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お兄ちゃんですから。


 家に帰ると、ハクエンとライデンがまったりしていた。


「おぉ…、帰ったか…。

ここは良いなぁ…。聖域のように空気が澄んでいる上、精霊達がわらわら居る。皆楽しそうに遊んでいるぞ。

あの仔達にもこの景色を見せてやりたいものだ。」


温泉に浸かったおじいちゃんのような事を言い出した。

まぁ…、焦っても仕方ないしゆっくり休んでもらいたいんだけど…、切り替え早くない?さっきまで子供達が心配で気が気じゃないって感じだったじゃない…。

この短期間で何があった…?


ハクエンをちらっと見ると見たことのない植物を咥えニヤっと笑った…。何あれ…?


「あ〜!母様っ!それ、大人の草?」


何そのいかがわしい感じの草…。


「これ!シロガネ!内緒の約束だろう?

仕方ない。アルには教えておくか…。

これは聖獣にとって酒のような物だ。臭いを嗅ぐだけでリラックス出来て気持ちも良くなれる。

なかなかに良いものだぞ。」


…何それ……。酒?…なら良いのか?

「悪い物じゃない?体に悪影響はない?」

「あぁ…、大丈夫だ。こいつにもこれを食べさせる事について許可を得た。心配するな。」


はぁ〜、良かったぁ〜。やばいやつじゃなかったぁ…。久々に震えたね…。


取りあえずライデンには体が万全に整うまでここで静養してもらう事にして、お世話はハクエンに任せよう。


宰相さんに丸投げ案件はギルとウィル君とサンガリア公爵にお任せしておけばきっと大丈夫だろう。



 僕はアミンの森の浄化をもう少し進めることにした。


その内聖獣さん達の山も何とかしたいからね。




…と、言う事で今日はアミンの森に別邸を建てたいと思います。 

今日もメンバーはいつもの通り。楽しく参りましょう!


 案の定アミンの森の瘴気でめちゃくちゃお金が貯まっていた。これで好きな所に好きな様に別邸が建てられるぞ!!


クレイス様と相談して森の中間辺りに作る事にした。良い景色の所があるといいなぁ。どうせ作るなら景色の良い所がいいもんね。


皆でカーに乗り込み目的地を設定する。シロガネもこの前暴れられなかったからか、ワクワクしてる。

楽しみだね!!



 カーが目的地に着いた。ここはまだまだ浄化されてないので暗いし魔獣が跋扈している。その中でも景色の良い所を探してジルに運転してもらう。


ここなんかどう?ちょっと崖の上で徒歩で来るのは大変だけど見晴らしが良いよ?

…そうですか…、駄目ですか…。

まぁ…、ちょっと鳥獣による被害が凄そうだもんね…。主に排泄的な…。


ならばここは?滝があってマイナスイオン浴びまくりの癒しのスポット。

…そうですか…、ここも駄目ですか…。

まぁ…、ここも滝の音が凄くて大声を出さないと話がほぼ聞こえないもんね…。

ケホッ……。喉がやられますね…。



そんなこんな…、僕の選んだ所はことごとく却下されクレイス様主導で場所選びが進んでいく。

なんかこいつに任せてるとヤバいみたいな雰囲気を感じる…。

むぅ…。

ギルとアレク君が僕を遊びに誘ってくれる。

ウィル君は後ろでゲラゲラ笑っている…。

いいよいいよ…。どうせ僕はこういうセンスないからね…。


決まった教えてねぇ~!



皆でキャッキャと遊んでいると場所が決まったようだ。

そこは湖の畔、周りには高い木がなく草原が広がっている。夜になると星が湖に映って綺麗な事だろう。

たとえ今は星空も見えない位暗く、湖がヘドロかって位淀んでいて、鳥のさえずりではなく魔獣の咆哮が飛び交い、ギャッギャッと謎の虫の声で溢れていても。

きっと浄化されたら美しい景色に癒されるだろう。


 この湖の畔にコテージ風の別邸をポチッと。周りを結界で囲い、転移の魔法陣を刻む。

これはサンガリア公爵家の別邸にしたのと同じ。

目の前の草原にはモル君達に頼んで浄化した上でフィラムの花を植える。

皆で歌ったからなかなか広い範囲が浄化出来たよ。


さて、黒い板を渡して内装は家令さんに丸投げして…。

さぁ!遊ぶぞ!!

ちなみに家令さんは最初愕然としてたけど、ウィル君の“うちも家令に丸投げでしたよ〜”的な話を聞いて俄然やる気になってた。


対抗心的な…?


それにしてもさすが家令さん。家の全てを任せられる立場上こういうセンスも求められるのかなぁ。

それぞれの家の雰囲気を表した内装になっている。

ジルが後ろで当然ですが何か?みたいな顔をしている。私にもできますが?的な…。


センスかぁ…。僕にもその内芽生えるかなぁ…。



 アミンの森には飛行型の魔獣が多い。以前ギルに頼まれてた攻撃魔法を教える事になった。

あの魔力を極限まで圧縮したやつね。

「何これ…、これ以上圧縮出来ないんですけど…」

「そこをもうちょっと!もっとやれば出来るよ!

こう…、頭がパーンってなるくらい頑張れば!」

「……。他にコツとかあるんですか?」

「コツかぁ…。コツはこのぐるぐるしたのを頭パーンってなる位ギチギチにするんだよ!

もしくは鼻血を出すくらい鼻に力を入れるといいよ!」

折角頼ってくれるギルをガッカリさせないように僕は精一杯言葉を紡ぐ。

分かってくれたかなぁ…?皆の方を見ると、

「…。モウスコシヤッテミマス…。」

カタコトで言われた。なんか皆途方に暮れた顔してるけど大丈夫?もっと教えようか?



 僕お兄ちゃんですからね!何でも教えてあげるよ!!



 













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