の失態だから、後で追及する必要がありそうだわ。」


 ガッ!ガッ!ガッ!パンッ!パンッ!パンッ!ガッ!ガッ!ガッ!ガッ!

 パシッ!パシッ!バンッ!


「反撃する隙がほとんどない、、、」

「ここにお義母様がいると知って、火力を集中してきたみたい。」

「そのようです。ここは魔法軍に任せて、我々は建物を回り込む形で向こう側に移動しましょう。」

「分かったわ。」


 先が円柱状になった建物の反対側へ向かう前に、


(樹君、魔導盾を道路横に展開しておきますかな。)

(どうしてそのようなことをするのですか?)

(そうすれば、ワシらがまだここに留まっているように見えるからですな。)

(成程。)


 グレンさんの提案どおり、魔導盾を道路に展開しておいた。

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