まるでアリス
あれは12年前のストーリー。
いつしか遠く置き去りにされたストーリー。
二つのリンゴをかじった彼女は瞬く間に大人になった。
12年の時が過ぎゆくなかで何度も思い出した青い風。
その場所に辿り着きたくて消えやしない記憶と共に歩んだ道のり。
夢を見ては切ない少女の頃に帰り。
夢と現実の狭間で泣き顔の朝を迎えたんだっけな。
そんな少女の涙のあとを微笑みに変えてくれた小さな乙女座。
AとBのハーフな君は、いつも強い揺るぎない存在。
季節を越えてあっけなく散った桜たち。
かじったリンゴは毒入りではなかったけれど、リンゴの主は、すっかり大人になった彼女に魔法をかけていたんだね。
そんな夢を今日も見ているのかな?
今宵は月の居ない空。
無数の星は指折り数えた恋の歌。
Alice in new moon...