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大きくなりたい

 

 あれから更に、3日経った。体の調子も良くなったし、そろそろベッドから出てもいいんじゃないかなぁ…。

「アル様。調子はいかがしょうか?」

「もう熱もないし、大丈夫だよ。

もうベッドから出てもいいんじゃないかなぁ?」

体が鈍っちゃうよ。色々やりたい事もあるしね。

ジルに屋敷の中と、バトじいの所にだけなら…って許してもらえた。  


「バトじい〜!おはよう〜!

ゴメンね。仕事お休みしちゃって。

あと!ありがとう!!」

僕は1番にジルと一緒にバトじいの所へ行った。

僕はいつものように声をかけた。

バトじいが気にしていると思ったから…。

「アル坊。もう大丈夫なんですか?

もっと休んで良いのですよ。」

「もう大丈夫だよ!寝すぎて、体が固まっちゃった!」

「アル坊…。あの時はすみませんでした…。

少し考えれば分かるのに。あんな事を、アル坊に見せて…。

ショックだったでしょう……。」

ジルも黙って僕の後ろに立っていた。

「ううん。違うよ。僕が弱かっただけ。

僕はこれからここを出て、必要なら、戦ったりもしなきゃいけないんだ。

2人はそれを踏まえて、あれを見せてくれたんだよね。ゴメンね。ありがとう。

僕は強くなるよ。

戦う事もだし、魔獣の知識もつけなきゃね。

毛皮とか、魔石とかギルドに持っていくと買ってくれるんでしょう?

なら…か…か…解体とか、解体とか、お…覚えるよ……。」

自分で言っておいてあれだけど、解体出来る自信は全くない…。

でも避けては通れない道だ…。覚えなければ…。

 

 なので、今回の事を、教えてもらった。

2人は渋ってたけど、経験に勝る教えはないからね!

 ブラックウルフは、主に群れで行動するんだって。あれは、たまたまのはぐれではないかって。

皮は防寒になるので売れるから、出来るだけ、傷を付けないように狩ると高く売れるらしい。

魔石は心臓の位置にあるから、魔石を売りたり時は、心臓への攻撃を避けること。く…首を落とすとかね…。

また戦った後は血の匂いで、他の魔獣や獣が集まるから手早く処理して立ち去る事。 

捨てていく時は、燃やすか、地面に埋めるとかしないと他の人に迷惑をかけることになるらしい…。

気をつけよう…。

あの時、バトじいが残ったのはそれがあったからなんだって!

ふぅ…。後でまとめておこう。


 侯爵邸は広く、後ろには広大な森が広がっている。

その森には、魔獣がいて、僕のいる別邸は本邸より森に近いところにある。

その為、魔獣除けの薬草が植えられてたんだけど、今回その薬草が枯れてたんだって…。

バトじいが謝ってくれたんだけど、バトじいのせいじゃないよね…。

僕、もしかしてって、薄々気づいてたんだけど…、

あの時、父は〝早く死ねば良かったのに!”って言ったんだよね。

後、僕が泊まった宿が火事になるなんて、偶然にしては出来過ぎてるように思うし、何も持ってない僕に急に絡んできて僕を刺した男とか…、別邸の位置とか、薬草が枯れるとか…、偶然かもしれない…。 かもしれないけど、もしかしたら、あの人は僕を殺そうとしてるんじゃないかなぁ…って思うんだ。

だから僕は、僕を守る力を早く身につけなきゃいけないんだ!

また、死なないために…。


 僕達は今森に来ていた。

2人とも反対したけど、カーを出しっぱなしなんだよねぇ。

あの日、何もなかったら夕方取りに来るつもりだったんだけと、僕が寝込んじゃったから、1週間も放置しちゃった…。

病みあがりだからと、ジルに抱っこされて森の中を歩く。

ジルは力持ちだねぇ。

でも、

「重くない?いざって時、腕がしびれて戦えないんじゃない?」

「実は私、身体強化の魔法が使えるのです。

なので、重くありませんよ。

あと、バトがいるので、私は魔法で結界を張ればいいので、大丈夫です。」

はぁ〜…。あの時光ったのは結界だったんだ。

あと、身体強化かぁ~。いいなぁ。

僕も、いずれ覚えたい!

と、そんな事を話している内に、カーにたどり着いた。

カーは無事だった。良かったぁ。

あの時と違って、空気が軽い?木で日差しが遮られてるから、薄暗いのは変わらないんだけど、空気が全然違うんだ!

これが浄化したって事?


中に入って、黒い板を見てみると…!

すっごい貯まってた!!

たった1週間でこんなに貯まるなんて、この森やばいんじゃない?

ジルとバトじいと相談して、装備は〝隠蔽”と〝結界”の2つをポチッと購入したよ。

隠蔽も結界も僕が登録した人以外は認識出来ないし、入れない。

結界はカーの半径3mは魔獣も獣も人も入れないだって!優秀!!

2人にこれがあれば、何かあった時に逃げ込めるから必ず、装備するように言われたよ。

登録は僕と、ジルと、バトじい、ルイの4人のみ。

 

 2つ購入したけど、まだ貯蓄額はある。

くふ…。今度何を購入しよう…。

あと、内包魔力がすごい貯まってる。

エネルギー源っていうけど何が出来るのかなぁ。

文字を触ると、説明が出てきた。

移動やカーの中の灯り、暖房など、カーの中で快適に暮らす為の、力の源なんだって。

便利ぃ〜。

移動って、どうやって?

試しに文字に触ると、これまた説明が。

運転席に移動しろって…。どこの事?

黒い板が光って教えてくれる。

あそこの席ね…。

僕は運転席へ。

ジルとバトじいもついてきた。

ふむふむ…。この丸いをポチッと押すと…。

いきなり、カーが振動した!

2人が僕を守るように立つが何も起こらない。

黒い板には席に座って、前の丸い輪っか(ハンドルっていうんだって)で操作が出来るらしい。

足の先の2つの板を踏んで動くらしい。右側(アクセルだって)が進んで、左側(ブレーキだって)で止まるんだって。

さてさて…。

まぁ、分かってたよね…。足が届かないのも、座ると前が見えないもの…。

くそぅ……!!

と言うことで、ジルに頼んで動かしてもらう事になった。

ジルが恐る恐るアクセルを踏むと、カーがスーッと進んだ!!

何これ!!

木にぶつかる!!かと思ったが、木がよけるようにぐんにゃりと曲がる。

通り過ぎると、木はまたまっすぐになる。

本当に避けてくれてるみたい!!

楽しい!!

ジルはだんだん慣れてきたのか、ハンドルを巧みに操っている。

バトじいが羨ましそうに見てる…。

後で、バトじいにも運転させてあげよう。


足で1時間かかった道のりが、カーだと10分位で屋敷に帰ってこれた。

カーって凄いんだなぁ!!


 僕も早く大きくなって、動かしてみたいなぁ…!

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