思い付き
真紅に染められた木材を使って建てられた社の最奥で金で作られた豪奢な椅子に腰掛けた少女がため息を吐いた。
ショートカットの髪は黒く艶がありややつり目がちな瞳は何処までも深い漆黒で強い意思を灯している。
しかしそれ以外は取り立てて賞賛される部位はなく至って平凡。
そんな少女こそ
この世界を管理する最高神だった。
軽く首を振れば髪に刺した桜を模した簪がシャランと音を立てる。
「…李凛」
「はい」
何処からともなく女が現れ足元にと跪く。
「国の様子」
「大国、小国みな争いもなく日々を過ごしております」
「災害」
「雨を司る者らが近々雨季に入るため活動を大きくしております」
「人間」
「先日小国の王子が新しく王となりました。直情型のようですが問題は少ないかと」
「罪」
「神域を侵す者が居たため一族に安息の場が出来ぬ罰が下されました」
「…そうか」
満足げな笑みを浮かべて李凛を手招きする。
「主様…」
うっとりと蕩けんばかりの表情を浮かべて椅子に座るその足にと縋り付いた。
柔らかな栗色の髪を撫でながら機嫌良く神は言う。
「次の満月の夜、私はこの世界を去る。供をしろ」
「畏まりました」
取り敢えずちまちま進めて行こうと思っています…!描写不足な所も少しずつ書き出していきます…