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僕にスローガンが出来ました。


 ひとしきり聖獣さん達と戯れてから前回フィラムの花を植えた所を見に行った。小さい瘴気だったからかフィラムの花に吸収されたのか瘴気はなくなっていた。

ふむふむ…、小さい瘴気には充分効果があるようだな。


 山の中心に戻り、カーを出す。

「アル兄ちゃん、これなぁに?」

仔達が興味津々でカーに群がるり、ふんふんしている。

無邪気で可愛いなぁ…。

「これは僕のスキルだよ。キャンピングカーっていうんだ。中に入ってみる?」

「いいの?」

ライデンをちらっと見ると頷いてくれたので皆にカーの中を案内する事にした。ライデンは大きすぎて入れない。ごめんね。


「ふわぁ…!!何これ?!」

皆カーのあちこちをふんふんしながら見て回っている。

癒されるぅ…。

こんなにも可愛い仔達をみたら攫われちゃうんじゃない?しっかり結界を張らないと!!



 黒い板を持ってカーの外へ。


瘴気の濃い所に設置してたからカーのLvはぐんぐん上がり、現在Lv54。Lvが上がるたびに出来る事が増えていき楽しい。Lv50になった時、カーや別荘がなくても対象物に結界を付与する事でその対象物を中心に結界を張れる機能が追加された。

今日はこれで聖なる山に結界を張ろうと思う。

どれを対象にしようかなぁ。辺りを見渡すと物凄く大きな木があった。

「ライデン、この木は?」

「それは世界樹だ。世界を調整する為に生まれたと言われている。我が生まれるずっと昔からこの地を守って下さっている。

本来ならば世界のあちこちに世界樹があり、この世界を見守って下さっていたのだが、世界樹を知らない人間達が切り倒したり、瘴気により枯れたりしてしまい今はどれだけ残されているか分からん。」


世界樹が少なくなった事も瘴気が増えてきた原因かもしれないな…。


「世界樹さん。貴方を中心にこの山を守る結界を張ってもよろしいですか?仔達が怯えることなくのびのびと暮らせる様に手助けをお願いします。」

世界樹の元に膝をつき乞い願う。すると、頭の中に声が響く。

「良いでしょう、今代の賢者よ。

世界樹の数が少なくなり、世界の調和が保たれなくなってきました。あちこちで瘴気が湧き、生き物の住める土地が少なくなり、住処を追われる者、住処を得る為に戦う者、その犠牲となり心に闇を抱える者、その全てが世界にとって陰りとなり瘴気へと転じている。私達がその陰りを陽へと転じる事で世界の調和が保たれていたのです。今はもう私を含めて数本しか世界樹は残っておりません。

私を助け、この世界を守る為に行動すると言うのならば私を対象物とする事を許しましょう。」

「ありがとうございます。若輩者の私にどこまで出来るかは分かりませんがお手伝い致しましょう。」


すると、ヒュン!ストン!

頭上から枝が落ちてきて地面へと刺さる。


ひ…、ひゃぁぁ…、び…びっくりしたぁ…。

い…、いきなりは困ります!前もって言って頂かないと!!プンプンしながら世界樹を見上げるとクスクス笑いながら、

「ごめんなさいね。久しぶりに会った人間がかしこまって話すもんだからリラックスさせようと思ったのよ。」

もう!イタズラ好きか?!

「怒らないで?ごめんなさいね。

私の一部を分け与えます。これを何処かに植えてちょうだい。再び世界に調和をもたらす為に世界樹を植えて欲しいの。

勿論、そのままだとまた人間に倒されたり、瘴気によって育つ事は出来ないでしょうからそこを上手くやって欲しいの。」


おぉぅ…、これまた厄介な…。

まぁ、どうせ世界を見て回るし、ついでに植えていけばいいよね!了解〜!


「私に出来る事ならば。」

「ふふふ…、今代の賢者の心の中はとても楽しい子みたいね。」

??、心が読まれてる…?

「えぇ、私達は言葉を必要としない分感情や心で考えている事が読み取れてしまうの。ごめんなさいね。でも今代の賢者はとても素直ないい子ね。」


褒められた。えへ。僕を育ててくれた人達が良い人達だからですよ。えへ。


そんなこんな、世界の美味しい物を食べたり面白い物を見たり、ついでに“世界中に世界樹を増やそう”をスローガンに世界を見て回ろう!



 結界を張る時何があるか分からないから取りあえず、ライデンと聖獣の仔達は僕の家に避難してもらう事にした。あっちにはシロガネもハクエンもいるから安心して遊んでていいからね、と皆で転移してもらい僕1人になる。


では世界樹さん、よろしくお願いします。

世界樹に対象物の印をつける。そして黒い板で半径200Kmに結界をポチッ。


ブワッ!!

世界樹を中心に強い風が吹く。悪い物を押し出すような、新しく空気を入れ替えるような…。

思わず立っていられなくて世界樹へ抱き着く形になる。

風が止み、辺りが静かになり目を開けると空気が一変していた。

風の精霊が先ほどの風を喜んでいたのかキャラキャラと笑っている。

火の精霊がびっくりしたのか目をくりくりさせている。

水の精霊が空気が変わったのが分かったのか喜んでいる。

土の精霊が地面からひょっこりと顔を出してキョトキョトと皆で顔を合わせている。



 僕もびっくりしたぁ!!仔達を避難させてて良かったぁ〜!

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