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歌を歌おう。


 魔獣の討伐が終わった。 

こちら側に怪我人はいないようでホッとしているとギルが駆け寄ってくる。

「兄上!兄上!さっきの凄い!格好良かった!!」

えへ。そう?

「ギルも凄かったよ。一撃で倒せるようになったんだね。怪我はないかい?」

「大丈夫です!今度あれ教えて下さい!」

任せて、ギル。なんでも教えてあげるよ!お兄ちゃんに任せなさい!

 

でもあれ…、ジルにしごかれて半泣きになりながら覚えたやつなんだ…。厳しかったぁ…。


良い思い出です…。



 皆さんが戻ってきたのと入れ違いに僕は回収係りをしていく。収納袋を持ってポイポイ。

アレク君が不思議そうに見ている。収納袋の説明をして一緒にポイポイする。

ギル達も来て皆でポイポイした。



 魔獣の血でだいぶ土地が穢れてしまった。

穢れた土地は魔獣の住処になりやすい。


僕は雨を降らせて血を洗い流し、歌を歌う。

土の精霊さん達にお願いして土をキレイにしてもらおう。


 精霊さんは穢れを洗い流す事が出来るらしい。

でも、それにはたくさん力が必要なので僕の魔力を、歌に乗せて皆に届けると効率がいいんだって。


 精霊さん達が穢れた大地の上を一生懸命走り回り精霊の力を振りまいている。

暫くすると終わったのか座り込む。

疲れたよね。ありがとう。


お礼に綺麗な雨をたくさん降らして感謝の歌も歌おう。


 

 ふと後ろを見ると皆が僕を見てる。

「?? どうしたの?」

「兄上、何してるの?」

「魔獣の血で大地が穢れたから精霊さん達に力を貸してもらって洗い流したんだよ。

今のはお疲れ様の気持ちを込めて感謝の歌。」

みんなビックリした顔をしてる。


だよね。僕も精霊さん達に聞いて初めて知ったよ。



皆で感謝の歌を歌う事になり、歌と魔力の乗せ方を教えてあげる。

精霊さん達が喜んでくれるなんとも不思議な歌なんだ。


僕達だけじゃなく、スピール公爵家の方々も一緒に歌ってくれる。


わぁ〜、精霊さん達がすごい喜んでくれてる。

飛び跳ねたり、ダンスを踊ったり精霊さん達も一緒に歌ってくれて、大合唱になった。


「わぁ〜!キラキラ!!」

アレク君が叫ぶ。


あれ?皆にも見えてるのかな?

うん。見えてるみたい。皆の目がくぎ付けになってるもん。



「賢者殿、この度はありがとうございます。あのような光景、初めて見ました。あれが土の精霊なのですね。」


あ…、やっぱり見えてたみたい。

「えぇ。土の精霊は歌を好みます。

そして僕の事は賢者ではなくアルとお呼び下さい。

庭仕事や畑仕事の時、実りの豊かな土地に行ったら是非、歌ってあげて下さい。喜びますよ。」

アレク君が目をキラキラさせて頷いた。

可愛いなぁ。


「兄上、他の土地にも精霊は居るのですか?」

「うん、居るよ。

見えないだけでここにもあそこにも。

実り豊かな時は土の精霊さんに感謝の歌を歌ったり、水や火や風の精霊さんにお世話になった時には感謝を込めてちょっとしたお菓子を置いてあげると喜んでくれるよ。」

ね!っと僕の両肩にいるラス君とメルちゃんに笑いかける。



 

 色々あったがそろそろカーを設置をしよう。

モートンの森をモデルケースとしたのでアミンの森も同じ様にスピール公爵邸宅の近い所から設置する事にした。


あんな屋敷近くに魔獣が出るなんて普通じゃない。

これでアレク君が少しでも安心して暮らせますように…。



 スピール公爵家騎士団は確かに怪我人が多く、万全の状態で動ける人が少ないくらいだった。

僕の持っていたポーションの他にカーの黒い板で購入した上級ポーションを渡しておく。


 精霊さんに話を聞くと、アミンの森の瘴気は年々濃くなり、本来魔物が嫌うはずの魔獣除けの薬草も枯れてしまったらしく魔獣が溢れる寸前だったらしい。

精霊さん達も少なくなり森に呑まれる可能性もあったそうだ。

恐っっ!間に合って良かったぁ……。


屋敷周辺がある程度浄化されたら魔獣除けの薬草を植えたり、薬草園を充実させよう。



 クレイス様と今後の事を相談して今日は帰る。


 

 また近い内に来るからね〜!



 



 








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