表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/67

誤魔化したほうが良い。

血の描写があります。


 レッドサーペントの巣の目撃情報があった場所に着いた。

シンさんが斥候役として先に森へ入っていく。

他のメンバーは戦いに備えて武器や防具の確認をしている。

皆さんの緊張感が高まっているのを肌で感じる。


その間にシロガネを起こすも、

「まだ眠い〜…。」

と、目が開かないようだ。


エルさんがシロガネにメロメロになっている。

分かる〜。可愛いよね。

意外なのが、カイさん。

遠くで手をワキワキさせてた。可愛いのが好きなのかな?


シロガネが起きない。仕方ない…。

シロガネが目を覚ますまで、僕が身体強化して抱っこして移動しよう。

抱っこ紐も持ってきたしね。


シロガネを抱っこする僕を皆さんが見る。

「ア…アル君?大丈夫なのかい?」

「はい。もう少ししたら起きると思うので、すみません。」

皆さんに迷惑かけないようにしないと。

「いや…、アル君、動けるの?」

「大丈夫ですよ。それに僕、結界張ってるので魔獣は近寄れません。」


 斥候から戻ったシンさんが僕を2度見する。

すみません。シロガネはまだ子供なんです。


巣を見つけたようだ。


では、行きましょう!!

ワクワクしながら後に続く。


 漆黒の風のメンバーは、ダンさん、カイさんが接近戦で、シンさんは斥候役と飛び道具での遠距離、エルさんが、魔法での後方支援。

バランスの取れたパーティーなんだそうだ。


ラス君とメルちゃんが

楽しそうに遊んでいたが、僕の近くに来てくれる。

「僕が居るから心配ないよ!」

「私が燃やし尽くしてあげるから!」


ダンさんから、初めての共闘の際は、お互いの戦闘体制を共有しないと連携が取れないからある程度、情報共有するように教えられたので、僕はラス君とメルちゃんの紹介をする。


「風の精霊のラス君。火の精霊のメルちゃんです。2人とも殺る気マンマンです。

寝ているのがシロガネ。起きれば魔法で討伐に参加します。

僕は主に魔法を使いますが、剣を使った接近戦も出来ます。

こうゆう時の動き方を僕は知りません。

ご迷惑おかけしないようにしますが、何か気付いた事がありましたらご指導よろしくお願いします。」

 

挨拶する。いざ!!





…、いや…、今日の僕は人との連携を学ぶつもりだった。

でもラス君とメルちゃんが……、殺る気マンマンすぎて、他の人が手を出す間がなかった…。


ラス君はこの前のように、首を一撃でスパッだし、メルちゃんは跡形もなく燃やす。


「メルちゃん、魔獣はお金になるからなるべく燃やさないで欲しいな。」

「ええ〜!燃やしちゃった方がスッキリするのに〜!」


メルちゃんにも首をスパッ…の方向性でお願いする。

僕達人間が手を出すタイミングがないまま、シロガネが目を覚ました。


「なんで?!なんでもうやってるの!

アル!アル!降ろして!僕もやる!!」


ジタバタするシロガネを降ろし、シロガネも参戦する。

シロガネも魔法と爪でレッドサーペントを切り裂く。


何となく大丈夫な気がして、僕は結界を周囲に張り、イスとテーブルを出してお茶の用意をする。


「楽しそうにしてるし、僕達は座って待ちましょう。」

皆さんにお茶と軽食を出し、テーブルの上に彩りをと、お花を飾る。


皆さんが信じられないものを見る目で僕を見る。

「?? 立って待つより座った方が楽だと思ったんですが…?」


 皆さんが席に着いたので、ラス君メルちゃんシロガネの奮闘を見ながらお茶をする。


今日の軽食はサンドウィッチです。ルイが愛情込めて作ってくれました。えへ。


 食べ終わった辺りに皆が戻って来た。

「あ〜!何食べてるの?僕も〜!」

シロガネが言うので、シロガネ用のお水とサンドウィッチを、あげる。

ラス君にはジャムの乗ったクッキー、メルちゃんには赤いーちごのジャムをお皿に載せてあげた。


「みんな、ありがとね〜。ケガはない?」

「「「ない!!」」」


良かった。皆楽しそうだった。


 さて、僕はいつもの様に回収でもするかな…。


結界を出て、収納袋を片手にレッドサーペントをひょいひょいと回収していく。

唖然としている漆黒の風の皆さんがハッとして手伝ってくれる。


粗方回収は終わったけど、辺り一面血の海だ。臭いも酷い。

僕は水の魔法で周囲に雨を降らし、血を洗い流す。

更に、風の魔法で臭いをちらす。


これで大丈夫かな?


後ろを向くとダンさんが頭を抱えていた。


「…ねえ、アル君。いつもこんな感じかい?」

「その時々ですけど、皆楽しそうに殺るので、僕はだいたい回収係です。」


ダンさんがメンバーさんの方を見る。

他のメンバーさんも頭を抱えている。


「ねえ、俺、何を教えればいい?」

「……」

皆、無言…。


僕の動き方何か悪かった?



 サンドウィッチを食べたシロガネがまた、ウトウト。

頑張ったもんね。

また抱っこ紐で帰ろうと思った時、頭上に大きな影がかかる。


漆黒の風の皆さんが戦闘態勢をとる。


あっ!ハクエンだ!

「ハクエン!シロガネを迎えに来てくれたの?

皆さん、こちら、ハクエンです。シロガネのお母さんです。」

紹介する。

「あぁ、初めての遠出でこうなると思ったからな。シロガネは我が連れて帰る。そこの者達も迷惑かけたな。

アル、気を付けて帰って来い。」

シロガネを咥えて飛び立つ。


「えぇ…、あれ…、魔獣じゃないよね…?

聖獣…??」

「まさか…。」

「ア…アル君、あれは一体…?」

「…シロガネのお母さんです。」

ニコ。



 聖獣とかは誤魔化した方がいいんだろうな…。



 思ったより早く解散し、家に帰った僕はルイとジルに今日の話をたくさんした。



楽しかったぁ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ