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竜の女王  作者: M.D
2172年春
374/688

27

「質問を続けさせて頂いて宜しいでしょうか?」

「いいわよ。」

「麻由美大将閣下と圭一さんが悪魔と融合をされた理由を教えて頂けないでしょうか?」


 またしても麻由美さんは圭一に確認するように顔を向け、圭一は拒絶するよう首を振った。


「圭一様については言えないけれど、私が悪魔と融合した理由は圭一様が目的を達成する手助けをするため、とだけ言っておくわ。」

「ありがとうございます。しかし、麻由美大将閣下はどうして悪魔と融合してまで圭一さんに尽くそうとされるのでしょうか?」

「そんなの私が圭一様のことを愛しているからよ。」


 そう言って麻由美さんは圭一にしなだれかかった。


「麻由美大将閣下は結婚されて、お子さんも2人いらっしゃったはずですが、、、」

「えぇ、かけるとの結婚は偽装結婚で、圭子けいこ一真かずまはどちらも圭一様の子供だけどね。」


 えっ!?


(偽装結婚??)

(麻由美さんの子供は美姫のお父さんの子供??)


 衝撃の事実に一瞬思考停止になる。


「・・・偽装結婚とは、どいうことでしょうか?」

「駆はホモで女性のことを毛嫌いしているのに結婚しないといけなくなったから、私と利益が一致した結果の偽装結婚よ。私も圭一様以外と結婚する気はなかったけれど、圭一様は麻紀一筋だから結婚して下さらなかったの。圭一様は3人の女性と結婚する権利を持ちながら、それを行使しようとなさらないなんて、いけずですわ。」

「その代わりは存分に与えているつもりだが。」

「そうですね。今でも、、、」

「麻由美、いい加減鬱陶しいから離れろ。」


 圭一は自分の胸を人差し指で突く麻由美さんを引き離そうとし、


「もう、圭一様はツンデレなんですから。」


 麻由美さんは嫌そうな顔をせず、圭一から離れた。


「・・・麻由美大将閣下の2人のお子さんは駆大佐のお子さんではないのでしょうか?」

「えぇ、そうよ。駆は私に指一本触れようとしないし、結婚したのに子供がいないのも不自然だということで、圭一様にお願いして子種を頂いたの。今まで言ってなかったけれど、圭子と一真は美姫さんの姉と兄になるわね。」


(私に姉と兄がいたなんて知らなかったよ。。。)

(美姫のお母さんはそのことを知っていたのだろうか?)

(多分、知ってたんじゃないかな?それで体が弱かったのに私を産もうと思ったのかも。。。)


「この話はここまでにしましょう。」

「承知しました。では、何故、圭一さんは人形を操っているのでしょうか?本人がここに来られない理由はあるのでしょうか?」

「それについては、黙秘させてもらうわ。それから、次で最後にして頂戴。」


「承知しました。では、最後の質問です。麻由美大将閣下が魔力増幅具を探されていた理由を再度教えて頂けないでしょうか?」

「それは、前に美姫さんに答えたとおり、圭一様が必要とされているからよ。圭一様が魔力増幅具を必要とされている理由は、圭一様が悪魔と融合をされた理由につながるから言えないわ。」

「承知しました ありがとうございました。」


(結局、詳しいことは分からずじまいか。)

(そうね。でも、あの優しかった父がこんな風に変わってしまうなんて、、、)

(美姫の前では優しい父親を演じていただけで、圭一は元からこうだったのじゃろう。)

(そうでしょうな。悪魔の力を利用するために悪魔と融合しようなどと考える輩ですからな。)


「さて、質問にも答えたことだし、魔力増幅具を渡してもらおうかしら?」

「自らの意思で悪魔と融合した輩が魔力増幅具を使ってしようとしていることは、良からぬことしかないから、それはできない相談なんよ。」


 ロジャー教授が麻由美さんに対して答えた。


「そうですか。ならば仕方ないわね。」


 麻由美さんが一瞬で美姫との間を詰めて魔力増幅具を奪い取ろうとするが、


「そうはさせません。」


 思考加速を発動させた美姫は間一髪、麻由美さんから魔力増幅具を守った。


「美姫さんのその動き、、、思考加速ができるのね?思考加速は上級魔法使い候補になったときに伝えられる技能なのに、どうしてそれを美姫さんが知っているのかしら?」

「・・・。」

「圭一様が教えた、なんてことはないわね。美姫さんは大事な素体なんだから。」


「麻由美!」


 圭一が叫ぶ。


「申し訳ありません。失言でした。」


(美姫が大事な素体?)

(圭一は美姫さんを使ってよかぬことをしようと企んでいるようですな。)

(そんなことはワレがさせんのじゃ。)


「美姫さん!樹!」


 麻由美さんが圭一に謝っている隙に、僕たちの名前を呼んで百合子さんが何かを放った。


「これは、、、魔法の腕輪!?」

「えぇ。クソエロじじぃと一緒にいると何故か魔法使いに襲われることが多いから、念のために申請をして2人の分も持って来ていたのよ。まさか、麻由美大将閣下に使うことになるとは思わなかったけれど。」

「助かります。」

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