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クソ野郎。


 昨日はジェラルド様にお会いして色々リリカル公爵についてお聞きした。

思った以上にクズだった…。


ジェラルド様は小さい頃からリリカル公爵に虐待めいた教育をされてきたらしい。当主教育は厳しく、失敗すると体罰もあり、今もその時の鞭の痕が残っているとの事。


育児放棄も体罰も立派な虐待だよ…。クズ共め…。


まともな家庭教師が付いた事もあって、大きくなるにつれ自分の環境がおかしいと感じるようになり、公爵の異常な金回りや怪し気な業者の出入りを見て調べ始めた所をばっさりやられたそうだ…。

「あの時はもう死ぬかと思う位打ち据えられて大変だったよ。ははは!

まぁ、使用人に助けられて生き永らえたけどね。

おかげで信用出来る使用人もいるって分かって、怪我の功名ってやつだね!ははは!」


えぇ~…、笑えない…。笑えないよ、ジェラルド様…。聞いてるだけでも震えるよ…。


ジェラルド様とはまた会う約束して別れた。

いや〜…、闇が深くて怖かったよ…。


サンガリア公爵家に戻ってジルにその話をすると、後日ロバート様から信用出来る人物ならば連れておいでって言ってもらえた。

今度会ったら誘ってみよう。



 今日は誰が来るのかなぁ…と、待っていると、今日も今日とて、生物学的父が来た。ここに来てから毎日顔を合わせてるんですけど…。

よくよく見てみると、疲れた顔をしている?前の威張り散らしたクソ野郎が、くたびれたクソ野郎になった…かも…?

「お前、いい加減にしろよ。お前のせいで公爵様にもマリアにも毎日せっつかれ、嫌味を言われ散々だ…。頼む。俺の顔を立てると思って依頼を受けてくれ。」

おや…?様子が変わった。人に物を頼む時は頼む態度があるじゃない。最初からそんな感じだったら…、いやいや…、無理だわ。絶対断るね。

「嫌ですよ。よく僕にそんな事言えましたね。

なんで貴方のために僕が犯罪に手を染めなきゃいけないんですか?貴方の顔を立てる?冗談は笑えないと冗談じゃないんですよ?もっと笑える冗談を言って下さい。」

本当馬鹿馬鹿しい。


生物学的父は肩を落として帰って行き、暫くすると今日も今日とてリリカル公爵を連れてきた。

「貴様にはほとほと呆れ果てたぞ。貴様の父親がこんなに困っているのによくもそんな態度でいれるもんだ。」


僕は今日もソファにゴロリして、お腹にシロガネ、おでこにヤモ君が乗っている。2人とももう興味も示さない。

「貴様の態度次第ではお前の父親が痛い目を見るかもしれないぞ。」


……知らないよ…。

痛い目見て何か学べばいいんじゃないかなぁ…?


「今日も依頼人を連れてきた。今日は受けろよ!」


「お連れしました。」

見るとネイトだ。この依頼人には何かあるのかな?

ネイトの後ろには顔色の悪い疲れ切った男性が立っていた。

「お前の話を聞いて来たようだ。」

男性が一歩前に出て話し出す。

「賢者様とお聞きしました。私はドクラガン国のチャコル伯爵家当主、デイリックと申します。」

ここに来て初めて依頼人からきちんとした挨拶を受けた。

シロガネとヤモ君も興味を持ったのか顔をあちらに向ける。

「どうか…どうかお助け下さい。我が領地にいきなり瘴気が湧き領民が巻き込まれております。命を落とす者、命からがら逃げたものの住む土地も何もかも奪われ途方に暮れている者。伯爵家で騎士団を出すも瘴気に手も足も出ず、ただただ土地が…、領民が呑まれていくのを指を咥えて見ているだけなのです。このままだと、先祖代々守って来た我が領地が駄目になってしまいます。

どうか、どうかお助け下さい。」

おぉぅ…、これは真面目な依頼だ。

「貴方は何を報酬に差し出すの?」

チャコル伯爵は顔を歪めて、

「私の全てを。」

後ろでリリカル公爵が笑い出す。

「あははは!!それは良い!全て差し出すのであればそなたの奥方も私に差し出して貰おう。

あれはそなたには勿体ない程のそそられる美人だからな!!」

チャコル伯爵の顔が歪む。

「チャコル伯爵、こちらへいらして下さい。」

僕はゴロリから立ち上がり、伯爵を迎える。

伯爵が恐る恐る牢の中に入る。

入れたんだ。ならばいいや。

僕はニコリと笑って、

「ようこそ、チャコル伯爵。こちらで詳しくお話を聞かせて下さい。」

マジックポーチからソファをもう1つ出して、そこへ伯爵に座ってもらう。

シロガネはお利口さんに座っている。ヤモ君はシロガネの頭の上。

伯爵がソファへそろそろと座ると、僕はお茶とお菓子を出す。

それを見ていた公爵が、

「やった!ついに小僧が依頼を受けたぞ!

これであいつの奥方はわしの物だ!ついでにお前の娘も差し出せ!!わしが可愛がってやる!」


僕はカッとして、つい魔法を放った。

風魔法が地下牢を切り裂き、公爵と生物学的父の真上の石壁を切り裂く。

「煩い。次は当てるぞ。身体と首が離れてもいいなら口を開け。」


公爵と生物学的父はヘナヘナと腰を抜かし、それぞれの従者に抱えられて戻っていく。


「失礼しました。いきなり暴力的な所をお見せしてしまいました。」



 反省反省。

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