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竜の女王  作者: M.D
2169年秋
1/688

01

問99 以下の選択肢から文章中の日付として正しい番号を選びなさい。

 第1次悪魔大戦の始まった日(悪魔の大群が現れた日)は(A)、人類が地球連邦の設立宣言をした日は(B)である。

 ①A:2015年5月11日、B:2016年10月1日

 ②A:2015年5月 3日、B:2015年9月23日

 ③A:2015年5月11日、B:2017年1月1日

 ④A:2015年9月23日、B:2016年10月1日


問100 以下の選択肢から文章中に当てはまる人物として正しい番号を選びなさい。

 都市国家東京における第2次悪魔大戦の英雄と呼ばれる人物は(A)と(B)である。

 ①A:桐生安蘭、B:龍野圭一

 ②A:六条武、 B:小野竜太郎

 ③A:桐生安蘭、B:西城英雄

 ④A:六条武、 B:龍野圭一


  ◆ ◇ ◆ ◇


 ブーーーーー


「やっと終わった。」


 2日にわたる統一試験を無事終えられたことに安堵して無意識に声が出た。


「これで統一試験の全科目が終了です。お疲れ様でした。」


 試験官から今後の予定や帰宅についての注意事項が伝えられるの同時に隣の席に座っている森崎が声をかけてきた。


「森林はどうだった?俺は60点はいけそうな気がする。」

「うーん、、、70点くらいかな。」

「今年の歴史はいつもより難しくなかったか?」

「否定。例年通りだったと思う。」

「そうか?」


 情報端末には今まで表示されていた試験問題に変わって今後の予定が映し出されている。


「ようやく試験も終わったっていうのに、明後日は山登りか。面倒くせぇなぁ。」

「同感。伝統行事だかなんだか知らないけど、統一試験が終わった次の次の日に高尾山登山するなんて誰が始めたんだか。国防軍も警備に駆り出されていい迷惑だろう。」

「ほんと、俺もそう思う。仮病でも使って休むか。」

「仮病じゃなくても休んだら罰として長距離走をしないとけないし、そっちのほうが面倒だ。」

「そうだな。さて、うだうだ言っても仕方ないから、もう帰るか。」

「肯定。」


 情報端末を鞄にしまい、森崎と受験会場を出る。


「森林はどこの高校にするのか決めた?」

「試験結果次第だけど国分寺高校にいけそうかな。森崎は?」


 統一試験の結果をみて、皆どこの高校の面接を受けるのか決める。


「俺は試験結果が良くなさそうだし、国分寺は無理だろうな。少し遠征して何とか川崎高校に滑り込めれば御の字だ。」

「川崎か。遠いな。」

「ここは人が少なくて高校が一つしかないけど、海側まで出れば人も多いから。そういえば、広瀬は東大附属高校目指してたみたいだけど、試験どうだったのかなぁ?」

「あそこは無理じゃない?追加試験もあるし、天才じゃないと入れない。」

「そうだろうな。広瀬といえども秀才じゃ、枠が60人しかない東大附属高校は難しいよな。」

「東大附属高校に入れるような学生は国分寺からはそうそうでないって。」


 東京大学附属高校は全国から集まるエリート集団の高校である。


「でも、東大附属高校を目指そうと思うだけでもすごいな。」

「同意。都市国家東京を守る魔法使いを育てる魔法科だけだと教師数に対して生徒数が足りないっていうんで、普通科を併設してるような学校だからな。それに、普通科は未来の官僚を育てる目的もあるみたいだから、本当に賢いやつしか入れないって。」

「魔法使いか。東京シールドの外側に住んでる僕達にはあまり関係ない存在だな。」


 東京シールドは悪魔が中に入れないよう都市を守るための魔法でできた防御壁のことだ。


「俺たちは魔力検査で魔法使いの適正がないことが分かったんだから、なりたくてもなれないし。」

「同意。魔法使いには憧れるけど、適正は遺伝するらしいから平凡な僕達が魔力検査に合格することなんてないのに。やる意味あるのかな、あれ?」

「稀にいるらしいぜ、突然変異的に魔法使いになる奴が。それを取りこぼさないために義務化してるんだろうけど、正直、検査とか面倒でしかない。」

「同感。」


 悪魔には通常兵器が効かず、対抗できるのは魔法使いのみである。そのため、政府は魔法使いを発掘するための魔力検査を重要視している。


「悪魔がまた襲ってきたときに、魔法使いが俺たちを守ってくれるのか怪しいしな。」

「魔法使いが守るのは、東京シールドの内側の人たちだけだから。僕たちも東京シールドまで辿り着ければ守ってもらえるんだけれど。」

「辿り着ければ、ね。そのための避難訓練もさせられているが、あれって役に立つのか?」

「手順だけでも覚えておけば、いざという時に役に立つはず。」


 そんな話をしているうちに、分かれ道に差し掛かった。


「一応、広瀬に明後日にでも手ごたえを聞いてみるか。」


 森崎は人付き合いがよく、あまり友達のいない僕や広瀬なんかにも気軽に声をかけてくれるいいやつなのだ。


「賛同。それじゃ、また明後日。仮病をつかって休むなよ。」

「おう、分かってるって。」


 森崎と別れて家に帰る。後2ヶ月もすれば僕も高校生だ。

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