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読者の方々へ。

非常に更新が遅いかも知れませんがどうか温かい目で見守り下さい。

涙一つみせなかったこともだが、それより若久佐響(わかくさひびき)がひっかかったのは少年の魂が抜けたような状態にあった。

少年の名前は田中宏樹(たなかひろき)、今年中学に入学したばかりの一年生。両親から提供された写真では眩しいほどの笑顔で写っている。長い睫毛にぱっちりとした大きな目、まだ若さを感じさせる綺麗な肌、一見女の子にも見てとれると響は思った。しかし今、目の前にいる宏樹君は写真の面影無く、恐ろしく生気が失われている。

「宏樹はじめまして、私今回この事件の担当をしているの。若久佐響って言います。よろしく」

宏樹の様子は響の声が聞こえているのか分からないほどだ。しかし響は話を続ける。

「お姉さん達ね、宏樹君に怖い思いさせた犯人絶対捕まえるから。何でも良いの、何か犯人について分かること教えてくれない?」 宏樹はこれにも反応しない。まさに放心状態。今はまだ何も聞けそうにない。そう思った響は大きくため息を一つつくと、隣の刑事と見合わせ確認し、宏樹からの聴取を終えた。


3ヶ月前にO地区にて誘拐事件が起こった。

誘拐されたのは市役所勤務 小田切氏の長男の(あゆむ)。その日、小学6年生の彼は塾に行っていた。帰りが遅いため、母親が心配していたところに犯人から連絡があったことで誘拐が発覚した。

要求は当然身代金を用意しろとのことで、金額は一千万円。母親は連絡を受けると警察に連絡し、身内らから金を工面したとのこと。

この「歩君誘拐事件」は翌日解決したのだが犯人逮捕には至らず、その一ヶ月後さらなる事件が起きた。

O地区の隣にあるK地区の中学1年生、大沢真一(おおさわしんいち)が部活後、友人と別れた後に誘拐された。電話に出た真一の姉によると、身代金は「歩君誘拐事件」と同じく一千万円。そして姉の証言からは誘拐犯は機会を使い声を変えて電話をかけてきたという。

この事件も翌日の朝、無事に解決した。


警察は歩と真一、2人の誘拐事件は同一犯による犯行との見方で操作がすすめられている。

その理由として、1つはこの短期間に近地域で行われた犯行ということ。2つ目に身代金の額。そして3つ目が最も警察を悩ませている要件である。歩、真一の両事件ともに身代金の要求をしておきながらその身代金を受け取ることなく犯人は翌日に2人とも解放している。

これにより警察は被害少年への性的暴行目的や被害少年の家族への嫌がらせ、または警察への挑戦などの見識をあげた。


その答えが出ないまま今回3つ目の事件、後に「宏樹君誘拐事件」と言われる事件が起きたのだった。

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