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アル 頑張る!


「バトじい〜!おはよう〜!今日も暑ついねぇ。今日は新しい種を植えるんでしょう?僕手伝うよ!」

「おぉ、アル坊。おはようございます。今日はいつもにも増して元気ですなぁ。そうですよ。今日は新たな種を植えるため、大忙しいんですよ。アル坊はお優しいですなぁ。」

くふふ…僕は尊くて優しいんだって。くふ…くふふふ…。

嬉しくてふわふわしている僕を見て、バトじいは優しく笑ってくれている。

くふ…くふ…何だか胸が温かい。今なら何でもできる気がする。

よし!今日は忙しいみたいだから頑張るぞ!!


 畑仕事をしているとドサッて音がした。見るとバトじいが倒れていた。

「え……」

頭が真っ白になる。

「バ…バトじい? バトじい! バトじい!! どうしたの?」

「すみません…アル坊…ぎっくり腰をやったようですじゃ…ジル様を呼んで下さいますか?動けんのです…」

僕の目からはドバァと涙が出てくるが、泣いてる場合じゃない!僕はジルのいる別邸へ走った。

「ジ…ジルー!ジルー!じる〜!じる、だずげで!!ひぐ…バトじいが死んじゃう〜…うぅ…じる〜」

ジルはすぐ来てくれて迅速にバトじいの処置をしてくれた。


 バトじいの住んでる小屋へ連れて行き、寝かせる。

ぎっくり腰は重い物も持ったりして腰がびっくりして動けなくなるのだと教えてもらった。

命の危険はないし、休んでいれば、その内良くなるから、大丈夫だと…。泣かなくて良いのだと…。

僕はびっくりしたのもあるけど、僕が死んだ時の事を思い出していたんだ。

バトじいが、あんなに苦しくて、寒くて、哀しい思いをするのかと思うと、悲しくて悲しくて…

でも、治るって言ってたもんね…

僕に出来る事はないのかなぁ…

ジルに聞いてみると、

「シップを作ってみますか?」

って言われた。

薬草園にある薬草で作れるらしい。

スースーして痛みが和らぐんだって!!

なにそれ!さっそく作ってみよう!!


 ジルが〝初級薬学〟って本を持って来てくれた。

それによると、痛みをやわらげる薬草とスースーする薬草をゴリゴリ擦って、スライムから作られたゲルと混ぜて、布に塗って、腰に貼るんだって!

これなら、僕にも出来るかも!

さっそく、薬草園へ行ってみる。

たしか、バトじいが教えてくれていたんだ。

あった!!これこれっ!!

薬草の摘み方も教えてもらった。

根は残して、葉っぱと茎だけ摘み取るんだって。


 僕は初めて作ったシップを、急いでバトじいへと持って行った。

バトじいはベッドの上で動けず、うんうん唸っていた。

ジルに手伝って貰ってバトじいの腰へペタッと貼ってみる。

「あ"〜…う〜…あ〜……。アル坊…ありがとうございます。スースーして気持ちいいです。

アル坊は本当にお優しいですなぁ…  

それなのに…。 バトは…バトは…」

と言って、泣き出してしまった。

僕も涙が出てきて、バトじいの手を握る。

「バトじい…バトじい…。 泣かないで…。

僕またシップ作って持ってくるからね。

早く元気になってね。無理しちゃダメだからね。」


僕は新たな決意を胸にバトじいの小屋を出た。

僕がバトじいが休んでる間、バトじいの仕事をやるんだ!

種の植え方とかはコツがあるからやらないけど、畑を耕したり、野菜を収穫したりはきっと出来るだろう!

あと1つ!僕の大切な3人がもし、ケガしたり、病気になったりした時に役に立つように、僕は薬学や治療について、学んでおこう!

よし!そうしよう!!

カーは出しておけば勝手にLvが上がるし、色々貯まるだろうから、先に、魔法と薬学を学んでしまおう!

16歳でこの家を出る前に、カーには色々必要な物を揃えればいいよね。

まずは薬学だ!!

バトじいを治してあげよう!

シップの他に必要な物は何だ?

ポーションとか作れれば、ケガ、病気知らずじゃないか?

よし!目指せ!ポーション!

バトじい!待ってね!

僕頑張るから!!


バトじいが泣いた時、口にしなかった言葉。

それなのに…(あの方々は、何も悪くないアル坊をこんな所に閉じ込めて!)

バトは…(悔しくてたまりません!) でした。

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