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安心してもらいたい。


 ハクエンとシロガネが、家に来てから初めての冬が来た。

昨夜からしんしんと雪が降り始め、今朝外は真っ白だ。

僕の膝くらいまで雪が積もったようだ。

ハクエン達は大丈夫かなぁ。

「ジル〜。ハクエン達の様子を見見てくるね。」

「この雪でお1人では危険です。私も共に参りますので少しお待ち下さい。」

僕はジルと防寒を付与したコートと、防寒と外側には防水を付与したブーツで2匹の元へ向かった。


 初めての雪にシロガネは大興奮だった。とても楽しそうに雪の上を、転がり遊んでいる。

「シロガネ!おはよう!初めての雪はどう?」

「楽しいよ!!ふわふわしてるし、口に入れてもすぐ無くなっちゃうの!」


最近シロガネも言葉を話せるようになった。

僕はシロガネが可愛いくて可愛いくて仕方がない。

弟の様に思っている。


 小屋からハクエンが出てきて

「朝から大騒ぎじゃ。無邪気なものよ。」

「母様母様!またポーンして!!」

と、シロガネがハクエンに突っ込む。

ハクエンは鼻でシロガネの体をポーンと高くすくい上げる。シロガネは雪の中へスポン…と落ちる。

楽しそう…。


 ふと気が付いた。

「どうしよう。姿は見えなくても、雪の跡でハクエンとシロガネ、バレちゃうんじゃない?」

新雪はあちこち穴が空き、肉球のついた足跡も残っている。

「…えぇ…。

ですが、今夜も雪のようですので上手く隠せるでしょう…。

情けない話ですが、冬の間は本邸の人間もあまりこちらに来る事もないでしょう。

だた念の為、ここで魔法の練習をしておきますか?」


 僕は今、守りの魔法の結界を、練習している。

ジルが雪玉をぶつけて、僕が当たらないように結界を維持するのだ。

ジルが魔法で雪玉をたくさん作り、僕めがけて飛ばしてくる。

たまに、強度の高い雪玉が頭の横をすり抜け、ひぇぇ〜…となる。


 しばらくやっていると、シロガネが

「何それ!楽しそう!!僕もやる!!僕もアルに雪をぶつければいいの?」

と、参戦してきた。


 シロガネはまだ子供だけど、流石は聖獣。

魔力コントロールが凄くいいんだ。

「アル!行くよ!!」

凄い大きな雪玉を魔力で固めて僕に投げてきた!

ひぇぇん…。

僕は持ちこたえられずぺしゃり…と雪に潰された。

「あれ?アル?いなくなちゃった…?」

シロガネが雪をかき分け、僕を救出してくれた。


「スゴイね。シロガネ。スゴイ硬くて、大きな雪玉をだったよ。」

「でしょう?僕、スゴイでしょう?」

きゃふきゃふ、シロガネが笑う。

「では、我も参加しよう。 

シロガネ、アルと共に我と戦え。

ジルはそこで暫し、見ておれ。」


 ハクエンが参戦した後はもう、めちゃくちゃだった。

何処からもなく、大きくて固い雪玉が襲いかかり、僕達は逃げるのに精一杯だ。

はぁはぁ…。楽しかったけど、もう…動けない。

雪の上にシロガネと共に寝転ぶ。ハクエンは、はふはふ笑いながら、

「まだまだ、子供よのう…。」

と小屋に帰っていった。


 雪原は凄い有り様だった。これなら足跡なんて見つからないだろう…。

「シロガネ。小屋は寒くない?何か欲しいものはない?」

「寒くないよ。快適だ。アル。ありがとうね。」

と、ウトウト…。

僕は力を振り絞って、腕に身体強化を掛け、シロガネを抱っこして小屋へ運んだ。


 その後、力尽きた僕をジルが運んでくれた。



 冬の間は、そん感じでハクエンとシロガネと遊んだ。

カーは森の奥に出しっぱなし。

この前行ってみたらものすごい額が貯まっていて、Lvも2→4に上がっていた。

室内がさらに大きくなったようだ。


 ハクエンから「我のような聖獣は未だ居る。

そいつらの為に、森を浄化してくれんか?

あいつらも安心して暮らせる所が今はなくなり、苦労しているようじゃ…。」


聞くと、他の聖獣さん達も瘴気に侵され、魔獣に堕ちたり、弱り、死んでしまったりしているらしい。


 この森が、安心出来る聖獣さん達の住処になれればいいなぁ…。




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