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失敗。


 あれから数ヶ月。

着々と聖獣さん達が戻って来ているようだ。たまに僕の家に転移してきてホーエンの森の聖獣さん達とも交流したり、仔達と再会したり。

もう…、僕…、涙なしでは語れません…。



 でもね…、その中でヤモリの仔の親だけ帰ってこない。

最近はヤモリの仔は僕とずっと一緒にいる。冒険者ギルドに行く時もコザ君達に会いに行く時も小遣い稼ぎに魔獣討伐に行く時もおフロも寝る時も…。


片時も離れない。


「ねぇ…、僕と一緒に来る?」

この一言が言えなくて…。言いたいけど言っちゃいけない気もする。これを言うって事は両親を諦めるって事だもの…。


遅くなってもいいからこの仔を迎えに来てくれますように…。



 気分転換も兼ねて、お金も貯まったのでアガールの森に別荘を建てちゃおう!


皆を誘ってお出掛けだ!!

行こうぜ!ヤモリ君!


ロバート様は責任者として来て頂いて、ギルとウィル君とアレク君も一緒。後は精霊さん達と聖獣の仔達も。僕のお世話係でジルも一緒。


さぁ、アテンザ公爵家へゴー!!



 アテンザ公爵家へ転移すると当主のスティーブ様と家令さん、縮こまったマリア嬢、きっと騎士団長さんが出迎えてくれた。多分この人が騎士団長さんなのかな…?って位きちんとした人だ。

その後ろにもう1人、マリア嬢より少し小さい、けどスティーブ様の髪の色を持った、多分妹さん?が立っている。

目が合ったのでニコッと笑っておく。その子も微笑んでくれた後、聖獣の仔達を見て本物の笑顔を仔達に向けた。


あ…!この子良い子だ。


聖獣の仔達を見て笑顔にならない人なんて人じゃないからね。人の仮面を被った何か別の生き物なんじゃないかなぁ…。

ねぇ、マリア嬢…?


そんなに睨んで…。ここに居る皆が貴方に気付いてますよ…。


スティーブ様の再教育は失敗したかな?



 ロバート様がスティーブ様にご挨拶した後、スティーブ様が妹さんを紹介して下さった。

「マリアの妹のソフィアと申します。。今回この子も別荘建設に連れて行く事に致しましたのでよろしくお願いします。」


 まず、皆でカーへ転移する。

初めてカーを見るマリア嬢、ソフィア嬢はびっくりしている。

カーの中は拡張してあるので大人数でも問題なし。

仔達は早速遊ぼうと駆け回ると仔達と遊びたいアレク君とソフィア嬢がうずうずしている。


分かるよ、その気持ち!あの遊んでっていう目で見られたら何を置いても遊んであげたくなっちゃう!


でも、次期当主のアレク君はひとまずロバート様のやり方を勉強しておいで…。ソフィア嬢も一緒に行っておいで…。


僕は関係ないから遊ぶけどね!!


スティーブ様の決めた別荘建設予定地へカーを走らせる。その間やはりスティーブ様と家令さん、騎士団長さんは植生、魔獣分布図をせっせと紙に控えている。

ソフィア嬢はスティーブ様の側についてじっと見ている。

マリア嬢は少し離れた所で窓から外を見ている。



スティーブ様が建設予定地に選んだ所は森が少し開けた日のよく当たる素敵な所(になる予定の所)だ。


そこをいつもの様に整地、別荘のコテージをポチッ。ドンッと目の前に別荘が現れたら結界を張る。

後は、ささっ…、家令さんのお仕事ですよ…?

手に黒い板を押し付ける。

えぇ…?!とした顔を見せるも流石公爵家家令。すぐに顔を作り直し僕に頭を下げる。


その後はテキパキと内装を決め、必要な物をポチッていく。


僕は内心ひやひや…。お金足りるかなぁ…。


あの家令さん、結構遠慮なくポチッてるぞ…。



 今からは皆で遊べるぞ!!仔達には危ないから結界の外には決して出てはいけない事を話聞かせる。皆初めて見る森で興味津々でふんふんしてる。

アレク君が結界から外れそうになる仔を抱き上げて戻し、ソフィア嬢が仔達ともふもふ戯れている。ギルとウィル君は仔達にグロテスクな物を見せないよう気を使ったのか今日は控えめに殺っている。


ヤモリ君が僕の肩に登りお菓子をねだる。甘え上手な可愛い仔です。


ヤモリ君がふと左側を向き、何かをじっと見ている。

「??どうしたの?」

直後バキバキと木が折れる音がする。

皆が瞬時に警戒態勢になる。


喧嘩だ。大型魔獣同士の争いで周りの木々が倒され、巻き込まれないように小型の魔獣が逃げてきている。

カーの周りや別荘の周りには結界が施されているから僕達は結界から出ない限り安全だ。


聖獣の仔達を中心に集めてギル達に周りを固めてもらう。


僕は争いの原因と見られる2体の魔獣を見に行く為に仔達から離れて結界の境界付近まで歩く。



ドン!!!


僕の体がいきなり突き飛ばされ結界を超えてしまった!

後ろを振り向くと歪んだ笑顔のマリア嬢が僕を見て

「死ね…。」



 やっぱりスティーブ様の再教育は完全に失敗したようだ。





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