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建物 八月十五日 十一時十五分
「どこだぁここ」
俺は、知らない建物の一室に寝ていた
かなり広い、どこかの学校の体育館と言われても信じてしまいそうだ
というか、体育館だった
まわりには、誰もいないただ俺だけがいる
まわりには、何もないただ俺だけがある
まわりには、まわりには、誰もいなかったはずだ
「ッ!!!」
「ふっふふん~♪ふふん~♪ふふんん~♪」
そこには、さっきはいなかった人間がいた
そこには、さっきはなかったイスがあった
「なんだこりゃ」
俺は思わずつぶやいていた
「あー起きちゃったんだーちょっと待ってねん、もうすぐ終わるねん」
その人間の顔は見えない、ただそのきれいな声で、同じ年くらいの女性だと判断できる
そんなことを思っていると、女性は何かの作業を終え俺の方に歩いて来た
その女性は、天使と言われても信じてしまいそうなくらい美しかった
というか、天使だった
その女性の背中からは、さっきは無かった真っ白な翼が生えている
「なんだこりゃ」
「あはは、そのセリフはさっき言ったねん」
「なんだこりゃ」
それしか言えなかった
考えても見てほしい、起きたらいきなり翼の生えた人間がいるのだ、一言しゃべれただけでも誉めてほしいぐらいだ
「あはは、びっくりしたぁこの翼、すごいでしょー、私天使なんねん」
「なに言ってんだおまえ」
その天使としか見えない女性の上には、?マークがでていた
いや、本当にでていた天使の上には、赤色の?マークがくっきりとでていた
「なっ!!」
俺が?マークの謎を聞こうとしたら天使が先にそのきれいな声で言った
「あれ~燐音くんには、天使に見えるはずなんねんよー、まあいいかぁ」
天使は少し間をあけてから言う
「燐音くんは、ここで終わりねんから」