サービス向上
「市長、お呼びですか」
「あぁ、局長。突然で悪いが、ちょっと考えて欲しいことがあるんだ。今回の選挙で市のサービス向上を公約したから、早速何か手を打ちたいんだが、そもそも住民がサービスに満足しているかをどうやって評価したらいいと思うかね」
「そうですねぇ。でしたら、苦情件数を当市の人口で割った数値を評価指数とすればよろしいかと」
「ほほぉ、なるほどそれならば人口の増減を気にせずに比較できるわけだ。では、その数値を苦情指数と呼ぶことにする。方法は問わない。苦情指数を下げるべく取り計らうように」
「承知しました」
◇
「すごいじゃないか、局長。先々月は数百ポイントあったのが、先月は十数ポイントだ。しかもほとんどコストが掛かっていない。一体どんな対策をとったんだね」
「はい、市長。市のホームページから苦情受付の電話番号・メールアドレスを削除して、担当部署の電話機を撤去しました」