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竜の女王  作者: M.D
補講4
127/688

02

「樹君が映像や写真で見た光を出して空を飛んでいる魔法使い、というのは大半が”大砲系”の魔法使いたちなんだ。」

「ということは”銃剣系”や”楯系”の魔法使いは魔導翼を使えないんですか?」

「”銃剣系”の魔導翼は開発されているが、”楯系”の魔導翼はまだ開発されていないため、”楯系”の魔法使いは魔導翼を使えないんだ。それに、同じ魔導翼という名前が付けられているけれど、”大砲系”の魔導翼は先程も言ったように魔導力を放出する際に光を発するが、”銃剣系”の魔導翼はほとんど光を出さない。」

「”銃剣系”よりも”大砲系”の魔導翼の方がカッコイイですね。」

「それなんだが、龍野教授に言わせると、『光なんて飾りだ。それが”大砲系”の魔法使いには分からんのか。』だけれど。」

「父はそんなことを言っていたんですか。」

「実際、光を出すということはその分だけ魔導力を無駄に使っているという事だから、非効率には違いない。”銃剣系”のように光を出さない”大砲系”用の魔導翼の開発も行われているが、まだ実用化はされていないんだ。」

「そう言われると、第2次悪魔大戦の美姫さんのお父さんが飛んでいる映像では光を出していなかったような気もします。」

「実際に映像を見てみようか。」


 電子板に映像が映し出されると、確かに光を出さずに飛行している。


「”大砲系”の魔導翼は効率が悪いことに”大砲系”の魔法使いたちは薄々気づいていたんだろう。第2次悪魔大戦では”大砲系”の魔法使いたちの大半は空を飛ばずに、地上で固定砲台として活躍していたことからもそれが分かると思う。」

「そのほうが魔力の節約になるから、賢明な判断ですね。」

「さらに、”銃剣系”の魔法使いは断続的に魔導力を放出することができるから空中で停止することもできるけれど、”大砲系”の魔法使いはそれができないから飛行中は常に飛び続けないといけないんだ。でも、飛び続けないといけない代りに、飛行速度は”大砲系”の魔法使いの速いから、どちらが優れているというわけではなく、一長一短だけれども。」

「飛行中の”大砲系”の魔法使いって、泳ぎ続けないと死んでしまうマグロみたいですね。」

「ハハハ。樹君の言うとおりかもしれないな。」


「それと、補助具の使用については注意点がある。それは、1つの魔法の腕輪にに対して、制御が難しいけれど汎用型補助具は複数同時に使用することはできるが、汎用型補助具と特化型補助具を同時に使用することはできない、ということだ。これは、補助具の効果が干渉しあうことが原因だと言われているんだ。」

「特化型補助具の効果を汎用型補助具を増幅できれば便利だと思ったのですが、そんなに上手くはいかないですね。」

「それを可能にするのが魔法具なんだ。魔法具は魔法の腕輪に準ずる扱いになるらしく、補助具と組み合わせて使用することができるんだよ。」

「それで、魔法具なんてのがあるんですね。今まで魔法具と補助具の違いが分からなかったんですが、今ようやく分かりました。」

「理解できて良かったと思うが、分からなければすぐに聞いてほしかったな。」

「すみません。今後はすぐに質問するようにします。」


「他に分からないことがあったりするかい?」

「うーん、、、そうですね、、、補助具って高いんですか?」

「魔法の腕輪ほどではないけれど、高価だね。その理由は、魔法の腕輪と同じく”魔石”を”銀を主体とする金属”で固めたものだからだ。」

「聡も『補助具には魔石が使われているから高い』といっていた気がします。」


「魔法の腕輪と補助具が同じ素材でできてるとすると、魔法の腕輪と補助具を分けるもの、って何なんでしょうか?」

「様々な要因があるけれど、主な要因は2つ。1つ目は”魔石”と”銀を主体とする金属”の配合率が異なっていることだ。補助具は魔法の腕輪と比べて1/10の量しか”魔石”が使われていない。そのため、魔法の腕輪のように魔力を使って魔導力を生み出す能力はほとんどない。」

「でも、汎用型補助具は魔導力を生み出せないのに、どうやって魔導力の増幅を行うのでしょうか?」

「汎用型補助具は魔導力の増幅を行う”ために使われる”んだ。樹君は車に取り付けられているターボというものを知っているかな?」

「車の馬力をあげるために使われる装置、でしたっけ?」

「そう。汎用型補助具はまさにターボのような働きをする。つまり、魔法の腕輪が魔力を吸引する能力を引き上げる役割をするんだ。だから、汎用型補助具は魔法の腕輪のすぐそばに着ける必要がある。」

「成程。」

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