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空中 八月十五日 十一時五十八分
彼ら二人は、十分近く空を飛んでいた
黒い肌の男が逃げ、もう一人がそれを追撃する
激しい攻防で肌の黒い男はボロボロになっていた
無傷のザ・日本人と呼ぶにふさわしい容姿をした男が余裕顔で口を開く
「オラオラどうしたぁ! 逃げてばっだなぁ!! 後ろから撃ち抜かれたい願望でもあんのかぁああ!!!!」
肌の黒い男がその言葉を聞いたと同時に街が暴風に包まれる
「ちっ!! くそがぁああ」
風の向きや強さなどを計算して飛んでいた黒い肌の男は、予想外の暴風のおかげでゆらゆらと下の森に降下していく