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カラスの死体  作者: Mr.Y
11/11

罰点

「変だと思う。女なのに……っていうか、宮坂より女の子っぽいのにな。女の子が好きなんてさ。でも人は皆、どこか変だと思う」


俺の言葉を聞いてから白石はコーヒーカップのふちを舐めるようにアイリッシュ・コーヒーに少し口をつけた。俺の方にまでコーヒーとウィスキーが甘く混じりあった匂いがきた。その味と匂いに少し落ち着いたのか、メガネの奥にある目の赤さは薄れ、また責めるような視線を俺に投げかけた。


「人は皆、変?慰めているつもり?それとも同情?

私ね。想像してたんだ。あなたをどうしようか、って。加奈のことは好きよ。自分でもどうしようもないくらいにね。それと同じくらいあなたを憎んでいる私がいるの。ホント、どうしていいのか分からないくらい。実はさ。考えていたんだ。あなたを呼び出してどうしようかって。復讐ってヤツ?駅に呼び出して後ろからナイフとか包丁で刺してやろうかとか、電車が来る時に後ろから線路に落としてやろうか、とかね。大勢の人ごみの中で惨めに死んでもらおうって。でもそれって一瞬じゃない?ただ痛くてそれで終わり。つまらないからさ。こういうの考えたのよ。ラブホに誘うの。だって男ってそういう女の子の誘いって断れないじゃない?それで前から好きだったとか、なんとか、ココロにもないテキトーなコト言って抱きついて、汚い男の身体を心の中で軽蔑しながら愛撫するの。そして興奮してどうしようないくらい勃起したあなたのペニスにフェラチオするフリして喰い千切ってやろうって。一番の復讐でしょ?加奈の中に入ったかもしれないし、これから入るかもしれない一番憎いあなたそのものを喰い千切るの。あなたは苦しむでしょうね。時速百数十キロの球が股間に当たって担架で運ばれる野球選手をテレビで見たことあるけど、喰い千切ったらその何倍もの痛みじゃない?きっとあなたは苦しんでベッドのシーツを赤く染めながら股間押さえたまま惨めな姿で動けないの。私はゆっくりと穢れた口を洗うわ。あなたの苦悶の声と罵声を聞きながら優雅にね。そしてあなたは男じゃない、女でもない、中途半端な性的身体障害者になって私の気持ちを理解する……考えただけで胸がすっとする。そんな事をしたって加奈が私を好きになってくれるワケじゃないのにね。理屈では分かるの。でも感情は理屈とは別の方を見てるの。どっちが私自身か分からない」


会話の最中、ウェイトレスが隣の席にメニュー表をスーツ姿のサラリーマンに渡し、メニューを取り、コーヒーとワッフルを事務的に運んで行った。もしかしたら白石の声が耳に入ったかもしれない。けれどまるで機械的に動き、表情を崩さず仕事に徹していた。まるで俺達の会話はごく普通の日常会話だと言わんばかりに。

白石は一気に話すと、短くなったタバコを灰皿にもみ消し、再びカプリを取り出し、そっと口に咥えた。

そのセクシャルなしぐさが悪魔の微笑みのように感じた。

白石の話を聞いていると宮坂が見せてくれたあのメールの文章とその後に送られてきた大量のメールを思い出す。この女は言った通りのことをやりかねない。


もし駅で誤解だ、と言わなかったらあのアイスピックのような歩みでラブホまで俺を連れて行ったのだろう。そして本当に適当な事を言ってキスをして抱きついて、俺のペニスに口付けし、たっぷり唾液のついた舌で丹念に舐め回し、これ以上ないくらいに硬く勃起したペニスをゆっくりと深く口に含む。俺は陰毛に白石の鼻息を感じながら声を漏らすに違いない。その時、白石はソーセージでも食べるように当然の事のように歯をたて、喰い千切る。俺は驚きと激痛に悲鳴をあげる。それこそ天国から地獄に突き落とされたような悲鳴を。白石はそれを見て満足そうに微笑むと口の中から血まみれのペニスを吐き出し、苦痛で震え、うめいている俺に向かって、読み終わったプリントをゴミ箱に捨てるように無慈悲に投げ返すのだ。今言った言葉通りに。間違いなく。


どこまでも攻撃的な本音で話す白石に鬼気迫るものを感じたが、俺はそれに動じずに言った。

誤解を晴らすというのもある。けれどそれ以外にも彼女のある部分に惹かれていた。それが俺を冷静にさせていた。


「俺はカラスの死体を描いている」

「はぁ?」俺の言葉に白石は間の抜けた声を上げ、タバコに火をつける動作が一時的に止まった。

「理解できるか?俺にとっては凄く重要なことだ」

「カラスの死体」自分に言い聞かせるように白石は呟いた。

「分からない。カラスなんてどこにでもいるし、なんでわざわざ死体なんて描くの?もっと楽しそうなものを描けばいいのに」

「それと同じ事。俺はどうして女のアンタが加奈を好きになるか分からない」


「仕方ないじゃない。好きなものは好きなの。どうしてなんか説明できない。生まれつきよ。家庭内暴力もなければ、小さい頃性的暴力を受けた事だってない。ただ女の子が好きなの。私はそうできているのよ。そして高校に来て、理想の子に会ったの。明るくて元気が良くて、遠くから見ているだけで心の一番底、光が届かない部分まで癒されたの。古い言い方だけど太陽みたいだった。私さ。中学の時、怪我で陸上部辞めてから落ち込んでいた時期あってさ。そのせいで暗くなったせいか、いじめられた時期があって。それで高校に入った時からは周囲を気にして仲間を作って、どうやったら、いじめられないか考えてばかり……。学生生活って嫌よね。知ってる?学校って勉強するためにって理由もあるけど、社会性を学ぶ場でもあるんだって、『和を以って尊し』ってね。和を乱す周囲と少しでも変わった人は仲間はずれ、皆同じじゃなきゃダメなのが世の中じゃん。皆、揃ってどんぐりの背比べ、背が高いヤツは足を引っ張られ、低いヤツは死なない程度に踏みつけられる。そんな息苦しい中で、加奈が私と同じ悩み相談してきてくれたんだ。なんとかしてあげたいじゃない?手に届かないと思っていた子が私の方に来てくれた。運命すら感じるのよ。こうやって今、あなたに加奈は私の事を嫌っているって言われても、まだ諦められないの」


「学校生活云々については理解はできるけど、何で女の子が女の子を好きになるか分からない。俺がカラスの死体を描き始めたか教えようか?そもそもカラスの死体を三雲が見つけて模写し始めた。最初は人間のモデルがいなかったから仕方なしにだ。けど、描いている内に変わっていった。ただの模写じゃない。死、そのものを見つめられるんだ。死ってなんだ?存在の終わりだ。その存在の一番ありのままの姿だろ?そこに嘘はない。どうやって生きてきたのか、どうして死んだのか分からない死体を目の前にして価値観が変わりつつある。真実って何だろうと問いかけてくる。いつか死ぬ。色々な人生がある。カラフルな人生もあれば、薄暗い灰色の人生もあるだろう。意義のある人生もあれば、ろくでもない人生もある。けれど死が最後だ。どういう人生を送ろうが、どんなに飾りつけしようが、こうやって終わる。それが真実だ。俺はそういう虚飾のない真実を描いてみたい」


白石はようやくタバコに火をつけた。

「決定的に違うね、私たち」

一瞬「そうだろうか?」という疑問が脳裏をかすめた。違うようでいて実は同じかもしれない。

ただうまく言葉で説明できないし、会話の本題でもなかったので俺は頷いて言った。


「そう、決定的に違う。女なのに女が好きなアンタがいるように、死体を見て何か突き詰めようとしている俺がいる。まるで死体愛好者ネクロフィリアのように死体のことばかり考えている人間もいる。仕方ないじゃないか。どういうワケか知らないが、俺達はそうできている。人は皆、どこか変だ」

白石は軽く笑いながら言った。

「ペニスを喰い千切ろうとした女性同性愛者レズビアンもいれば、オカマになりそうだった死体愛好者ネクロフィリアもいる」


「ペニスを喰い千切ろうとした女性同性愛者レズビアンとオカマになりそうだった死体愛好者ネクロフィリア同士は理解しあえない。けれど一応、形だけでも結びつけるために常識が存在する。けれどそれは俺達の嫌悪する虚飾だ。もしくは憎むべき排他的な社会通念」


「凄い矛盾」白石はさっきの笑みとは違ったニュアンスを笑顔を張り付かせた。「私は排他的な社会通念を利用して友達のまま、ずっと近くにいれば良かったのかもね。生まれつき、そうできているのを隠してトモダチとして付き合っていれば良かったのかも。必要以上に近づかないで、完全に離れないくらいの距離を保ってさ」

「答えは出せたからいいんじゃね?次、頑張んなよ」

白石は唇を固く結び、重罪を犯した人を裁く裁判官のように俺を睨んだ。

そして何か強固な意志を確認するようにテーブルの上で手を組んで言った。


「雨宮、あなた、恋した事ないでしょ?だからカラスの死体なんてくだらない事に夢中になれるのよ。人間なんて恋が全てじゃない?好きな人と全てを共有できるってことがさ。恋って愛って、奇跡じゃない!……人間、孤独なのよ。どこまでいってもさ。仲間がいたって傷つけられるかもしれないし、裏切るかもしれないし、心の中では何を思っているのか理解できない。でも独りになるのは嫌じゃない?どうしてか分からないけど、同じじゃなければいけないのよ。違っていたら弾かれるって、そうできているの。だからグループ作るのよ。自分たちとその他を作れば自分たちの中でまとまっていられる。共感できる似たような人たちならある程度心の中が分かるから裏切らないし、傷つけられる可能性も低いし。私はそうやって上手くやっている。他人よりも必要以上に。私、女の子好きの変態だから。理解してくれる人なんて少ないの。ううん、いまだに理解してくれる人に会ったことはないの。あとさ。次って何よ?一番好きな人に嫌われてすぐに切り替えられるワケないじゃん」


言葉とは裏腹に白石の視線はもう俺を責めていなかった。

視線の先はどこか別のところを見ていた。


「でも確かに理屈ではそうよね。フラレました。じゃあ次を探しましょう。そして、何年か経って学生じゃなくなって、狭くて窮屈な学校生活じゃなくて、誤解と偏見に満ちているけど今よりは広々とした社会で同性愛者であることを認めてくれる女の子を好きになって、あの加奈の元気な声も明るい顔も人懐っこいところも、こんな意地悪なところも、加奈の何もかもが懐かしく思える日が来るから、早くそうなればいいってね。……そんなの何万回も自分に言い聞かせた!でもそんなふうに思えない!だからこうやってバカなことするために、ここに来たの!……私は私自身を偽れる人間じゃない。学校で周りに合わせて、必要以上に自分偽って、でも勘違いだったけど本当の自分をさらけ出せる子に会ったと思った。すぐにそんな割り切れるワケないじゃない……」


俺は無地の白いハンカチをポケットから取り出し、白石に渡した。

白石の白い頬に伝う涙が見ていられなかったから。

俺にハンカチを渡され、白石は自分が泣いている事に気づいたようにメガネを取り、涙を拭きながら泣き崩れた。


白石の語る宮坂加奈は俺の知っている宮坂じゃない。そんなに明るくもなければ、人懐っこくもない。ましてや人の心の奥底を照らすことなんてできないだろう。それは彼女が仮面と言っていた部分だ。それをただ遠くから見ているだけだった白石が勘違いし、理想化しているだけにすぎない。付き合ったとしても失望するのは白石の方だろう。だったら尚のこと今、ここで別れた方がいいに決まっている。

けれど俺の口からは「悪かった。ごめんな」という言葉が出てきた。

俺が言ってもどうなるものじゃない。

本当は宮坂が面と向かって言うべきことだと思う。

けれど俺はこう言うしかなかった。


泣き崩れた女とその向かいにいる学生服の男。

周りからはどう見えるのだろう。

恋人か友人か姉弟か、もしくは兄妹か。

人の目なんてそんなものだ。

本当は女性同性愛者レズビアン死体愛好者ネクロフィリア


泣き終わると会計を済ませた。お金は全て白石が払った。

もちろん、俺も出そうとしたが強引に「こういう時のためにバイトをしているんだからさ。借りは作りたくないし」と白石が払い、外に出ると俺にカプリを渡した。


「俺は吸わないよ」

「吸いなよ。雨宮、ストレス溜まっている顔してる。私以上に何をやるか分かったもんじゃないから」

冗談めかして俺にカプリをくれた。

俺はその手にやたら馴染む大きさ箱をどうしたらいいものかと手で玩んでいたが、「じゃあ、ペニスを喰い千切らないようにもらっとく」と言って、結局、学ランの内ポケットに入れた。


「じゃあ」とお互い手を上げて、駅で別れた。俺は白石が雑踏の中へと消えていくのを眺めながら、頭の中でまとまらない何かがぐるぐると回っていた。多種多様な人々を狭いところに押し込めてゆっくり回る巨大な観覧車のように。


その観覧車の中には白石の姿があり、三雲の姿があり、カラスの死体が転がっていた。

そしてクラスの連中や先生、両親の姿もあった。

ただ宮坂加奈の姿だけはなかった。





翌日、白石は登校してこなかった。

担任は「白石は風邪で休むそうだ。流行っているからお前らも気をつけろよ」と言っていたが、俺は失恋のショックで休んでいるのかと思った。


けれど何日経っても登校してくる気配がなかった。

そして一週間経ったある日、担任が「実は一週間前から白石香織が行方不明になっている。警察も調べているが、お前達も何か知っていたら俺に言うように」と険しい顔で言った。


クラスでその噂で持ちきりになった。

誰もがその話題を口にした。けれど数日でいつも通りに戻っていった。

白石がいない。という事実をすぐに受け入れたのだ。たまに心配するヤツもいたが、ごくたまにだ。

別にいてもいなくても日常生活では何ら困らない。これが事故に巻き込まれて怪我をしたというなら病院に皆でお見舞いでも行ったかもしれない。そして死んだとなれば皆同情しただろう。泣くヤツもいたかもしれない。けれどそのどちらでもない行方不明だ。ただ日常生活に嫌気が差して家出してどこかでなんとかやっているかもしれない。そうも思える余裕がどこかあった。


本当にいなくなった理由を知っているのは俺と宮坂だ。

いや、もしかしたら別の理由かもしれない。

だがいなくなった日を考えれば、俺達がいなくなった理由に違いない。


俺はもう休憩時間に宮坂と話さなくなった。俺は空いた時間は男子生徒と話すようになったし、宮坂の方も俺を避けるようになった。お互い、一緒にいると白石のことを思い出し、気まずくなるからだ。


休憩時間にふと白石の仲間達の方を見た。

白石と一番近い連中だったが、もう陽気さを取り戻していた。そしてあんなに暗かった岩淵が楽しそうに仲間と話している。内履きもいつの間にか新品に換わっていた。


そうやって十日が経った。

俺は白石の事を考えない日はなかった。

どこでどうしているのか?

一つの仮説を立てた。それが一番しっくりとくるから。けれどその事をできるだけ考えないようにしていた。頭の中の隅に追いやって忘却するのをひたすら待っていた。しかし、同時にそれは白石と会うまで消えないものだと分かっていた。


「スゲーじゃん」

三雲がキャンバス描かれているカラスの死体を見て言った。

隣で描いている三雲のカラスの死体より上手く描けている。

三雲のは上手くは描けてはいるが、ただのカラスの死体だ。俺のカラスの死体はさらに一歩進み、死と完全に向かい合っていた。

三雲を実力で見下してやろうと思っていた。しかし、実力で勝ったにも関わらず、なんの感情も湧き上がってこなかった。


「キミ、なんでこんなに上手くなったん?」

「カラスの死体と話したから」

「へぇ、スゲー、超能力?そりゃ勝てんワケですね。カラス、なんて言ってた?」

三雲は何の感情も込めず、先生に言われて仕方なしに国語の教科書を読む生徒のような口調で言った。


「あのカラスは自分で自分を殺した」

「へぇ、自殺?」

「そう、自殺だ。個人的な理由があって、死が必要だった。納得して死んだ。けれど突拍子もなく自殺したことに対して仲間は驚いた。本人の内面を知っていればあるいは納得したかもしれない。けれど仲間はそいつの外面しか見てなかった。でもカラスは内面のことを話す気はなかった。話せば理解されないことが分かっていたから。だから話さなかった。もっとも話したところで他人の内面なんて誰も完全に知ることはできない。自分自身でもよく分からないものだから。つまりカラスは死ぬべくして死に、仲間は驚くべくして驚いた。カラスは満足だった分からない。ただ死ぬことによって絶望からほんの少し離れることができた。世界はそれをゆるした。カラスを忘却することによっての赦しだ。世界はそうできているから」


三雲は黙って俺の言葉の続きを待った。


「現実をありのまま直視することってできるんだろうか?暴力とか腐敗物とか、一切のネガティブから目をそらさずに」


「さぁ」三雲は肩をすくめた。

「それができるかどうか知りたいから描いているんだけどね」


それが絵だけではできないから映画でも撮りたいのだろうか。

なんだか俺は疲れていた。うまく眠れない。寝たらロクでもない夢を見る。そして学校へ行けば、白石は登校してきていない。でもまた日は昇り、沈む。その決まった動きを、きっと呆れるくらい長く続ける。俺が死ぬまで。死んだ後も。


「そういえばさ。お前、妹とやったって言ってたよな」と俺は言った。

一瞬、何を聞かれたか理解できない表情だったが、三雲は思い出したかのように言った。

「ああ、そういえば言ってたね。やったよ、何度も。妄想で。だってボク、一人っ子だし」


俺は白石からもらったカプリを学ランの内ポケットから取り出した。

「吸うんだ。っていうか、それ女向けのじゃね?」三雲の声を無視して火を点ける。

校内でなんの躊躇いもなくタバコを吸う。今、俺は絵に描いたような不良みたいなのだろう。

そして俺はタバコを咥えながら、ペンティングナイフでキャンバスを罰点バッテンに切り裂いた。

三雲は驚きのあまり声も出ないようだった。


「失敗したわ。まぁいいや、どうせ駄作だし」

俺はペインティングナイフもパレットも無造作に床に落とし、椅子に深々と腰掛け、呟いた。

「俺、短大行くのやめて、T映画専門学校に行こうかな。そこなら俺の学力でもいけるし。カラスの死体も別の形で完成させられるかもしれない」

俺はその細いタバコをゆっくり深く吸い、タバコの煙を味わいながら三雲の言葉を待った。



~終わり~

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― 新着の感想 ―
[一言] うーん、青少年の心理、期限が明確に切られたモラトリアムの居心地の悪さみたいなものが凄く迫ってきました。 あと、主人公が絵を描く子だったので個人的な共感と羨ましさが。 私は絵を習ったことが学校…
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