アル 頑張る ②
バトじいへのポーションを作るため、〝初級薬学〟に再度目を通すと、
「あ〜…あったぁ。え〜と…初級ポーションの作り方は…。
元気が出る薬草と、気持ちを鎮める薬草を刻んで、キレイな水で煮る…と。
沸騰させたらダメなんだね。
以外と簡単かも…」
薬草園に来てみると、どちらの薬草もあった。
バトじいはすごいなぁ。薬草園には必要な物がちゃんと揃ってるんだ…。
シップも追加で作ってあげよう。
ルイにナイフの使い方を教えてもらって(手を切らないかとか、ヤケドしないかとか、色々心配かけたみたいで、僕の背後から動かなかった…。ゴメンね…。ヒヤヒヤさせて…。)、
「よし!完成!」
これで大丈夫なのかなぁ…結構、簡単だったけど…。
迷っていたら、ルイから、ジルが鑑定スキル持ちだと聞いて、ジルに大丈夫か、見てもらうことにした。
「えぇ。大丈夫です。
ちゃんと初級ポーションができております。
よく作れましたね。」
ジルからお褒めの言葉を貰ったので、さっそく、バトじいのもとへ…。
小さくトントントン…
バトじい、寝てるかなぁ…。
「はい。どなたですかな?」
良かった!バトじい起きてる!
そぅっとドアを開けると、バトじいはまだベッドの上にいた。
「バトじい。また痛い?
これ…替えのシップとポーション作ってきた。
ジルに見てもらっけど、ちゃんと、初級ポーションだって言われたよ。
あの…嫌じゃなければ…バトじいにあげるね。」
子供が初めて作った怪しい物なんか飲みたくないかも…。
急に不安になって、下を向いて、手をあわせてモジモジしまう…。
「では、さっそく飲んでみますね。
アル坊。こちらへ持って来て下さいますか?」
バトじいは僕の手から受け取ったポーションを一気に飲み干した。
「かぁ〜…。アル坊の優しさにあふれた味がしますなぁ。
少し、楽になった気がします。
明日から畑に出られるかもしれませんなぁ…。」
…子供でもわかるよ。バトじい…。
それは無いよ…。
僕が作った初級ポーションだもの…。
そこまでの効果はないんじゃないかなぁ…。
おじいちゃんの欲目だよ。もしくは、気の所為。
でも、その気持ちが嬉しい。
視界がぼやけちゃう…。うぅ…。
「ダメだよ。バトじい。
まだまだ、ちゃんと休んでね。
明日は僕が畑を耕してみるね。
種植えは心配だから、バトじいとやるから。
あそこの空いた土地でいい?
植えるのは黒菜だよね?
畝は3列位作っておく?」
「そんな!!
大変な事は儂がやりますんで、アル坊はしばらく畑はお休みなさってくだされ!」
「ううん。実は土魔法でやってみようと思うんだ。
試してみる。
ダメだったら、バトじいと後で一緒にやるよ。」
しぶるバトじいを説き伏せ、明日は畑作りに挑戦してみる事にした。
今日1日僕はバトじいの為に色々やってみた。
本を読むだけより、たくさん覚えた気がした。
明日も僕、頑張る!!