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えへ。

 

 ハクエンは陛下に、今後他の聖獣達が浄化の済んだ森に住むかも知れない事、その際の対応を考えるよう言ってた。

魔獣と間違えられて討伐されたり、聖獣を狙って無理矢理従魔登録する人がいるかも知れないしね。


陛下と宰相さんが森の立ち入り範囲を決めたらどうか、とか聖獣を無理矢理従える者への罰則を決めるとか、色々話し合いをしてた。


聖獣さん達も安心して暮らせるようにしないとね。


 その間、僕達子供組はお庭で遊んでいた。シロガネも美味しいお菓子を貰ってご満悦だし、アレク君はそんなシロガネを見てニコニコだし、ギルは僕の近くにいるし、ウィル君はそんなギルを見て笑ってるし…。


楽しいなぁ。なんだか僕も涙が出てきちゃう…。

もし、僕の髪が金髪だったら…、僕の目が青だったら…。

僕の目や髪が黒くなかったら僕達はこんな風に遊んでいたのかも知れない…。


なんで黒いんだよ…。くそぅ……。




 今度の森の浄化はアミンの森に決まった。


 1週間後、カーをアミンの森へ移動させる。

アミンの森にはカーの移動でも時間がかかりそうな為、僕は直接スピール公の邸宅へ転移してアミンの森へと移動する事にした。


クレイス様に転移の魔法陣を刻んだペンダントを持ってもらい1週間後の決められた時間に僕達が転移、カーで設置場所へと移動する事になった。


クレイス様とは別にアレク君には僕の屋敷へいつでも来れるようにアレク君、クレイス様限定の魔法陣を刻んだペンダントを渡した。


 アレク君、待っててね。君がもうあんな目をしなくて済む未来を作るからね。




 1週間経った。今日はスピール公邸宅へ転移する日だ。

ロバート様が付き添って下さる事になった。

まぁ、いつものメンバーかな…。


 先触れとして団長さんが先に転移。団長さんが戻って来て問題ないとの報告を受けて、僕達が順次転移していく。


 スピール公邸宅へ転移すると客間。

クレイス様とアレク君、他お付きの方が何人か揃っていた。


 皆さんこんにちは。お邪魔しますの気持をこめてアレク君に手を振る。

皆さん呆然としているけど、アレク君は嬉しそうに笑って手を振り返してくれた。


 魔獣被害によりクレイス様はあまり余裕がないようだ。ソワソワと外を見ている。

さっそくカーを設置しに行こう!


さすが公爵家。お外までが遠い…。僕はアレク君と手を繋ぎながら歩く。

アレク君も気が急いているのか早歩き。

任せとけ!僕は冒険者もやってるんだ!体力には自信あるし、走ってもいいよ〜!


皆の歩く速度が段々上がっていく。


 外に出ると邸宅の後ろにの方に黒い靄がかかっている森がある。

何あれ?!あんなにヤバいの?!


僕達が愕然としていると森から黒い塊が飛び出してきた。数にして数十匹。

スピール公爵家の騎士団が瞬時に臨戦態勢を取る。

僕の手を握るアレク君の手が緊張の為力が入る。


あれがアレク君にあんな目をさせた原因か!


僕の中に怒りが湧き出てきた。僕の怒りを感じ取ったラス君、メルちゃんの殺る気がどんどん上がっていく。

「殺っていいよ。」


僕の合図を機に精霊さん達だけでなく、ギル、ウィル君、団長さんにロバート様まで飛び出す。

みるみる魔獣達が蹂躙されて行く。土埃と魔獣の黒い血が混じり混沌とする。


僕も行こうと思ったけどアレク君が青い顔で僕の手を握っている。

僕はアレク君を抱き上げ、結界をはる。


「アレク君、大丈夫だよ。皆戻ってくるよ。

ケガしたら僕のポーションで治してあげるよ。」


1体の飛行体魔獣が皆の上をすり抜け僕達の方へ飛んで来た。

「兄上!!」

ギルが青い顔で僕の方へ駆けつけようとする。


大丈夫だよ。

僕はこれでも冒険者だよ。

ジルに冒険者を許される位には戦えるんだよ。


飛んできた魔獣に向かって片手を向ける。

掌に青い炎が生まれる。高火力の炎を極限まで圧力をかけ、赤いーちごの大きさまで小さくなる。

「行け。」

青い炎が矢のように魔獣に向かって一直線に飛んでいき、魔獣を貫く。

「グォォォォ!」

断末魔の叫びをあげて絶命し、その体が炭となる。


ギルもウィル君も、ロバート様も皆ビックリした顔でこちらを見る。


いつも見てるだけだけど一応殺れるんです。

えへ。



「「ちょっと!アルも消し炭にしてるじゃない!ずるい!!スパッで殺ってよぉ!!」」


あ…、そうだった。皆にはスパッでお願いしてるんだった。失敗失敗。

「ごめんね。忘れてた…。」

ラス君とメルちゃんが“もう〜”と言いながら許してくれる。


「アル君も戦えるの?」

アレク君が僕を見て聞いてくる。

「一応ね。でもいつもは皆の回収係りだよ。」

えへっと笑う。


アレク君もえへっと笑い返してくれた。

 




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