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竜の女王  作者: M.D
2171年冬
171/688

05

「本日は2つの魔法の腕輪を使用した迎撃訓練を行う。いつものように最初の15分は準備を兼ねて魔力循環の鍛錬を行う。では、早速各自始めるように。」

「「はい。」」


 生徒が座って鍛錬を始める。


 ・・・・


(今日は調子がいいみたいね。)

(美姫が鍛錬に付き合ってくれたおかげかな。徐々に上達しているのを感じる。)

(樹の役に立てて良かった。)


「魔力循環やめ。次は迎撃訓練を行う。1年生の時は名簿順だったら、2年生は逆から行う。最初は聡君からだ。」

「はい。」


「頑張れよ。」

「あぁ。」


 聡は魔法の腕輪を着けて、所定の位置に着いた。


「まずは射出速度を落とした状態にするから、左右交互に魔法の腕輪を使ってみよう。そこから徐々に射出速度を上げていくから、どちら側を使うかは聡君が決めていいけれど、できるだけ満遍なく使ってみてくれ。」

「はい。」


 聡は右手に魔導剣を、左手に魔導盾を形成する。魔導盾はもちろん、ガ〇ダムのビー〇シールドみたいな桃色の楯である。


(聡君は騎士様式なのね。)

(陽菜さんみたいに二刀流をする人は少ないらしい。)

(余程回避に自信がないと、あんな風に攻撃に重点を置けないでしょうね。)

(『攻撃は最大の防御』って言われているけど、攻撃が止まった時にはひとたまりもないから。)


(それに、聡君の魔導盾は”楯系”魔法使いが使う魔導楯とはだいぶ見た目が違うね。)

(補助具を使って魔導盾を形成するときには魔導力を放出し続けないといけないらしいから、形成時にのみ魔導力を必要とする”楯系”の魔導楯とは見た目が違うのは当然かもしれない。)

(それだと魔力効率が悪そうね。)

(だから、魔導剣と同じように、防ぐ瞬間だけ魔導楯を形成できればいいんだけど、今の聡はできないみたいだ。)


「準備はいいか?」

「はい。」

「では、始め!」


 ブゥン!ビシッ!


 砲台から発射される弾を右手の魔導剣で切り、次は左手の魔導楯で防ぐ。


(聡も2つの魔法の腕輪を使いこなせてるみたいだ。)

(今は時間的余裕があるからいいけど、問題は射出速度が上がって余裕がなくなってからよ。)


 ブゥン!ビシッ!ブゥン!


 徐々に射出速度が上がっていき・・・


 ビシッ!ブゥン!バコッ!バコッ!


「ぐはぁ!」


 玉が聡に当たり、倒れこむ。


「そこまで。」


(次は樹の番ね。いいとこ見せてよ。)

(期待に応えられるよう頑張ります。)



「次は樹君。」

「はい。」


 魔法の腕輪を着けて、所定の位置に着く。


「準備はいいか?」

「はい。」

「では、始め!」


 バンッ!バンッ!


 砲台から発射される弾を左右の魔法の腕輪を使って撃ち落としていく。


「このくらいの速度だと樹でも対処できるか。」

「でも、動きがぎこちないわよ。」

「私なら楽勝ね。」


 他の生徒の批評が聞こえる。


 バンッ!バンッ!バンッ!


 徐々に射出速度が上がっていく。


(そろそろ、身体強化をしないとついて行けないな。しかし、、、)


 バンッ!バンッ!バンッ!スッ!


(身体強化をした上で、2つの魔法の腕輪を使うのはまだ無理か。)


 さらに射出速度が上がる。


 バンッ!バンッ!スッ!バコッ!バコッ!


「ぐはぁ!」


 撃ち落とし損ねた弾を避けようとして体制が崩れ、次々に弾が当たって倒れこむ。


「そこまで。」


 先生の声とともに迎撃訓練が終了した。


(樹、大丈夫?)

(このくらいなんてことない。何時も受けている美姫の魔導弾の方が威力があって痛いし。)

(そう?これからはもう少し弱くした方がいい?)

(否定。そうでないと鍛錬にならないから。)

(分かった。)

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