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エパリッツェ伯爵家

呪われていると蔑ろにされてきたけど、初恋の人は結婚しちゃったけど、なんやかんやで幸せです

作者: Deadline

視点入れ替えがあるため、私の作品の中では少し長めな短編です!

(別作品に出てくる登場人物が出てきますが、元のお話を知らなくてもお楽しみいただけます)

「ウィルソン、君の結婚相手、決めといたから」


 久々に王城に行った日、俺が養子として引き取られた家の長女、ちなみに俺の初恋の人、の夫であり、この国の王太子である人物からそう言われた。


「は?」


 何を言ってるんだ、こいつ。


「相手は、我がホーキン王国の隣国、クシナ王国王女、エリアンナだ」







◆◇◆エリアンナside◆◇◆






 私、皆川絵里は農学部に通う大学生。研究に明け暮れ、寝不足でふらふらしていたら、そのまま線路に転落。私の人生は終わった。


 パッと目を開けると知らない天井が映っていた。

 起きあがろうとしても体はうまく動かない。

 怪我の後遺症だろうか。植物は好きだが、自分が植物状態にはなりたくないなぁ…。


「おあうああおうあ」


 『どうしたもんか』という言葉はうまく発音されなかった。

 

「あら、エリアンナ様、一人でお話ししていたのですか?」


 若いメイド服を着た女性が近くにきたかと思うと、体が浮く。どうやら抱き上げられているらしい。


 って抱き上げられている?私162センチある…って、なんか私足短くない?


「全く、2歳にもならない自分の娘を呪われた目の色をしているとか言って放置するだなんて、そんな人たちがこの国の王族だなんて、許せないわね」


「いあい?(2歳?)」


 だぁもぉう、なんだこの声は!!私か?私なのか?何?異世界転生??


「大丈夫ですよ、エリアンナ様、私が責任を持ってエリアンナ様を育てますから。前世で子供のオムツも孫のオムツもたくさん変えてきましたから」



「えんえ?(前世?)」


 あぁ、舌ったらずめ!!こんな近くに転生仲間ってこと…?


「あら、どうしたの?お腹減っちゃったかな?」


 私一旦全ての思考を放棄し、ミルクにしゃぶりついた。


 うん、成長したら聞こう。難しいことは後回しでいいや。




15年後。




 メイドの名前はルナといい私と同じ前世は地球に住んでいた転生者だった。ルナさんは元専業農家。天寿を全うし90歳で子供、孫、ひ孫に見守られて亡くなったらしい。羨ましい限りだ。


 この15年でいろんなことがわかった。私はエリアンナ、というクシナ王国の第二王女。目の色が赤色で髪が白、いわゆるアルビノなのだ。

 前世の知識があるルナさんにとってはなんてことないことだが、この国にとっては忌むべき対象らしく、冷遇されている、と言うことらしい。

 近くには置きたくないけどいつか政治の道具に使いたいため、私を嫌がらなかったルナさんが専属メイドとなりお世話係となったらしい。


 ちなみにわたしが住んでいる場所は30年ほど前から使われなくなり、手入れもされていない離宮である。

 ほんとに夜はお化け屋敷ができそうで超やだ。


 ルナさんと私は、祖母と孫のような関係だ。時折、二人で王宮の外れ散歩した。


 ツバメとよく似た虫を食べる鳥が低く飛んでいたら、近くにいるメイドに


「この後雨降るから気をつけてね」


 と声をかけることもちょくちょくあった。良心からの忠告だったが、私の見た目とこの世界には天気予測という概念がないことで余計に怖がられた。


前世農家を目指し農学部に進学した私と、専業農家のルナさんがいてやることなんて畑作しかないであろう。二人で畑を耕し自然由来の殺虫剤なども作りそれなりに楽しくやっていた。


 そんなこんなで18歳になった頃、王宮から1通の手紙が届いた。


『隣国のエパリッツェ伯爵家に嫁ぐように』


 とうとう私が政治の道具として利用される日が来たようだ。


 どうやら相手の伯爵は悪政をとり行った前当主を追い出し、若くして当主となった優秀な人物らしい。とはいえ、伯爵家。本来なら、隣国の王女が嫁ぐには適していない。だから私なんだろうなぁ。


「まぁ!彼のお姉さんは向こうの王国の王太子のお妃様なんですって」


「あぁなるほどね」


 私を嫁がせると同時に妃の実家の爵位をあげたいのだろう。


「ということはさ、完全な政略結婚ということですよね!このまま、ルナさんと一緒に畑作しながら仲良く過ごせるってことですよね」


 私が目を輝かせてルナさんにいうと、


「それも楽しそうね。でも、私は、エリちゃんに恋してほしいわぁ。エリちゃんの幸せそうな顔が見たいわぁ」


「私はルナさんといるだけで幸せですけどね」


「まぁまぁ!とりあえずお引越しの準備をしなきゃね」


「はい!」


 私たちは少ない荷物の中に作ってきた殺虫剤や押し花などを詰め込んで、隣国へと引っ越した。




◆◇◆ウィルソンside◆◇◆





「ウィルソン、君の結婚相手、決めといたから」


 久々に王城に行った日、俺が養子として引き取られた家の長女、ちなみに俺の初恋の人、の夫であり、この国の王太子である人物からそう言われた。


「は?」


 何を言ってるんだ、こいつ。


「相手は、我がホーキン王国の隣国、クシナ王国王女、エリアンナだ」


「お言葉を返すようですが、現在領内のことで手一杯でして、婚約者を迎える準備などとてもできません。そもそもそんなことしなくても、もう義姉のことは吹っ切れてますよ」


 完全に吹っ切れているかと言われたら嘘になるが、義姉と義兄が目の前で堂々とイチャイチャし始めても、仲がいいことで、と思えるくらいには吹っ切れた。


「そんなことは気にしてないんだよ、可愛い義弟よ。これはそんな初恋が実らなかった君のために優しい僕が用意した縁談だ」


 義兄は人が良さそうな笑みを浮かべながら言う。何が、君のための縁談、だ。どう考えても国のためだろ。


 相手は呪われた王女と言われた王女と引き換えに我が国に恩を売れる。我が国は隣国からどんな人物であれ王女をもらうことで表面上は友好関係を結んだように見える。

 王女を貰い受けるのに、こいつにとって最も都合がいいのが、自分の義弟である俺ってだけだ。


「わかってはいますが、厳しいものは厳しいです」


 領地経営は軌道に乗ってきているものの、最近害虫による農作物の減少が著しい。農家の収入が不安定なため、安定した職を求めて農業離れも起こってきた。商品作物なども視野に入れなくてはいけないが、エパリッツェ領特有となる品が思いつかない。

 今この状況で婚約者を迎え入れる余裕は俺にはない。


「大丈夫。彼女は君の最近の悩みを解決してくれるさ。そもそも、この話を聞いた時点で賢い君のことだ、拒否権が存在しないことなんてわかっているだろう」


 もうこれは俺が認めない限り堂々巡りだと感じ、拒否することを諦める。


「わかりましたよ。ただ、盛大な歓迎はできないということは事前に伝えておいてくださいね、義兄上」


 投げやりにそう言う。一国の王太子だ。少し失礼かもしれないが、これくらいは許させるだろう。


「もちろんさ、それじゃ、頼んだよ」


 はぁ、相変わらず人使いが荒い人だ。俺は盛大にため息をついた。




◆◇◆エリアンナside◆◇◆




「エリちゃん、ついたよ」


馬車に揺られて気持ちよく寝ていたところを、ルナさんに揺らされて起こされる。


「んんー、後5分…」


「もうエパリッツェ伯爵様が目の前にいるわよ」


 伯爵様が…目の前にいる…?ルナさんが言った言葉をよく理解できないまま、眠たい目をこする。


「よく眠れたようですね」


 知らない人が引き攣った笑みを浮かべながら立っていた。


「わ、、わああああ、し、失礼しました」


 ガンっ。急いで立ちあがろうとして馬車の天井に頭をぶつける。


「い、いったぁ」


「あらまぁ、エリちゃん大丈夫?」


「うん、ルナさん、大丈夫だよ」


 一旦自分を落ち着けるために私は深呼吸をしてから、ぴょんっと馬車を飛び降り、何事もなかったことにするために、綺麗なカーテンシーをする。


「はじめまして、クシナ王国第二王女、エリアンナと申します。末長くよろしくお願いいたします」


「あなたの夫となるエパリッツェ伯しゃ…いや、エパリッツェ侯爵のウィルソンだ。よろしく」


 もう彼の爵位は上がったらしい。おめでとう。え、じゃぁここから出ていっちゃ…


「エリちゃん、侯爵になってるし逃げていいかな?、とか思ってないわよね?だめだからね?」


 私の気持ちを読んだかのようにこそっと後ろからルナさんが釘を刺す。私はしょぼんとしながら返事をする。


「はい…」


 ウィルソンはそんな私たちの様子を少し不思議そうに見つめたあと、


「では、部屋まで案内する」


 と言って歩き始めた。


「お願いします」


 侯爵家の門から続く道は綺麗で、周りの庭園も大きい…けど、


「葉に虫食いが多いですね」


「あぁ、最近、害虫が多くてな。不快だったらすぐに取り除くからいってくれ」


「あら、そんなこと必要ありませんよ。ルナさん、お酢の殺虫剤の残りってありましたっけ?」


「ありますよ、ほら」


 そう言ってバックからルナさんが霧吹きに入れた殺虫剤を取り出し、周りの植物に吹きかける。


「な、何をしているんだ?」


「いずれわかりますよ」


 ルナさんはのんびりとした口調で答える。


「ほらいきましょう」


 効果がないタイミングで説明するのはめんどくさい。私は戸惑っているウィルソンさんを進むように促す。


「ここが今日から君の部屋だ。長旅で疲れただろう。ゆっくり休んでくれ」


「ありがとうございました」


 ウィルソンが見えなくなった瞬間に、フッカフカなソファへダイブ。


 元から情報は仕入れていたとしても、多くの人は私の見た目に驚いた顔をしたり、一歩引いて接したりする。でも、彼は私の見た目にこれっぽっちも驚かないし、普通に接してくれた。


「いい人だったなぁ」


 思いのほかいい人そうな未来の婚約者、ウィルソンとの出会いに少し嬉しい気持ちだったか、寝る前に我ながら行儀のいい令嬢を演じられたのではないか、とルナさんに伝えたところ「礼儀のいい子は馬車から飛び降りないと思うわよ」と言われて、少し悲しくなった。






◆◇◆ウィルソンside◆◇◆




「ぶはっ。なんなんだ、あの王女は」


 俺は彼女と別れ執務室に着く、たまらず吹き出した。ここまで堪えた俺を褒めたいくらいだった。


「普通、ドレスのまま馬車から飛び降りるか?」


 彼女がついた時の光景を思い出し、さらに笑いが込み上げてきた。


「そういえば…」


 エリアンナのメイド、というよりは母親が姉のような人物が植物にに吹きかけたものが気になり、庭園へ向かう。吹きかけられたあたりにいる虫は他のところよりも少なかった。







◆◇◆エリアンナside◆◇◆






 侯爵家にきた翌朝、ウィルソンから食事に誘われた。


「エリアンナ、庭園を見てきて君たちが何かを吹きかけ他ところにいる虫が昨日より少なかったんだが、庭園の植物に吹きかけたあれは、なんだ?」


「あぁ、あれは、エリアンナとルナさん特製の防虫剤です。殺虫剤はできないのであくまで防虫ですけど」


 売り物ならまだしも、自分たちの観賞用や食用に殺虫剤を使うのは健康面でも、他の生物を思いやると言う面でも気が引ける、と言うのが私とルナさんの意見だ。


「その作り方、教えてくれないか?」


 ウィルソンが身を乗り出して私に聞く。


「いいですけど、その代わり…」




翌日。


「本当にこんなことで良かったのか?」


 私は防虫剤、話を聞く限り農業に使うと言うことなので、ついでの殺虫剤について教える代わりとして、現在の第一次産業の状況と領地の農業地帯に連れてきてもらっていた。


「こんなことって、私たちの生活を支えてくれている一大産業です。バカにしちゃぁいけませんよ」


「いや、バカにしてるわけではないんだがな、年頃の令嬢は『宝石を』というのかと思っていたから…」


「そんなお腹の足しにならないようなものをねだるだなんて変な人たちですね。ってあ!!あれは、稲作!!」


 わたしは一目散に田んぼと思しきところへ向かう。


「お、おい、急に走るな」


「ん?乾田…?」


 私が田んぼをよく観察していると、


「どうしたの?エリちゃん」


「まだ乾田やってるっぽい。これじゃ、生産効率も悪いわけですよ」


「あら、本当ね」


「ん?どういうことだ?」


 私は必死に湿田の有用性について説いた。その後も、鳥から果物を守る方法、畑のいい耕し方など、さまざまなことを農家の方々に教えた。私が実演しながら。


「いやぁ、ここの領地の方も、ウィルソンさんもいい方々ですね。こんな小娘の言ったことを検討してくれるだなんて」


 私はしみじみと呟いた。


「あ、ありがとう」


 ウィルソンさんが小さく、そう呟いた気がした。


 その翌日はウィルソンさんから商品作物についての相談を受けた。すぐに商品作物を決めるのが難しいなら、とこの世界ではまだ流通してなさそうな押し花について伝えてみると、目を輝かせて取り入れ始めた。ついでに花言葉なんか教えちゃえば完璧。


 それ以来、ウィルソンさんは私に農業などについての相談をしてくるようになった。私は私で前世やってこなかったことに挑戦したいと思い、彼に領地経営の方法などについて教わるようになった。


二人で領地に行ったり、畑を耕したり、いろんなことをした。いつの間にか、私とウィルとの距離は縮まっていた。





半年後。


「エリアンナ、明日は王太子の誕生日パーティーだ、絶対に朝から畑に出かけるなよ」


「ならウィルが私より早く起きればいいじゃない!いつもウィルががっちりホールドして寝るから、起こさずに出ていくの大変なんだからね?」


「それはごめん…って、若干話逸らしたろ?」


「はいはい、痴話喧嘩はそこらへんにしなさいな。二人ともそろそろ寝なくては明日に障りますよ」


 私たちがちょっとしたことでバカみたいな言い合いをしてルナさんに止められる。そして、三人で顔を見合わせて笑う。これが最近のお決まりだ。


「「はーい」」


 そうして、私はウィルと共に義兄の誕生日パーティーへと向かった。


 ウィルソンは今、国内最大級の領地を治めるだけでなく、王太子の義弟、しかも、呪われた王女とはいえ隣国の王女を娶った人物。彼に取り入りたい人はたくさんいて、彼の元にたくさんの人が押し寄せた。


 そんな波がひと段落すると、ウィルソンは何かそわそわしている様子だった。


「私は大丈夫だから、行っておいでよ。会いたい人がいるんでしょ?」


「なんでそれを?」


「んー、なんとなく。ほら、いってらっしゃい」


「あ、あぁ、すぐ戻る」


 一瞬彼が人混みに消えたかと思うも戻ってきて


「美味しいものをくれそうな人でも、俺の知り合いとか言われても絶対について言っちゃだめだからな」


 そう釘を刺して今度こそ人混みの中に消えた。


「まったく、人のことなんだと思ってるのやら」



◆◇◆ウィルソンside◆◇◆



 エリアンナは大丈夫だと言ったが、できるだけ彼女の元を離れたくはなかった。が、なんとなく今はまだ彼女とこの目の前の胡散臭い人物を会わせたくなかった。


「いいんですか?主役がこんなところにいて」


 フィアナがパーティーから一時的に席を外すと、必ずバルコニーに隠れる王太子に僕は話しかけた。


「いいんだよ。それより、君は僕にいうべきことがある」


「?」


「君とエリアンナの恋のキューピットは僕さ、ついでに君の悩みを解決したのも僕さ」


 エリアンナの知識や発想のおかげで俺の悩みの種だった第一次産業の低迷も解決しただけでなく、農家の人に簡単な商品作物や農業の傍で作れるものを紹介したことで彼らの生活も安定した。


「それに関しては、本当にありがとうございました」


「ね、君が恋したのは君を振り回す元気で活発な子だ。前僕が言った言葉は正しかったでしょ」


 伯爵家の乗っ取りが成功した後の王太子の言葉を思い出し苦笑いをする。

 彼は俺のそんな表情を満足げに見たかと思うと、わざとらしくパーティー会場を覗く。


「そろそろ戻ってあげたほうがいいんじゃない?君のフィアンセが大量の男に囲まれているぞ」


 は?早すぎるだろ。やっぱりここに連れてくればよかった。俺は後悔を覚えながらエリアンナの元に向かう。


「失礼します」


 俺は義兄に挨拶をし、焦ってバルコニーを出る。どんっ、と、誰かにぶつかったかと思えば、自分の婚約者を迎えに行く義姉だった。


「そんなに焦ってどうしたの?って、エリアンナちゃんね。引き止めてごめんね」


 チラッと会場の方を見たかと思うと、義姉はニコッと笑った。


「あぁ」


 俺は義姉に一言返すと、そのままエリアンナの元へ向かった。


 いつからだろうか、頭の中をエリアンナが占めるようになったのは…。彼女の聡明さ、奇想天外さ、いつからか、全てが愛おしくなった。

 きっかけはなんだろうか。エリアンナが来てすぐの、寝たまま侯爵家についた彼女の迂闊さだろうか。二人で初めて侯爵領に行き彼女の生き生きとした姿を見たことだろうか。


 エリアンナの元に着くとその勢いのまま彼女を抱きしめる。


「遅いよ、ウィル」


そう言って頬を膨らませるエリアンナ。やっぱりいつ好きになったかなんか、どうでもいいな。毎日毎日、前の日よりもずっとエリーのことが好きになってるから、そんなの考えてたらキリがない。


「お待たせ、エリー」






 




◆◇◆エリアンナside◆◇◆



 ウィルが誰かに会いに行ってから、ほんの1・2分後。私は今大量の人に囲まれている。私を通してでもいいからウィルソンと繋がりたい人が大量にいるのかと、流石に、貴族のがめつさに引いた。


 ダンスに誘われたり、ご飯を渡されそうになったりしたが、どれか一つでも受ければ他の人も「俺も俺も」となるのが目に見えているため、全てを断る。


 大丈夫だから、とか言ったけどもう無理かも…。全力疾走で逃げていいかな?と思っていると、後ろから誰かに抱きしめられた。

 私はこの温もりを知っていた。


「遅いよ、ウィル」


 少し拗ねたように頬を膨らませて言う。


「ただいま、エリー」


 ふと、ウィルの顔を見るとウィルの幸せそうな笑みが浮かべられていた。私はその顔を見て、特大の笑顔を浮かべた。

この作品と出会い、ここまで読んでいただきありがとうございました!皆様のおかげで日間異世界転移/転生(wファンタジー)で27位を獲得しました。


作品中の


「ね、前僕が言った言葉は正しかったでしょ」

 伯爵家の乗っ取りが成功した後の王太子の言葉を思い出し苦笑いをする。


この部分の内容が気になる方は『養子の俺が伯爵家の当主を追い出すまで』を読んでみてください!!

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