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竜の女王  作者: M.D
2172年春
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「何!?また悪魔が現れた!?えっ!?美姫様に似てないですか!?」

『この精神エネルギーの波動は、、、竜族か!?』


 顕在化したエレナ様の姿を見て花梨少佐と悪魔は別々の意味で驚く。


(樹君。エレナ様に精神エネルギーの供給を始めるのですな。)

(了解。)

(精神エネルギー供給中の樹は私が守るよ。)

(よろしく。)


 素早く美姫と魔法の腕輪を交換して魔力増幅具を着け、2人分の魔力貯蔵具の首飾りを魔力増幅具の側に鎖を巻き付ける。


(いきます!)


 ビシュッーーーー!!


 僕から顕在化したエレナ様に向かって、精神エネルギーの奔流が向かう。


「樹君、何を、、、」

『精神エネルギーを供給しているのか!?・・・その精神エネルギー、俺が美味しく頂いてやる!』


 悪魔が僕の方に向かってくるが、


(そうはさせないぞ!)


 ザグレドが僕の体から出て悪魔の行くてを遮る。


「また悪魔が出た!?」

『お前、何者だ!?』

(貴様が知る必要はない。)

『弱い犬は良く吠える、と言うが、下級魔族ごときが俺に敵うと思うなよ。すぐに消し去ってくれる!』


 ドンッ!バキッ!バコッ!


 悪魔とザグレドの戦闘が始まった。


「えっ!?どうして悪魔同士が戦っているの?」


 花梨少佐はその光景に戸惑っている様子だったが、


 パシッ!パシッ!


 悪魔が放った魔法の一部をザグレドは受け流し、その受け流された魔法が僕や美姫、花梨少佐の方に降り注ぐ。


「花梨少佐は私の後ろに来て下さい。」

「美姫様?分かりました。」


 パリンッ!パリンッ!


 それを美姫が魔導盾を砕かれながらも防ぐ。


「ありがとうございます。美姫様が”楯系”魔法もお使いになることができて、助かりました。」

「でも、樹みたいに上手く魔導盾を発動できませんから、魔導盾で防ぎきれなかった魔法に注意して下さい。」

「はい。それで、その樹君は何をしているのでしょうか?」

「・・・すみません。言えません。」

「そうですか。美姫様がそう言われるのであれば、これ以上の詮索は致しません。」


 ドンッ!バキッ!パシッ!バコッ!パシッ!


 悪魔の攻撃をザグレドは身を削られながらも何とか受け流している。


(下級魔族ごとき、すぐに消し去れるんじゃなかったのか?)

(ほざくな!長らく強制融合させられていたせいで精神エネルギーが足らんのだ!)

(それは残念だったな。)

(あの精神エネルギーさえ手に入れられれば、お前など一捻りだというのに、、、)


 ザグレドは悪魔を煽り、僕がエレナ様に供給している精神エネルギーに悪魔の注意を向けさせることで、自身への圧力を緩和しようとしていた。


(エレナ様、まだでしょうか?)

(まだ始めたばかりじゃろう。もう少し時間がかかるのじゃ。)

(了解。)


 エレナ様は余計な精神エネルギーを使わないよう、じっと静止している。


 ドンッ!バキッ!パシッ!バコッ!パシッ!


(くそっ!下級魔族ごときに手間取るとは、、、ん?お前、最初からそうだが、全然攻撃してこないな?)

(ギクッ。)

(そうか。お前、全ての力を防御に回しているな?それで、下級魔族のくせに俺の攻撃をすんでのところで防げているわけか。)

(バレるの早すぎるだろ!)

(所詮、下級魔族ごときの浅知恵。見破るのは簡単だ。)

(いや、オレではなくグレンの案なんだが。)

(そうと分かれば、やりようはいくらでもある。まずはお前を消すことを優先することにしようとするか。)


 ドンッ!バキッ!バコッ!パシッ!バキッ!


 今まで何とか耐えていたザグレドだったが、冷静に悪魔がザグレドを攻撃することに専念し始めると悪魔の魔法を防ぎきれなくなってくる。


(ぐっ!防壁が次々に破られていく、、、)

(ハハハ。お前の防壁など、俺にとっては紙っぺらみたいなものだ。無いに等しい。)

(似た台詞をエレナ様からも聞いたことがあるな。あの時は距離をとったが、今は意地でも引かん。)


 ドンッ!バキッ!バコッ!ドンッ!バコッ!


 ザグレドは悪魔の攻撃を受け流すことが出来なくなり、徐々にその姿が透け始める。


(エレナ様、まだでしょうか?)

(もう少しじゃ。)

(でも、このままではザグレドが消滅してしまいそうです。)

(ザグレドにはグレンがついておるから大丈夫じゃ。それより、樹はワレへの精神エネルギー供給に集中するのじゃ。)

(了解。)

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