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第2話 確認

「ここはいったいどこなのかな?」


 今がどんな状況かといわれると、久しぶりに僕の友達が勢ぞろいしたというところとでも言っておこう。唯一、普段と違うところといったら、一緒に会う場所が学校ではないということだ。もちろんいつものゲームの中でもない。


「さっきまで何してた?」

「なんかのゲームのサイトを見てた。ようこそ創造主様みたいな感じの。」

「それぼくもだ。」

「僕も」

「俺も」

「私も」

「同じだ」

「同じことしてた」

「わたしも」

「ぼくもだよ」


 みんな口々に言った。それにしてもみんなが同じサイトを見ていたなんて。


「そういえば、招待する友達って誰にした。」

「ここにいる自分以外の八人だよ。」

『それも同じ』


 みんなが同じことを考えて、友達の名前を入力していたとは驚きだな。それとも、これも誰かに仕組まれたことなのか。


 ここで、とりあえず僕、明河樹人あけがわみきとの友達を紹介する。


 南木彩斗みなきさいと

 呼ばれ方:サイト

 誕生日:10月5日

 特技:シューティングゲーム


 嵐山賢人あらしやまけんと

 呼ばれ方:ケン

 誕生日:4月23日

 特技:パズルゲーム


 守屋明華ねりやめいか

 呼ばれ方:メイ

 誕生日:5月4日

 特技:恋愛シミュレーションゲーム


 刈間咲哉かりまさくや

 呼ばれ方:サクヤ

 誕生日:1月7日

 特技:スピードゲーム


 唐澤綾見からさわあやみ

 呼ばれ方:アヤ

 誕生日:2月17日

 特技:アクションゲーム


 那倉瞑清なくらめいせい

 呼ばれ方:ナクラ

 誕生日:6月26日

 特技:推理ゲーム


 牧野美鈴まきのみれい

 呼ばれ方:レイ

 誕生日:9月10日

 特技:タイピングゲーム


 谷屋輝美たにやてるみ

 呼ばれ方:タニヤ

 誕生日:12月19日

 特技:リズムゲーム


 こんな感じになる。


「で、とりあえず、何か作ってみる?」

「そうね、さっき私たちはこの世界の創造主って言ってたしね。」

「つまり神ってこと?」


 この世界にはまず、陸地がない。


「だったら初めに大陸を作る?」

「それがいい。」


 サクヤが下に向けて手を伸ばした。いや、下といってもどこがしたなのか分からないけど。


「大陸を想像すればいいのかな?」


 こういったとたん、自分たちの下の方に、大陸のようなものができた。結構広い。


「とりあえず、ユーラシア大陸ぐらいの大きさにはなったと思う。」


 スピードゲーマなのだから、行動が早いな。


「あれ、でもこれじゃああれた土地だよ。私がどうにかする。」


 メイが物足りなそうに言った。確かに緑がないのはさみしいな。


「こうかな。」


 今度も一瞬にして草原のようになった。


「この世界は魔法があったらどうかな?一度は魔法を実際に見てみたい。」

「そうだね、いいかもね。」


 僕が遊ぶゲームは基本的に魔法が存在する。魔法というものを僕自身で実際に使ってみたい。


 僕もほかの二人がやったように手を下に向けて、魔法の使える世界を想像した。


「これって完成なのかな?」

「使えるか使えないかいまいちわかんないわね。」

「僕たちが試して模様と思っても、今自分たちが使っている力と区別がつけられないしね。」


 さっそくナクラがこの状況を分析してる。ホント好きだな。そういうこと。


「思ったけどさ、世界っていうんだから、人間は必要よね。私たち9人だけではさみしいわ。」

「それもそうだな。」


 アヤは人間思いだからな。というか、人間を作り出すってどのようになるんだ。その場で人間として現れるようになるのか。

 こんなことを考えていることお構いなしに、アヤは手を下に向けていた。


「うわ、まぶしい。」


 みんなも目をつむっている。


 僕も目を開けると、そこには人が動いている様子が見えた。いや待て、これって順番間違ったんじゃない。

 草原の中にたくさん人がいるって少しおかしい。


「順番おかしかったんじゃない。」


 ケントがそう言った。うん、僕もそう思っていた。


「街並みがないと。」


 そういって、ケントも手を下にかざした。

 そして、次の瞬間。


 ・・・・・・


 人が全員消えた。


「つまりこれは本当に何でもできるのか。」

「ねえ、街並みをつくる前に一つ試してみない?私たち同士は殺しあえないってことを。」

「なかなか物騒なことを言うね。サイト。」

「いや、これは試しておかないと。さっきの言葉も気になるから。」

「だったら、本来ならばみんなが死ぬようなことをすればいいんじゃない。」

「そうだね、だったら...」


 そういって、サイトは今度は上に手を向けた。

 巨大な火の塊が落ちてきた。


 あれ、僕たちをすり抜ける。


「ちょっとあたしも試してみる。」


 レイも乗ってきた。


「私はこうする。」


 今度は雷が無数に落ちてきた。でも、僕たちにあたっても貫通するだけだ。

 これはよくゲームである、仲間には自分の攻撃の効果がないってやつか?


「これで確認はできたな。」

「そのようだね。」

「うん」


 みんなもうなずいている。


 では、ここで次の疑問である。


『戻れるのか...』


「僕は空間をつなげるように考えてみた。」


 あれ、発生した穴に自分の手を入れたら、そこから自分の手が出てきた。

 気持ち悪っ


 試しにこの地上につながるするように考えてみる。


 あ、今度はできた。


 ほかのみんなもいろいろ試しているようだ。

 でも、誰も成功している様子はない。


「あのサイトの、現世ってのは、僕たちのいたあの世界ってことになるのか。」

「で、もしあの分が本当だったら、僕たちは一生戻れないってこと?!」

「それはさすがにヤダ。」


 みんなも僕と同じように軽い気持ちで進めていったらしい。


 僕たちは本当に戻れないのか?

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