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場所不明 八月十六日 五時五分
真っ暗な暗闇
何も無い暗闇の中で声が響く
きれいな声が響く
「あんた、今度は誰にやられたねんの? また手伝ってあげようねんか?」
「あん? 名前なんて知るか!!!」
「怒らないでねんよ~ 負けて悔しいと思うねんけど」
「別に負けてねぇよ! 逃げただけだ」
「逃げるのは負けじゃないねんの?」
「負けじゃねぇよ! 死ななければ負けじゃねえ」
少し間を開けてからきれいな声は言う
「ところで手伝ってあげようねんか? あんたをボロボロにした人を殺すのをねん」
「手伝う? 何を? 俺はもうあいつとは二度と会わねえよ 」
そこできれいな声は溜め息をつく
「あんた、そんなにボロボロにされて何とも思わないねんの」
「いや、ムカついてるよ殺したいとも思ってる、けどなぁ俺は死ぬかも知れない所になんか行かない主義なんだよ」
そこでまたきれいな声は溜め息をついてから言う
「じゃあわかったねん 手伝うんじゃなくて、代わりに殺してきてあげるねん」
「おまえ、誰かの手伝いしてなかったっけ?」
大丈夫ねんよ~人間一人なんて一分もかからないねん、ていうかもう手伝い終わったねんし、あんたは他の仕事を終わらしてくるねん.............
という言葉を最後にきれいな声は消えた
「特徴は、黒髪だぞ!! 見たら思わず『ザ・日本人』って言っちまいそうになるやつだ、聞いてんのか!? 風使いだぞ!!! おい!!!!!!」
そう叫ぶが返事は無い
さて俺も行くかぁ、残りを片付けるか................
という言葉を最後にその声も消える
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