寝てただと…?
僕は急いで聖なる山へ転移した。
森にはライデンが居た。僕の顔を見たライデンがびっくりして、
「おぉぅ?!アル?!どうした!」
僕は先程の事を話し、ヤモ君とラス君を温泉に連れて行く。
大丈夫だろうか…。苦しくないだろうか…。
震える両手に2人を乗せて静かに温泉へと浸ける。
後ろからそれを見ていたライデンが、
「あまり心配するな。そいつらはそんなに弱くないぞ。」
ライデンはあっけらかんと言う。
「大体そいつらの顔を見てみろ。苦しそうにしているか?むしろ気持ち良さそうに寝てるじゃないか。そもそも、聖獣の仔達はアルがあげているお菓子をよく強請ってだだろ?あれには陽の気がふんだんに含まれていてあれをしょっちゅう食べていたあの仔達は簡単には瘴気にはやられない位強くなったんだぞ。今だってアルの魔力に包まれて気持ち良く寝てるじゃないか。心配するな。俺が見た感じ問題は無さそうだぞ。」
ライデンに言われてホッとするが、目が覚めるまでは安心出来ないよ…。
しばらく2人の側にいるとラス君が目を覚ました。
「ふぁぁぁ〜…、よく寝たぁ〜…。アル?終わったのか?」
「??終わったよ。ごめんね。怖かったよね。体調大丈夫?」
「??大丈夫だぞ?アル?泣いたのか?目が赤いぞ?誰に泣かされたんだ?!俺が仕返ししてやる!あの女か?」
あれ?大丈夫そうだぞ?
「あははは!だから言っただろう!心配するなって!!アルはお前達が心配で泣いてたんだよ!」
「えぇ?!本当?あんなのへっちゃらだよ!
ヤモリの仔と空中散歩楽しんだ後周りの魔獣が水没していくの見て楽しんでたんだけどアルの魔力が気持ち良くて寝ちゃったんだ。」
はぁぁぁぁ〜…、良かったぁ〜…。
でもヤモ君が起きるまでは安心出来ないぞ…。
ラス君がヤモ君をペチペチ叩いて起こす。
「あ…、そんな…、ね、寝かしてあげてよ…。」
「何言ってんだよ!こいつはそんなにやわじゃないぞ!あの森であんなに堂々と寝れるんだからな!」
「う〜ん…、終わったの?アル?」
ヤモ君が目を覚まして僕を見つけると、いつもの様にスルスルと僕の肩に登ってきて僕の頬をペチペチ叩いて、
「どうしたの?目が赤いよ?痛い痛いしたの?」
僕を気遣ってくれる。
それだけで僕の目からはまたポロポロ涙が落ちてきて、
「痛い所はないよ。ヤモリ君は大丈夫?痛い所はないかい?」
「うん。アルの魔力が気持ち良くて寝ちゃった!
でも楽しかったぁ〜!
あっ!ライデン聞いて!!楽しかったんだよ!アルがぽーんってお空を飛んで僕達がふわぁ〜ってお散歩したの。魔獣がいっぱい居たのにそれをアルがスパーンってやっつけちゃうの!僕も早くあんなふうにスパーンって出来るようになりたい!!」
…うん…。本当に大丈夫なようだ。ライデンの見立ては正しかった…。
僕はホッとしてしばらく呆然としてしまった…。
良かったなぁってしみじみ思えるようになってきた頃、ギル達の事を思い出した!
しまった!僕置いてきぼりにしてきちゃった!!
急いでカーへ転移するとそこは優雅なお茶会が開かれていた。
「アル様、お帰りなさいませ。」
ジルが優雅に迎えてくれる。
「兄上、お帰りなさい。兄上もこちらへ来てお茶でも飲んでください。ジルの淹れるお茶は美味しいですね。」
そうでしょうそうでしょう。ジルは何でも完璧だからね!…ってそうじゃない!
皆普通に迎えてくれるけど、僕中々酷い事をやっちゃったのに…。皆のとこも置き去りにしちゃったし…。
多分ギルとジルが僕のフォローをして、皆さんをもてなしてくれたんだろうなぁ…。
また目が潤んでくるけど、もう心配はかけないぞ。
「うん。大丈夫だったよ。2人とも元気だったよ。皆さんもご心配お掛けして申し訳ございませんでした。」
元気どころか気持ち良く寝ちゃってたっていうね…。いやぁ…、良かった良かった。




