逆にわくわくしてきた。
ジルとギルと一緒にロバート様に呼び出された。
なんだろう…。
「アル君、よく来てくれた。今日は次の瘴気の森について事前に話しておきたくてね。
まず、次の森はクリーニの森と呼ばれている。そこの管理者はリリカル公爵家。君の母君の生家だよ。今は君の母の兄が当主を務めている。」
ギルがピクリと反応し、体を強張らせる。
大丈夫だよ〜、僕はもう気にしてないよ〜、の気持ちを込めてギルの手をポンポンと軽く叩き宥める。
ジルの視線を感じたので、大丈夫だよ〜の気持ちを込めてニコッと笑っておく。
2人の雰囲気が和らいだのを見てロバート様が話を続ける。
「私は君の事情を軽くだが知っている。正直君のご両親には腹が立って仕方がないよ。
いや…、すまないね。身内を悪く言われるのは嫌だろうね。」
ロバート様はギルに顔を向け済まなそうな顔して話を続ける。
「今回あの家に行くともなればアル君はきっと嫌な思いをするだろう。きっと君は都合の良い駒のように扱われるかも知れない。」
ロバート様は僕を心から心配して下さっているようだ。僕は大丈夫なんだけどなぁ…。
「ロバート様、僕は大丈夫ですよ。自分でも不思議な位あの人達には何も感じないんです。
きっとあの人達から話を聞いた次の森の管理者は同じく僕を軽んじてくるでしょうけど僕がそれに甘んじる理由なんてないんです。嫌なら浄化などやらずに帰ってきますよ。」
あっけらかんと言う僕にロバート様はポカンとする。
「いや…、思ったよりアル君がしっかりしててびっくりしたよ…。」
「えへ…、だって僕を育ててくれたのはジルですから…。えへ…。」
ロバート様が言うにはあの家は昔から傲慢であくどい事を平気でやってのけるそうだ。僕が言う事を聞かないとなるともしかするとギルやジル達にも手が回るかも知れないそうだ。
何それ…!それなら話は別だ。ジルやギルに手を出すなら僕は絶対に許さないぞ!!
僕が覚悟を決める傍ら、ギルからロバート様へ、
「それであればロバート様にご助力願いたいのですがよろしいでしょうか?
僕やジルを狙えば兄上は見捨てる事が出来ずに都合よく使われてしまうかも知れません。
僕と別邸の使用人であるルイとバトをこちらで一時的に保護していただけませんか?使用人の家族などの弱みを握られた者が何かしらしでかさないとは限りませんので。
僕の屋敷の使用人の掌握は終わり、次の準備は出来ております。
今回の事が終わったら現当主には引退頂きましょう。」
ギルが笑う。
あれ?いつもの可愛い笑顔じゃないぞ?!
あれ?見間違えかなぁ…?…うん…、見間違えだね。だってこんなに可愛いギルが悪い顔をする訳ないもんね。
「では私はアル様に付いて行きましょう。アル様に何かしらの不都合が起きないように私がしっかり目を光らせておきましょう。
あまり目に余るような時はこちらにも世代交代が必要となるでしょう。」
「なるほど…。何かつかんでいるのかな?」
「えぇ。このような事が無きにしもあらず…。
数年前からリリカル公爵家へと働きに上がらせている者がございます。その者は大変優秀でして、まだ若いですが既に執事として取り上げられ働いております。その者に不正の事実や犯罪の証拠を揃えさせております。」
こちらもニヤリと笑う。
ふわぁ…、カッコいい笑い方だ。
「流石ジル殿だ。先代様の懐刀の切れ味は衰えていないようですな。」
ロバート様もニヤリ。
…こちらも中々カッコいい笑い方だ。
僕もあんな風にカッコよくダンディに笑えるようになるかなぁ…。片方の口角だけをあげてニヤリ。
どうも違うんだよなぁ…?
僕が1人でニヤリを練習している内に色々話しが決まったようだ。
暫くはギルとルイ、バトじいはサンガリア公爵家でお世話になる事に。
ジルは僕と共に行動。ロバート様も出来るだけ僕と共に動いてくれるそうだ。
何を仕出かすかわからない為今回は次期当主達や聖獣達はお留守番。
見えないから精霊さんは一緒に来てもらう事になった。
逆に何が起こるのか楽しみになってきた…。




