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ギルド職員ユンカーの平凡な毎日  作者: アルデンテ
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脱、処女航海 (その2)

ぽち、っとな

 「親愛なる伯爵様、我らシスター、イリヤとロゼッタは神に与えられし力を御領のため、全力を持って今回のご依頼を務めることを誓います。」


 清楚なシスター服で伯爵様の前で臆することなく、刻々と宣誓を述べるロゼッタ。

 

 2人の若いシスターが並び、宣誓をする姿は宗教画のような、”荘厳”、ともいうべき重々しい姿であった。


 『この2人なら大丈夫、決してユンカーを喰ったりは(注)しないだろう』

と、伯爵親子に思わせた。


 が、


 

 「ユンカーよ、あたしらはシスター。神に捧げた娘らよ。

 しかし、同時に生身のオンナ。

 神の使途として、仕えながらも息をして食を採り、心も動く、敬虔と信仰という言葉だけでは封じきれない何かを内包している小さな人間なのだな。」


 「後輩のイリヤに誘われた。

 オンナ、という人間の部分を一緒に

”見に行きましょう、”、と。」


 『あたしの”オトウト”は人間を冒涜するような愚か者ではありません。

 心配ありません。』とな。


 ベッドの上で寝物語にロゼッタが話す。


 先ほどまで処女だったとは思えない落ち着きっぷり。


 イリヤ姉さんといい、ロゼッタ姉さんといい、高位の宗教者というのはこうも格が高いのか、と間抜けな全裸で思考するユンカー。

 似合わんから考えるな、お前はエロだけの男だ(笑)。


 「姉さん、ウザいからベッドでまさぐって(まさぐられて)、ないで早くお風呂でキレイになってよ。

 聞いててこっちが引くわよ!」

 ベッドのカーテン越しにイリヤの声。


 「お休みしたら運転、早く変わってもらうんだから!

 ほら、時間がないわよ!ハリアップハリアップ!」


 「一生に一回かもしれない、××旅行だもん。

 ユンカーは寸暇を惜しんで休みなさい(笑)。」


 「ユンカー、右手の山を越えてショートカットしてみたいの。

 少し後でいいから運転席に来て。

 確認しながら高度を上げてみましょう。

 っていうか、早く風呂に入れよ。

 いつまでも、プンプン匂わせてんじゃねー!」

 イリヤ姉さんの声、パイロットとしても優秀なようだ。

 

 それにしても、イリヤ姉さんといい、ロゼッタ姉さんといい、なんで運転席にいるとマシンガントークになるんだろうか?

 あと、口調もヤンキーになるようだ?



 お言葉に甘えてロゼッタ姉さんとユンカーはセマ小さい風呂にギュウギュウになって入る。


 本日2回目、2人目の桃源郷をユンカーは満喫。


 腰の上にお姉さんを乗せて、抱き合っての濃厚キス。



 「ユンカー、ロゼッタ姉さん。

  非常事態、早く服を着て!

  ”ギルド依頼、7番”、山賊のアジトを山の裏に発見。

  複数の戦闘兵の出動を確認、連中の移動先、海沿い、”シナモン街道”、にターゲットらしき商隊。」


 「商隊の規模、8人乗り馬車3台。襲撃者、20人強の騎馬隊。」


 「双眼鏡にて視認。冒険者、2台に分乗、12人くらい?商人、6名ほど。

 予想戦闘地点に急行するけど数分、間に合わない。」


 後部居住区からユンカーとロゼッタが服を羽織って運転席のベンチシートに座る。


 「戦闘開始、強襲でキャラバンの先頭の馬がやられて足が止まった!

 乱戦になってる。

  今、戦闘地上空で停止!」


 眼下400メートルで襲撃が行われている。


 「姉さんたち、自由落下フリーフォールで20メートルまで下りて、制御降下で3メートルまで下りるから、イリヤ姉はこの馬車を山賊に平行移動でぶつけまくって!

 ロゼッタ姉はボクがこの唐辛子粉を空中に撒いたらそれを山賊に向かって、得意の”風魔法”、で飛ばして目くらましを!」


 ユンカーがそう言いながら、すでに馬車はフリーフォールで急降下している。

 ほぼ10秒弱、地面目前で馬車は激突寸前に急停止、そのままフワフワと地面より3メートルで見事停止。


 時速40キロで山賊たちの上から小さな馬車が落下してきた。

 馬をやられて足の止まったキャラバンの護衛たちは山賊の奇襲で出鼻をくじかれ、守勢一方で数を削られ、命運付きたか!と思ったところで敵陣(山賊)の真ん中に宙に浮いた箱(馬車?)が落ちてきて、意思を持つかのように山賊の騎馬を追い回して、体当たりをし次々と山賊を落馬させ無力化してゆく。


 そのころ馬車の中では

 「イリヤ、あたしも馬車を振り回すの手伝った方が効率よさそうだね!」

 

 イリヤとロゼッタの2人は統制の全くとれなくなった山賊どもに向かって、馬車ごと、“特攻”、をかまし続けていた。


 青ざめるイリヤと対照的に、全裸にYシャツを羽織っただけのロゼッタは満面の笑みを張り付けたままに熟達した白バイ隊員のように縦横に馬車を動かしては山賊に体当たりを慣行する。


 馬から落とされた山賊に、護衛の冒険者たちが数人がかりで確実に命を奪っていく。


 この世の光景とも思えない奇天烈な戦闘は20分ほどで幕を閉じる。


 「ウェーっ、気持ち悪い!」

 山賊をせん滅させたナゾの馬車からは(車酔いで)真っ青な男女が2人と

 「あー、面白かった!おっちゃんたち、やられてるのいたらイリヤがヒールでもハイヒールでもかけるから言いな。

 あたしはシスターだけど治療系はまっさらなんでね!」

 楽し気に笑いながら降りてきた、下半身パンツ、上半身Yシャツ(ボタンかけず!)のいかにも危ないオンナ。

 それは落下Gや横Gでドライバーズ・ハイで逝っちゃってる、危ないロゼッタ(笑)。


 「助かったのか、」

 護衛の中でひと際、動きが良かった騎士風の男がつぶやく。

 金髪に少し、白髪が混じり始めたその男がリーダーのようだ。

 護衛のうちの3分の1ほどは傷を受けて倒れているが命までの傷は負ってなく、みな軽傷のようだ。


 「マチルダさん、助かりましたよ。

 もう、出てきても大丈夫です。」


 森を背負って馬車の裏側に隠れていた商人らしき人達がバラバラと7人、出てくる。


 


 




 


 

 


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