表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/21

ホッとしたんだ。


「バトじい〜!おはよう!今日は何の野菜が収穫出来そう?」 


 あの日から1年が経った。6歳のスキル判定後、僕とジルはメイドのルイ、庭師のバートにはある程度事情を説明して味方になって貰うことにしたんだ。

ジルがあの2人なら大丈夫だって…。

ちなみに乳母は早々にいなくなったらしく僕の記憶にはいない。

その結果今後の方針としては、

① ジルには魔法の他、語学や、お金の事など生きていく上で必要となる知識、常識全般。

② ルイには一人暮らし出来るように家事全般。

③ バトじいには野菜の育て方や薬草の見分け方。また冒険者ギルドに登録する事も考えて魔物の知識や戦い方について。

④ 16歳になったらこの家を出て一人で暮らす。


以上、この方針で行くことにした。

 ジルは最初僕が嫡男なのだからこの家に残れるようにと考えていたが、僕が嫌だった。

あの時の冷たい目。思い出すだけで体が震えるんだ。

もし、当主であるあの人が早死にするなら考えるけど、この先ずっとあの人達といる位なら早く平民になって自由に暮らしたかったんだ。

ジルは残念がっていたけど僕の気持ちを第一に考えてくれた。

と言う事で今の僕はジルが父様、ルイが姉様、バトじいがお祖父様位に考えてる。

あちらが僕を家族と思ってないように、僕ももうあの人達を家族とは思えなかった。



 僕の1日は朝、バトじいと一緒に畑仕事から始まるんだ。

その後ルイが作ってくれた朝ごはんを食べて(ごはん前の着替えも1人で出来るようにとなった!)、ジルと勉強。

午前中は語学やこの国や、周辺国の事。お昼ご飯はルイのお手伝いをしながら一緒に作る。

まだナイフは触らせてもらえないが野菜をちぎったりはやらせてもらえるようになった!

その後はちょっとお昼寝。(この体はすぐに眠くなるんだ…。)

お昼寝から起きると魔法の勉強。今は生活魔法について教えてもらっている。(便利だよね。汚れても一瞬でキレイになるし、手を洗いたい時も洗い場まで行かなくてもいいなんて。前は全部やってもらってたから分からなかったけど、今1人でやるようになって分かる。めちゃくちゃ面倒くさいよね。)

夕方にバトじいと薬草摘み行って、魔物について教えて貰ってる。(剣術や戦い方はまだ早いって…体力がついたらやりましょうって教えて貰ってない…僕は大丈夫だと思うんだけどなぁ…)

夕食を食べたらお風呂に入って就寝。毎日ヘトヘトだ。

ジルには詰め込みすぎだって心配されるけど16歳まであっという間だ。

前の様に死ぬなんてまっぴらごめんなので毎日頑張っている。

そのおかげで自分で出来る事、知識も増えてきて楽しい。毎日皆といれるのも楽しい。



 朝いつものようにバトじいと野菜の収穫や種まきをして、ルイの朝ごはん食べてたら、ジルから、「今日はスキルの確認をしましょう。」と言われた。

びっくり…忘れてた…。毎日覚える事がたくさんだったからすっかり頭から抜け落ちていた。

前の時も僕は後継者には関係のないスキルだと思っていて、全然確認してなかったんだよね…。

反省反省……。

3人からスキルは自分に必要な物が多いから磨いておいたほうが良いって言われて、庭の端っこで、"キャンピングカー"を出してみた。

「何これ…箱?」

「箱のようですが馬につなぐものでしょうか?」

「アル様、近くへ行ってみましょう。私が先に行きますので、アル様は私の後ろから付いてきて下さい。」

「アル坊、この"キャンピングカー"とやらはきっとアル坊の役に立つはずですよ。大丈夫。ちゃんと把握しておきましょう。」

4人とも興味津々で近くへ行ってみた。

箱に扉が付いていて中に入れるようだ。タイヤも付いているのできっと移動するものだろう。

中を見てみるとソファがあり、中で生活が出来るようだった。

(僕のバカ!前の時にこのスキルを確認していたらあんな目に合わなくてすんだかもしれないのに…!)これがあれば僕はここを出た後生きていけるかもしれない。

皆ホッとした顔をしていた。


 僕は無意識に深く深く息を吐いた。体が少し軽くなった気がした。


皆心配性。

ルイはナイフを持たせたくない。分かっているけど、あの小さな手に傷が出来たら、どうしよう!

バトじいはあんなにお小さいのに戦い方を教えて痣が出来たらどうしよう…

ジルはもっと休んで欲しい…体を壊したらどうしよう…

とかそれぞれ悩んでいるらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ